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映画感想文_オットーという男

かっこよくないトム・ハンクスのお話。
かっこよくないけどすごくステキなトム・ハンクスの話。

いやはや、とても好きな映画だった。
1〜3月で見た作品の中でナンバーワン・ハートウォーミングかもしれない。

頑固で周辺の住人から腫れ物のようにされているオットーだが、
彼は彼で孤独と戦う日々。
それに耐えかね、自死をも考えている。
そんなところに陽気でグイグイくる家族が越してくることに。
生活は一変、愛や思いやりに溢れていく。。。


現代社会では人と人との繋がりが希薄になった、なんて良く言われる。
田舎出身の私は、それこそ田舎にいた高校生くらいまで町内や近所の人とたくさん繋がりがあったし、それが煩わしいとすら思っていたが、ここ最近では地元に帰るたびに古い建物がなくなり、新しい家が建っている。
おそらくちょっと前まであったような、町内のつながりは無くなっているのだろう。

また、今は都内の賃貸マンションに住んでいるが、
恥ずかしながら、お隣さんに引越しの挨拶などもしていない。
顔を合わせたらら挨拶くらいはするものの、なんならなるべく鉢合わせないように暮らしているかもしれない。
ご近所付き合いの希薄化。それが良いことなのか悪いことなのか…


この映画の本旨とは異なるが…
つながりがあれば良いというものではない、と私は思っている。
トラブルに発展することだってある。「ご近所ガチャ」なんて言われることも。
一時期地方移住、Iターンが流行っていたが、
地方移住を決断したYouTuberがその社会に馴染むことができなかったり先住の人たちとのトラブルがあったりで都会に戻ってくる、なんて話もごろごろあるらしい。
実際に私も地元の田舎にいた頃は、顔と名前が割れているが故に嫌な思いをしたり生きづらさを感じたりしたこともあった。

仲良くなるキッカケが偶発的に生まれにくい環境においては、必要以上に仲良くなるためのアクションを取る必要はないのでは?と思ったりする。


一方で、震災のときなどの有事の際に起こるご近所付き合いや助け合い、というのは、必要なモノであり、かつステキなモノだとも思っている。
有事の際に助け合えるような関係でいられることは生活している上で重要。
それは頭ではわかっているのだが…

有事でないと助け合わないのか???
と言われると確かに打算的だし何も言い返せないが、
ステキな形でのご近所付き合いはちょっと憧れたりもする。
私の友人は数年前に家を建てたのだが、ご近所さんと二郎系のラーメンを食べに行くらしい。ステキな関係じゃないか。

今からご近所さんと仲良くなろう!とはならないが、
オットーを変えたような「温かさ」をもった一市民でありたい、と思う。
今から新たな関係を築いていこう!とはならないが、
せめて手の届く範囲だけでも温かさを提供できるように…

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