D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略を読んで

このnoteでは、Takramのビジネスデザイナーである佐々木康裕さんが書いた、D2C「世界観」と「テクノロジー」でかつブランド戦略という本について、私なりに感じたことを書いていきます。

1.D2Cとは何か

まず、D2C(Direct to Consumer)とは何かと言うと、ブランドと顧客が直接的に繋がり、深い関係性を築いていくというブランド戦略のことを言います。日本ではまだあまり導入はされていませんが、アメリカなどでかなり注目されているビジネスモデルとなっています。

2.「プロダクト」ではなく「世界観」を売る

この本ではD2C企業の定義がかなり細かく説明されていたのですが、私が特に印象的だったのは、「プロダクト」ではなく「世界観」を売るという部分です。例えば、Casperというマットレスを売る会社では、自社プロダクトであるマットレスではなく、そのマットレスを使うことによる睡眠体験を中心とした世界観を売りにしています。

つまりD2C企業は、とにかく世界観を作り込むことに全力を注いでいます。そしてその世界観を、中間業者を挟むことなく世の中に提供しているんです。従来のブランドであれば、広告代理店に委託していましたが、D2C企業はWebサイトはもちろん、snsアカウントにも力を入れています。他にも自社の世界観を作り込むために雑誌を制作・販売したり、ポッドキャストで会社の声を届けたり、様々なチャネルでブランディングを行なっています。

3.「聞き手」が「語り手」に変わる

この本では、上記のようなことを「メディア化するブランド」という言葉を使って表現していました。企業がブランドの世界観を長いコンテンツで発信し続けることで、ライフスタイル雑誌のようなメディアと化しているんです。そして、メディアの中の一つのコンテンツという位置付けになったプロダクトは、顧客がそのブランドについて「語る理由」を与え、また他の顧客へ広がっていくという流れになります。

まとめ

現在世の中では、様々なモノやコトが溢れ、しかもそれが簡単に手に入るという時代なので、新しいものが出たらすぐに飽きられてしまいます。そんな中で、顧客と深くて長い関係性を築いていこうとするD2C企業の考え方は、非常に重要だと感じました。思い返して見れば自分も心から愛している宗教的なブランドがまだないので、日本にもこの考え方がもっと浸透すればいいなと思いました。

いかに顧客をブランドに没入させるか。

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