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心の声に耳を傾ける時間〜紙の手帳のすすめ〜

スマートフォンを初めて手にしてから、10年以上が経過した。

私は、スマホを持ち始めてから、全てのスケジュール管理をデジタル化している。

特に不都合はなく、いつでも自分の予定を確認できるし、荷物も減らせるので、これ以上の最適解はない、と思っている。

いや、思っていた


昨年から紙の手帳の併用を始めた。

いや、もっと前から併用を試みたことはあった。
しかしなぜか続かなかった。

昔から書くことは好きで、書いたものを眺めて視覚的に把握したり理解したりすることも好きだった。

また、文房具にこだわってみたりするのも、趣があって興味深い。

もともとアナログなことも好きな私なのに、
仕事もPCで完結できる内容だし、手帳も完全デジタル化していたので、
紙とペンが擦れるあの「シャシャシャ!」という感覚に飢えていた。

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紙の手帳とデジタルの手帳を併用し始めた時に続かなかった理由は、双方を同じ目的で使ったから。

誰かと約束したら、スマホに予定登録して、別途紙の手帳にも書く。

そんな二重管理状態では面倒くさくて続かないわけだ。

だからと言って、「シャシャシャ!」が恋しいという理由だけで紙の手帳に戻る気にもなれない。

しかし、デジタルでのスケジュール管理だけでは、何か味気なくて物足りない。

その不満の正体が何なのか、突き詰めて考えて、やっと答えが見つかったのが昨年だった。

そこから、挫折することなく、むしろ楽しんで、デジタルとアナログの手帳を使い分けている。

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では、私が辿り着いた「答え」とは何なのか。

それは、デジタルの手帳とアナログの手帳に求める目的を明確に分けること。

具体的には、「事実」に基づく予定をデジタルで管理し、「心の声」に基づく予定をアナログで管理することにしたのだ。

「事実」に基づく予定、とは、

  • 誰かと会う約束をした

  • 美容室の予約を入れた

  • 友達の結婚式に招待された

など、予定としてすでに決まってそれを忘れずに遂行すればよい内容のこと。

こういうものは、まさにデジタルでの管理に勝る手法はないと思う。

一方、「心の声」に基づく予定、とは、

  • このあたりで仕事がひと段落するから、まとまった連休を取りたいなぁ

  • この月のこのあたりの週で、天気が良い日にキャンプに行ってみたいなぁ

  • 半年後までにこの試験に合格していたいなぁ

など、自分の希望や、将来のなりたい姿から逆算して、自分の時間を確保すること。

私は、この「心の声」に基づく予定の管理をアナログで行うようにしたことで、
自分の気持ちや些細な変化によく気がつけるようになり、
自分の人生を思い通りに生きている感覚が強まってきた気がしている。

これはデジタルだと少々やりにくい点がある。

というのも、「心の声」に基づく予定というのは、最初からきれいに整理・管理できていないことが多いからだ。

単純にカレンダーに予定を書き込むだけでなく、
言語化できないモヤモヤした思いを抽象的な言葉でメモとして残したり、
まとまらないことは絵や図形で表現してみたり、
心に浮かんだちょっとしたことを走り書きしたり、と、
自由に、ありのままに書きたいがゆえ、どうしても紙に書きたいのだ。

ぐちゃぐちゃしている内面を紙にアウトプットしているうちに、本当の思いに気づくこともあるし、
過去の何気ないラクガキから、本当にやりたいことを見つけたこともある。

手帳という名の「自己との対話帳」なのかもしれない。

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「事実」に基づく予定だけで幸せに生きられる人も当然いるだろう。

ただ、私のように、予定を決める際に、無意識のうちに相手に合わせてしまったり、多少無理しても詰め込んでしまったりする性格の場合、
「事実」に基づく予定だけに身を委ねていては、自分の本心から遠のいていく感覚がして苦しいのだ。

そのため、「私、本当はどうしたい?」と問いかけ、その問いかけに答えるために自分の予定を押さえ、その予定に従って行動することで、自分を満たしている。

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私にとって、デジタルの手帳は社会生活を円滑にするためのツールであり、アナログの手帳は自分を幸せにするためのツールである。

どっちも、私にとっては大切だ。

多くの人が単純な予定管理のために手帳を使っていると思うので、ぜひ、+αとして、紙の手帳で心の声に耳を傾ける時間を作ってみてほしい。

幸福度が増すので本当におすすめだ!

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