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さあ、家に帰ろう

長いトンネルを抜けて、私たちは自宅へ向かう。長い長い1日のはじまり。空は雲ひとつなく晴れていて、息子も娘も口を開けて寝ている。

私は子供の寝入る横顔がすきだ。目が少しずつ細くなり、開き、また細くなり、ついには閉じる。頭がゆらゆらと揺れ、魚のようにぱく、と開いた口から寝息が聞こえてくる。

小さな手を握り、その温かさを感じながら私も目を閉じる。

「ねえ、まま。うんち。」

子どもの覚醒は早いし、その場合、だいたい尿意か便意だ。ここは高速。幸い渋滞はしていないが、次のSAまではもう少し時間がかかる。

もし私が新米ママならば、焦った声でこう言うだろう。「え!ほんと?やばい?あと少し待てる?ねぇパパ!うんちだって!あとどれくらい?」そうして車内は一転、殺伐とした空気へ。

8年経った今は、こういうときに1番効くのはすっとぼけ術だと思う。「え?うんち?へぇー いつも夕方なのにね、はやいねえ。もうすぐ着くからちょうど良いね。いつも少し待てるもんね。えらいよねぇさすが4歳!とりあえず歌でもかけよっか〜 はい星野源でー、アイデア!」

そうこうしているうちに、彼はまた口を開けて寝た。なんだよ便意。びびらせるなよ。
しかし、だいぶ口が開いてるから、鼻炎かもしれないなぁ。帰ったら耳鼻科に連れて行かなくちゃ。

#子育て #育児 #ゴールデンウィーク
#日記 #エッセイ #帰省

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