コマース差別化ポイントの作り方「しかりぶた」 🐷
こんにちは!YJキャピタル大久保(ツイッター:@kohhei_okubo) です。YJキャピタルでは主に、コマース・O2O領域の投資担当をしてます。元々ヤフーショッピングで働いてましたが、その時誰かに教わって今でもよく使っている”しかりぶた”(叱りブタ)フレームワークについて書きます🛒変な名前な分、今でも頭に残ってますw
日本においては、アマゾン、楽天、ヤフーといった巨大なECプラットフォーマーが存在しており、EC市場におけるプラットフォーマーのシェアは66%にも及ぶと言われております。
彼ら巨大プラットフォーマーではなく自分たちがユーザーに選ばれる理由を考える時に、「しかりぶた」フレームワークを活用できたりします。ちなみに、第1世代では”し(商品)”、”か(価格)”、第2世代では”り(利便性)”、第3世代では”た(体験)"が重要な要素になっている気がしてます。
し=商品
商品数で、巨大PFに勝つのは難しいです。なので、ここでしか買えない商品を持つことが重要です。彼らが取り扱っていない商品を扱ったり、オリジナル商品・PB商品を提供することで差別化を図ります。例えばゾゾタウンでは巨大PFには出店していない、ユナイテッドアローズ等のセレクトショップが出店してましたね。また、最近では、ロコンドがインフルエンサーとコラボ商品を出すなどして成功ている事例があります。さらにロハコでは、PBブランドであるロハコ水がとても好評だったりします。そして、クリーマ・BASEもココにしかない商品に出会えそうですね。
か=価格
価格、ポイントの観点で、巨大PFに勝つのは難しいので、基本的には他の要素で差別化できるのが理想的です。PayPayポイントの還元とかと正面からはぶつかりたくないですね。ただ、海外ではwishやPinduoduo等の安さで急成長している企業があるので、共同購入型や廃棄在庫の再販等での切り口の可能性はありそうです。
り=利便性
利便性も巨大PFへの差別化として有効です。特に巨大PFはオールジャンルの商材を扱っている分、商材に特化した探し方の提案等がしずらいです。例えば、ZoZoだとWEARがあったりしますね。海外の家具PFのwayfairでは、AR配置・コーディネートから探す、画像検索等、家具ならではの探し方ができます。商材やシーンに合わせた探し方の提案は差別化要素となりそうですね。また、ロジスティクスも利便性において重要です。巨大PFの中でもアマゾンは利便性にこだわっていますよね。ロジの強化はモール型のヤフー・楽天に対しては優位性になるでしょう。ワンストップというのは、例えばcarvanaという自動車ECでは、売買からローン、保険までワンストップで購買に紐づく付帯サービスを提供してます。また、メディア事業を営むコマース企業も認知→購買までワンストップで独自価値を提供してます。自社ならではの利便性をカスタマーエクスペリエンス全体で設計できると巨大PFとも差別化できそうですね。
ぶ=ブランド
ジャンルの第一想起先、ストーリーへの共感や、安心感、といった要素です。ファッションといえばZoZo、コスメといえば@コスメのような形で、○○カテゴリといえばココ、といった第一想起を取れると、そもそも巨大PFと検討されるまでもなくユーザーに選んでもらえるかもしれません。また、エシカルコマースといった流行であったり、ビジョン・ストーリーへの共感という軸でユーザーに選ばれるかもしれません。
た=体験
いまやECはただのお買い物にとどまらず、エンタメ・発見型の要素が強くなっています。ソーシャルコマースや提案型ECのような第3世代ECですね。このように、お買い物体験にフォーカスしたプロダクトづくりは、巨大PFとの差別化できる要素が多分にありそうですね。
以上、「しかりぶた」フレームワークでした。
コマース・O2O中心に幅広く投資してまいりたいので、ぜひ、資金調達の際、コマース事業の議論等でご連絡ください。よろしくお願いします!
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