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映画感想文_フェイブルマンズ

まあ世界中で愛されているであろう数々の作品を世に届けたスピルバーグの自伝的作品とのこと。
正直なところ私は世界の名画をコンプリートしているわけではなく、ジョーズもETもジュラシックパークも見たのははるか昔、正直ストーリーをそこまで覚えていない…
しかし世界になを轟かせる巨匠がどのようにして生まれたのか、というのは非常に興味があり、結構前から楽しみにしていた作品。

まずもって感じたのは、「アーティスト」は生まれながらにして「アーティスト」なのだということ。
本作で言えば、サミーは映画に心を奪われて以来、家族を、心を、あらゆる出来事を映像に収めようとする。実際にそういった描写がないシーンもあるが、なんとなく伝わってくる。レンズを通して見たらどのように映るのだろう?と考えているサミーが。

こればっかりは仕方ない。
誰もが天才に憧れたり、アーティスト・芸術家が格好良く見えたりするものだが、そういった「認められた人」が必ずしも生きやすいわけではないし、苦労していないわけではない。なぜかその側面が映し出されないだけで。

天才やアーティストの話は、そうでない私には共感しにくい部分が多々あったが…
映画を通してもうひとつ感じたのは青春時代の体験や感情はその後の人生にずっとまとわりついてきて、そのことは天才も凡人も同じなんだなと。
サミーが体験した家族の話、学校での出来事、そういった積み重ねがきっと巨匠スピルバーグを作り出していて、
それは私にとっても同じことなんだな、と思った。
今の自分のキャラクター、性格、特技、自信、コンプレックスも。
そんなのは大体ルーツやきっかけは青春時代にあって、そのままのものあれば、青春時代の自分から反転してしまったものもあれば。
そんなのをひっくるめて、人間って才能に関わらず記憶と体験で出来上がるんだなー、なんて思った。
当たり前のことですね。
そう考えると、自分みたいにクヨクヨ考えることが多いタイプの人間は、「過去は振り返らない!前しか向いてねぇ!」みたいな生き方なんてする必要なく、しっかりと過去を振り返って、ひとつひとつ積み上げて行っていることを自覚しながら生きていくことが大事なんだなと再認識したり。
映画の感想から少し飛んでしまうが、そんなことを今になって考えました。


結局のところ、映画の中の2時間やそこらでは人の反省は語れない。
続きが気になる。サミーがその後どんなことを体験して、どんな感情を抱いて、どんな人間になっていくのか。
続編あらばぜひ見たい。
そんな作品でした。

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