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EVERYDAY大原美術館2023 vol.10「モネの睡蓮の向こう側」

モネの「睡蓮」。
有名すぎて、わざわざ語ることもなさそうだけど、大原美術館のモネの「睡蓮」と言われて、どんな作品か頭に浮かぶ人はどれほどいるだろう?

モネが描いた「睡蓮」。250点以上描かれたという。
日本でも、ポーラ美術館、地中美術館、国立西洋美術館、大山崎山荘美術館など、まぁ、たくさん見られる。

つまり、「睡蓮」は知っているけど、大原美術館の「睡蓮」を知っている人は本当わずかな人だと言っていい。

クロード・モネ作「睡蓮」

ナカムラさんの睡蓮

ナカムラさんの睡蓮は、ちょっと鮮やかだ。緑も彩度が強く、生き生きしている。大原美術館では、最初の部屋。照明も弱く、全体的に暗い部屋に所蔵されているからか、全体的にはパッとしない暗い印象の睡蓮だ。

2度目の睡蓮

睡蓮と向き合うのは2度目。なぜ、モネは睡蓮を描くのか。

睡蓮で何を描くか

睡蓮を描こうとすると、描かざるを得ないものがある。
まずは、蓮の花。実態として、そこにある現実の世界。
水面に映る木々、空、空気。映し出された虚構の世界。
水の中に眠る、藻や草。歪められたもう一つの世界。

目で見ている世界は、どこからどこまでなのか。
目で見ている世界だけが、本当の世界だろうか。
それぞれの世界はそれぞれの世界に作用を及ぼしあい、
境界線を作っている、水面は揺れる。

なぜたくさん描くのか

モネは、「睡蓮」という題材を手にれて、何枚も何枚も描き続けたのだろうか。そこには執念のような、執着のような、信仰があったのではないだろうか。

ほんの少しだけ見える青空

水面に映るほんの少しだけ見える青空を描いていたのではないかと思うようになった。それはただの青空だったのだろうか。
天だったのだろうか。直接的に天国やあの世のような世界を描くことはできない。この世に住んでいる限り、実物として見ることはできない。
ただ、そこにある別の世界。実在でも虚構でもない。
空想でも、嘘でもない、信仰としての天。






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