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24歳ブス、美容院に行く

きよらのたまごとかいうCMに出てくるなんか超絶可愛さ癒やしのCO2を振りまく猫のキャラクターがいるんですけど
(彼猫の名前はきよニャというらしいです。多分某実況者とは何の関係もありません。)
先日そのきよニャちゃんのガシャポンを見つけたので即座に三百円をぶち込んでやりました。


かわゆい。


そして時は一ヶ月程前に戻ります。
どうにかして見れるレベルまでは見た目をどうにかしようと決心した私は(過去記事参照)おおよそ何年被りに鏡を凝視して思いました。

「「なんだこのスチールウールの箒みたいな髪の毛は…」」

ギリギリ人間でいるために毎日シャンプーとトリートメントだけは欠かさないでいていたのに、改めて見るとストレートではあるはずの髪の毛は、見えない力に惹かれるように外へと向いてっぺんは本当に無造作な無造作ヘアと化していました。

髪の毛常にパンテーンみたいな女の子って普段何して生きてるん?

そんなかんなで適当にショートカットもどきに切っていた自分の髪の毛も肩あたりまで伸びて無造作(ガチ)ボブまで伸び伸び育った私の髪、どうあがいてもこりゃプロに任せんといかん、と何年かぶりの美容室行きを決意しました。

美容室は人生で2度しか行った事がありません。
といのもある時急に男の人が無理ムリむりのカタツムリになってしまった自分はその事に無自覚なまま2回目の美容室で男の美容師さんに担当に着いてもらい

「男!」✕「オシャレ空間!」✕「嫌でも目に入る鏡!」

の3重圧に押しつぶされ全身に力入りまくり多分白目とか向いてたんじゃないかというガチガチぶり で最終的に

「あの、力抜いて下さい💢💦」

と怒られる失態をおかしてしまいそれ以来自分の髪は自分で心の赴くまま(詩的表現)切って整えていました。

流石に千円カットいけと、ツッコミをいただくと思うんですが千円カットイメージ的におじさんが多そうでそうなるとよけいカタツ無理状態が(以下略)

なのでとりあえず美容室を探す時スタイリストさんが女性しかいない場所を探しました。

「美容室 女性スタイリスト (近くの駅)」
検索。

あー、シャンプーが楽になりそうだしコテで巻いたり結んだりが無いから短く切ってもらお。
なんて途中から思い立ちまして。

「美容室 女性スタイリストのみ (近くの駅) ショートカット」

検索検索。

要求の多いワガママ坊やだなとは自分でも思うんですが、まぁ実質初めて美容室に行くのだから調べ過ぎるという事も無いだろう、と。

と、というか。自分気づいてしまったのです。

というか今まで美容師さんにお任せして納得のいく仕上がりにならなかったのって自分自身に目指すべき容姿(ビジョン)(容姿と書いてVISION)が無かったからなのではないだろか、と。

だが今の私は違う。変わったのだ。変わろうとしているのだ。

『私はショートカットの似合う美人になる!!!』

「面長 似合う髪型」 検索。
「(駅名) 美容室」  tiktokで検索。
「ショートカット 細い毛質 似合わない」
「顔丸い ショート 大人っぽく」
検索ゥ。
検索。検索検索検索。検索!

検と索。

そして、発見しました。

スタイリストは女性のみ!
ショートカットを得意としている!
なんか骨格とかその人がなりたい雰囲気にそってなんかいい感じに切ってくれるらしい!すごい!
お店の雰囲気もめちゃいい!
あとお財布にもそこそこ優しい!

そして即予約。
現状自分の抱える悩みとか不安とかを書けるだけ書いて、今まで自分で切っていた事も書きました。
とりあえずお店のサンプル画像みたいなのから自分が一番なりたい髪型に近いものを選んでホイッ。

予約当日。

今自分が出来る精一杯のメイクとおしゃれをしてオシャ圧(ブスが勝手におしゃれな人間に感じているプレッシャーのようなもの)に負けないよういざ鎌倉。

なんだかいい匂いのシャンプー(アロマがなんかあれして自然由来でいいらしい)をされて首とか頭をモミモミされ心身共に✨🤤✨となりカットへ。

最近は雑誌何かもタブレットなんすねぇ。
ファッション雑誌て何でポエムばっか読むんですかねぇ〜。
ただのTシャツとズボンで何で諭吉が出てくるんすかぁ〜おかしいでしょ〜!?布だぜ!?

と、脳内で美容師さんと軽快なトークを弾ませたりしていたら気づいたらさっぱりしていました。
足元には大量の古い自分自身が。

細かい微調整をしていきますねと美容師さんがハサミを滑らせる頃になってようやく、口を開く勇気が出ました。

「アンニョン…ヒヒ結構自分、髪の毛細いんでペタッとなるのが悩みだったんですけど凄くきれいに丸っこくなってますねー」
『髪のボリュームってドライヤーのかけかたによって変わるので今日やったようにやってくださればこんな感じにボリューム出せますよ』
「アッショナンデスカ…フヒッ」
「アニョ自分、今まで髪の毛も自分で切っていたくらい“本当に”何もしていなくて…」

「自分の事は本当にもう、オシャレ赤子だと思っていただければ…(渾身の爆裂おもしろギャグ)」

『へ?なんですか?』

「っ!?あの…オシャレ赤子だと思っていただければ!」
『(爆笑)』

『いいと思いますよ〜こういうのって自分への投資ですし、自身もつきますしね』
「ふぁえ〜」

『前髪、どうなさいますか?結構重ためなんて、こんな感じですいたほうがいいと思うんですが…』
「あっそう、ですね」
自分はおでこのど真ん中に大きめのほくろがあって、それがコンプレックスで前髪で隠していた。
「レーザーかなんかで取ろうと思ってるんですけど、そうするなら今時の前髪にしたいですね」
『そんなことで隠すのもったいないですよ!絶対開けた方がいいです!』
その時の自分はもはや美容師さんのマネキンと化していた。プロに任せよう。私はオシャレ赤子なのだから。

その後はなんかオーガニックのなんか柑橘系の香りがほのかに香るスタイリング剤的なものをつけてもらいこんな感じに毛先遊ばせるのもいいですねなんてアドバイスをもらったりした。
(だが申し訳ないが一回じゃ覚えられなかった。オシャレ赤子なので。)

結果。
お店に入る前よりも少なくとも身なりの整った年相応の女が鏡の前にいた。

美容師さんはお見送りの時も
(ホントこんな面倒くさい奴を凄いいい感じにしていただいて、クソみたいなトークに付き合って頂いて、美容師はなるのも働くのもしんどいってBKB美容室といとこの話から知ってるから見送って下さるのもマジ申し訳ないんですけど)
『本当に可愛くなりました!』
と必要以上にかわいいを連呼してくれて。
ありがてぇ。感謝感謝やで。

ただ、照れくさいが実際私は少なくとも店に入る前よりもかわいくはなったと思う。

少なくとも、前の自分よりは。
そんなふうに心の中でスキップをしながらお店を出た、そしたら。

鬼のような強風が吹き荒れ、美容師さんがきれいにセットしてくれたさっきまでいい感じにキマっていた髪型は強風に煽られ洗濯機に入れられたが如くキリモミ回転した。



“外出た瞬間終ったわ”

“風強すぎて、おなくなり”

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