竹中平蔵氏のベーシックインカム論について

 先日、竹中平蔵氏が行ったベーシックインカムについての発言がTwitterのトレンドに入っていて日本でもベーシックインカムについての議論が高まってきたなと思ったが、いざどんなものかと思って見てみるとベーシックインカムとは言えない内容で残念でならなかった。

 竹中平蔵氏は何かと批判を受ける人であるので、人によって批判の内容は様々だが、私は彼のベーシックインカム論については賛同できるところが多々ある。所得制限を設けることについては、それではベーシックインカムとは言えなくなるので反対だ。

 ベーシックインカムとは竹中氏のいうような所得制限があるものではない。さらに言えばZOZOの前沢氏が現在Twitterでやってるようなお金のバラマキでもない。あれは宝くじのようなものだ。娯楽気分で参加するようなものでベーシックインカムとは言えない。

 ではベーシックインカムとは何なのかというと国から国民へ平等に与えられるお小遣いのようなものだ。税金の逆バージョンのようなもので、税金が本来国民から平等に徴収されるものだとするならば、ベーシックインカムは国民に平等に配られるものだ。これは生活保護のような側面も年金のような側面もある。

 生活保護は理念こそ素晴らしいものだが、それを実際に行うのは大変難しく、多くの問題が発生している。例えば、不正受給の問題であったり官僚による資本調査などだ。国民の税金から生活保護の財源を捻出するというものである以上、不正受給であったり、濫救という問題が発覚すると国民からの反発は強い。

 私は個人が政府から支援を受けて依存する状態はあまりいいものだとは思っていない。基本は自らの力で努力し、ここに周りの助け合いが支援の輪をつくり、それでもダメなら政府に頼るというのがベストだ。最初から政府に頼っていたら政府の機能を拡大するのを是認することになり、現在のような大きな政府による行政権力が社会のどこにでも及ぶものとなってしまう。

 これは日本社会の硬直と停滞を招き社会発展に大きな影響を与える。事実、日本経済は大きく停滞し苦しんでいる。これだけインターネットが発展した時代になって、貧困層に向けて慈善活動を起こす方法は数多ある。必ずしも政府である必要はないのだ。ネット環境で呼びかけを行って、個人の活動としてできるのだ。

 生活保護も年金も社会保障の構造上、大きな問題を抱えていることは間違いなく、度々問題になる。これらが複雑な構造である以上これをベーシックインカムで単純化して最低限の保護という意味合いを維持し、自助を助けるというのはいい方向だと考えている。

 本来人は自分の力で生きていくべきで生活保護も年金もそれを補助するものに他ならないわけだから、それを目的化してはいけない。

次はベーシックインカムの中身とメリットについて書こうと思う。


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