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建築とインテイリアと家具


僕は夢のない子供でした。


 小学校から中学校までサッカーをやっていましたが当時Jリーグも無くサッカー選手になりたいとも思った事もないし、インターネットもないので情報も無い時代です。作文や卒業文集など将来の夢を書く時は、めちゃくちゃ悩んだ記憶がありますが、何を書いたかは覚えていません。

小学校の時

 小学校の時から何かを作ることが好きでした。自由研究では、家の模型を作ったり、竹馬を作って遊んだり、飛行機を作って居間から隣の6畳の部屋の端から端まで飛ばしたり、絵を描くのも好きでドラゴンボールのキャラクター孫悟空をよく描いてました。

中学校の時

 中学校では技術の授業がとても好きでした。

高校の時

 高校の時は、とりあえず夢もないから大学を受験しようと勉強もしないで、”ひょっとして”の可能性に賭けて当然のように落ちました!そこで考えたのが、中学校の時、好きだった技術の授業で椅子を作るのに設計図を書いたり、道具を使って木を切ったり溝を掘った時の記憶が蘇って、自分で図面を描いて、家や建物が建って、それが何年もの間世の中に残るような仕事がしたいと思った時に初めて夢が出来たと感じました。そして初めて建築のことを意識しました。それから慌てて専門学校を探し、青山工学専門学校 札幌校 建築設計CAD 科を受けて見事合格!(面接だけなので多分誰でも受かってたと思います)

専門学校の時

 専門学校は、法律や構造力学などの授業は難しかったけど、CAD(パソコンで図面を描くソフト)は楽しかったし、”建築家に俺はなる!”という夢もあったし、1つでも単位を落とすと卒業できなかったこともあって皆勤賞で卒業しました。

フリーターの時

 卒業後は、不況真っ只中だったので就職も決まらずバイトをしながら仕事を探し、お金を貯めて1年間ワーキングホリデーでオーストラリアに行った後、店舗の什器などを作っている会社が主催していた家具を作るワークショップに参加したりして7年くらいが経ち、成り行きで運送会社に就職しました。

ワークショップで作った家具。今でも実家にあります。この作品が今の仕事の原点のような気がします。

 

社会人の時

 運送会社で働きながら、たまにワークショップをやっていた会社に製作やイベントの手伝いなどに行き交流を持ちながら11年くらい働いて、会社への不信感と従業員との人間関係が嫌になって退職することに。

 

夢に近づいた時

 退職後、個人事業主として開業して、ワークショップをやっていた会社に業務委託という形で仕事をもらいながら色々教えてもらいました。その頃、その会社は店舗デザインもしていたので、図面を描いたり、現場管理をしたり、現調や打合せをするのが建築家になるという昔の夢に近付いている気がしてとても楽しかったです。

その頃手がけた物件で特に印象深いオイスターバー


夢が叶った時

 それか1年くらい経った時、美容師の友達の友達がお店を出したいということで初めて自分で受けた店舗デザインの仕事。
設計、インテリアデザイン、現場管理、解体と塗装はオーナーと一緒に作業し、大工さんの手伝いで釘を打ったり、電動工具を使ったり、ロゴや名刺をデザインしたり様々な経験をさせて頂きました。オーナーさんにもとても喜んでもらい今でも髪を切ってもらっています。フランク・ロイド・ライトや安藤 忠雄のような建築家には程遠いけど少し近づけたように感じました。今は、建築家というよりインテリアデザイナーに近いと思いますが、夢は叶ったと思っています!そして、この頃から捨てられる木製パレットやこの美容室の工事で出た、端材などで家具を作りはじめます。

解体するオーナー
店内の様子。壁はエイジング塗装。
シャンプースペース。ここの壁をオーナーと一緒に塗りました。
パレットで作ったテーブル


最近

 最近と言っても2020年7月〜9月の施工ですが、和と洋を融合させたカウンター6席しかない創作料理のお店をデザインさせて頂きました。飲食店の場合、オープンしたら職人さん達と一緒に食べに行けるのが嬉しいです。オーナーからは、働きやすいとてもいい雰囲気のお店を作っていただいてありがとう!と言ってもらえ、職人さん達が美味しい料理と美味しいお酒で喜んでいる姿を見て、施行中はちゃんとイメージ通りに仕上がるか不安で胃が痛いですが、この仕事をしていてとても嬉しく、とてもやりがいを感じる瞬間です。そして何よりホットします。

創作料理のお店

原点に帰って畳を使った家具を復活させようとスツールを作りました。

座面に畳を使ったスツール

製作風景 https://youtu.be/Dzqif107_qg

これから

 一級建築士を目指そうと思ってます。
夢が無かった子供の時代。好きなことから高校卒業の進路の時になんとなく夢ができたけど、叶うまでに時間がかかり、夢が叶ったから良かったんじゃなくて、自分の仕事でオーナーが喜んでくれたり、自分の作った家具を買ってくれた人が高評価をくれることが何より嬉しくて、笑顔になれる瞬間です。

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