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サプライズと36歳

昨日、36歳厄年の誕生日を迎えた。
できることなら、誕生日を周りに気づかれたくないと思っている。ずっと自称27歳で暮らしていきたいんだ。歳を取っていることを、特段意識せずに生きていきたいよ。

しかしながら、周りの優しい人たちが、きっちりとお祝いしてくれる。会社でケーキのろうそくを吹き消し、「おめでとうございまーす!何才になったんですか?」「35でしたっけ?」などと声を掛けてくれる。その度に、「36歳…」と自分の体に刻み込む。私って36かぁ。

サザエさんよりも、天使なんかじゃないのマキちゃんよりも、ずっとずっと歳上なのだ。不安になって、「36歳 キャラクター」でググってみたら、ポルコロッソ(紅の豚)が同じ歳だった。容赦なく、渋い。

そんな渋い36歳の誕生日。
我が家の可愛い人たちは、全員もれなくサプライズが下手だ。

誕生日の1週間ほど前に、テレビを見ながら「牡蠣食べたいなぁ」と言ったら、夫はいそいそとプレゼントの包みを持ってきてしまうし、そのフォルムを見て私はワインと缶つまのセットだなと分かってしまう。え、今!? 咄嗟に目を閉じ、プレゼントというものは、誕生日以降に頂きたい旨を伝えた。

娘は娘で、1ヶ月くらいからプレゼントの存在を匂わせてしまう。
「ママ、わたしママにプレゼントを買おうと思ってる」
「もし、もしだよ?お花とハンカチだったらどっちが好き?」
「ああ〜っこのお店にもかわいいハンカチがあったか」
1つ1つの発言は期間があいているから、本人はバレていないつもりだが、もうこんなん完全にハンカチをプレゼントやん。可愛いんだけどさ。

しまいには息子とおしゃべりしていて、今度晩ごはんにチーズフォンデュを作ろうか、と言ったら急に真顔になり、
「あのね、ないしょなんだけど、こんどパーティでチーズフォンデュするんだよ」と献立まで教えてくれる。隣で娘がカンカンに怒っているから、疑う余地もなく私の誕生日パーティだ。

そんな全てを事前に把握した誕生日、16時から私だけ二階に上がり、主寝室でごろんと横になる。自由にしてていいよ!と言われても、階下からは激しく歌い踊る音が聞こえてくる。ポンポンを振る音もする。余興までモロバレじゃないか君たち。

わぁ〜チーズフォンデュだぁ
わぁ〜ワインだぁ
わぁ〜可愛いハンカチー!
とひとつひとつ反応しながら、可笑しくて楽しくて、36歳の記憶ははっきりと幸せなものになった。

年齢は本当にどうでもいいけれど、自分をぐっと上げてもらった気がする。ありがとうありがとうと言いながら、ぶ厚い愛情に包まれる。仕事は未だにぐらぐらの綱渡りだけど、家族という防護マットのおかげで、別に落ちても死ぬことはないと思える。

最後に、息子からの手紙を。
画像は切れているが、もう少し長い。

ママ
いつもかわいいスがたオつかえて
オしごトがンばテいル!
レ| ママ | だいスキ ママ
マがココロ
マママー スキ ルマンド
ルマンド

なにがなんだかわからないけど、どうでもいいや頑張ろって気持ちになる名文(親バカ)。差出人みたいに平然と書いてある最後のルマンドが、1番のサプライズだわ。

#誕生日 #パーティ #厄年 #サプライズ
#日常 #日記 #子育て #育児

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