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夫のメンタルが強い

知識を詰め込むのが好きで、いろんな本を読む。

自己啓発本には「今の自分を変えて、なりたい自分へ」などと説いたものも多い。

他人の思考は読めないが、世の中には「今のままじゃダメだ。より良く生きよう」とする人が多いかもしれない。

私もその1人だ。昨日より今日、今日より明日は良くなっていたいと思う。

しかし、夫はそうでもないらしい。
彼には野心や向上心とかいったものは、ほとんどない。
ただ大好きなゲームでは、ある程度自分が望むレベルまでにはなりたいようだ。

夫は「美味しいものが食べれて、のんびり楽しく生きられればそれでいい」という。

まるでスナフキンみたいだな、と思う。
スナフキンとは、ムーミン谷に登場する架空のキャラクターで、おおらかで気楽な性格の旅人だ。

「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」

スナフキン『ムーミン谷の夏まつり』(1954年)より

夫は、自分がなにをしたいのかわかっている。
好きなことができて、自分と好きな人たちが一緒に楽しく暮らせればそれでいいように見える。

そのためにやらなきゃいけないこと、例えば仕事や家事は、それはそれとしてしっかり頑張ってくれる。

私が夫のことを尊敬してることの一つに、「頼んだことをすぐやってくれること」がある。

「どこどこに電話しといて」「ネットでこの手続きやっておいて」とか、すぐにやってくれる。

夫はとても面倒くさがりで、特に書類を書いたり事務手続きをするのが大嫌いだ。しかし、それをやらないで自分や私が不利益を被る方が損だと思っているように見える。

やらなきゃいけないことはさっさとやってしまって、後は好きなことをしてのんびり楽しく過ごすのだ。

夫は、嫌なことは寝たら忘れるタイプで、くよくよ悩まないし、切り替えも早い。

完璧主義で嫌なことはずっと頭に張り付いてるような、鬱になりやすい性格、というか実際に鬱を患っている私からしたら、心底羨ましい。

以前、どうしてそんなにすぐに、嫌なことから切り替えられるのか聞いてみた。

すると夫は「考えるべきことは、ここまでと決めたらそれ以上は考えない。あとは好きなことを考える」と答えた。

私はいつも先の先まで考えて、頭の中で思考がぐるぐるとしているタイプだったので、ここまで!とラインを決めてしまう発想は新鮮だった。

例えば、子育てでいえば「この子はこれができない。どこか発達に異常があるかもしれない」と思うことがあったとする。

その時点で調べてわかることならいいけど、時間が経って成長しないとわからないことだったら、もうそれについては考えない。

それよりも、その時点では「可愛いな。大好きだな」と思いながら生活していった方が幸せだろう。

これは、私の精神科の主治医からも言われたことだ。

病気が治ったわけではないのでどうしようもない日はあるが、夫と暮らし始めてから、私のメンタルは随分と良くなった。

特別なことはしなくていい。
私たちは生きてるだけで、充分よくやっているのである。

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