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突然ですが | 私が選ぶ料理レシピ本大賞2021

料理レシピ本大賞が9月7日に発表になります。毎年注目しているイベント。なんですけれど、私も選考してみたいなと。

そこで今回は私が独断と偏見で選んだ料理レシピ本大賞を開催することにしました。

まず、私の属性と趣向から。

食料品、料理・レシピ関係の仕事をしているので、普通の方よりはレシピ本を読んでいる(と思う)。ただし、出版には携わっていない。仕事で帰りも遅いので、料理は主に週末。40代ふたり暮らし。お菓子とパン、粉もの料理、保存食を作ることと、果物が好き。

もらったり借りたものではなく、自腹で購入した本から選ぶ。40代になると2〜3年はあっという間。その時間感覚で選んだ最近の本。※本家の料理レシピ本大賞でエントリーされていないものも含む。

では私の選ぶ「料理レシピ本」受賞作品を発表します。(ドラムロール:ダンッ、ドゥルルルルルルル、ジャン! )

▼総合大賞

高山なおみさんの『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)

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表紙が衝撃。料理レシピ本としては、かなりのチャレンジですよね。私も余ったごはんの冷凍はします。ザ・日常は親しみやすさもありつつ、なぜかドラマティックに感じるのはなぜだろう。

中身はとてもラフ。しかし、ラフに作るってじつはむずかしい。基本があって、軸がブレず、その人から醸し出されている「らしさ」があるからこそのラフなんじゃないかと。

そして、開けっ広げなところもよい。生活を見せるとなると、整えてしまうし、よく見せたいと思ってしまうもの。それが全くない(ように見える)のに、清潔感がある(整えている)。

沢木耕太郎さんの「深夜特急」は私のバイブル。それを大沢たかおさんが演じたドラマ(だけど、ドキュメンタリーと言ってもいいくらい)も大好き。その雰囲気に似た何かを感じました。

著者の高山なおみさんがすごいのはもちろん、編集、制作の方々の熱量が半端ない。あえてのザラザラした紙も好きです。

ちなみに本家でも選考を通過。結果はいかに(どきどき)。


▼新たなとびらが開いた大賞

本間節子さんの『やわらかとろけるいとしのゼリー』(主婦の友社)

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私、冷菓には興味がなく、砂糖味のつるん、ぶるんとした感じも(正直に言うと)苦手。だったのですが、この本のゼリーは今までにない食感で感動。旬の果物のかわいらしさと味に心がトキメキます。

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今年の夏は驚くほど作り、夫もよろこんで食べる、食べる。(作って)楽しい、(食べて)おいしい、(喜んでもらえて)うれしい。ドリカムテンションになれるレシピ本でした。

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あ、でも、いとしのゼリーだからサザンなのかな。


▼レシピのDNA解明大賞

マバニマサコさんの『西インド料理はおもしろい』(柴田書店)

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インド料理といえば、今はスパイスカレーや南インドが人気。この本は(マイナーな)西インド。何がすごいって、西インドの歴史・風土・文化や、レシピひとつずつの紹介がこれでもかっていうくらい紹介されています。

マニアックな材料が多いのも「さすが」のレベル。西インドのレシピ本を選んでいる時点でその覚悟があるってことなのでいいと思います! 

見たことも、聞いたことも、食べたこともない未知の料理なのに、作ってみたいし、作れる自信がみなぎってくるってすごいと思います。

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同じくマバニさんの2014年発行『みんなが好きなインド料理+南インド料理』(柴田書店)も良本。こちらははじめてインド料理を作る人向けで、やっぱり説明がていねい。マバニさんや柴田書店さんが、そういうところを大切にしているんだろうなと思います。ちなみに「ヘルシーチキン65」はお気に入りのレシピです。


▼心が満たされる大賞

徳永久美子さんの『おいしいおはなし お料理Note』

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徳多朗さんのオンラインで購入(一般の書店やamazonでは販売されていない)。手書きとスナップ写真で手作り感あり。旅先やちょっと遠くに引っ越したお友達からの手紙みたいで届くとうれしくなる。

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パンや焼き菓子だけでなく、季節の保存食や惣菜など多種多様のレシピが紹介されている。まかないもあるから、量が多かったり、ちょっと手間がかかる作り方だったりするけれど、作ってみたいレシピが多いのも特徴。

徳永さんは、食が、料理が、パンが好きな方なんだとビシバシ伝わってきます。もちろん、レシピはおいしい。


▼こんなに教えちゃっていいの大賞

romi-yuniさんの『BISCUIT BOOK』

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ロミユニさんのオンラインで購入(一般の書店やamazonでは販売されていない)。ビスケットの切り口で、こんなに多種類で中身の詰まったレシピ本はそうそうないと思います。しかも、お店のクオリティそのまま教えてくれるなんて。こんなにうれしいことはありません。

しかも、販売しているお菓子で答え合わせもできるなんて!

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レシピ工程は、要点をおさえた簡略版と、生地の状態や手さばきをていねいに解説した詳細版の両方が載っています。お菓子を作るときの気持ち・動きをよく考えてくれている構成だと思いました。

▼総括

たぶん、人それぞれレシピに求めるものが違うので、大賞もそれぞれ。私が選んだ本と理由を整理すると。消費さするレシピではなくて、血となり肉となり心が満たされるレシピを、、、今の私は求めているみたいです。

(そして、私に必要なのはヘルシーなレシピ。ということも、よくわかっています)

こんな私におすすめの本があったら教えてください。

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