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ある映画館の閉館とさよなら興行(中編)

眩しすぎる「グレイテスト・ショーマン」


前回↓


パルコの閉店と共に、2024年2月末日、40年の歴史に幕を下ろすことになった映画館「新所沢レッツシネパーク」

ラスト一か月、さよなら興行と銘打ち、過去の様々なジャンルの人気作を日替わり上映したのだが、たまたま、ホームページでその企画を目にした私。

特別料金で1300円というのも、嬉しいところで、その中から、2本の映画を見に行くことになった。



まず、タイムテーブルを見て、これは絶対行きたい!と思ったのが「グレイテスト・ショーマン」(2017)だ。

ちなみに映画の製作開始は2009年で、2013年に名曲群を作ったパセック&ポールが携わることが決まったとのこと。

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当時から面白そうだなとは思っていたし、You Tubeで公開されている主題歌「ディス・イズ・ミー This Is Me」のワークショップセッション動画は、正直本編より、胸が熱くなる(本編より先に見ちゃったせいもあるんだろうけど)。
「音楽で気持ちが一つになる」を目の当たりにできるのが鳥肌モノ。

横で見ているヒュー・ジャックマンのスケール感がまたいいのだ。
自然体なのに、大物感(ガタイもいいし)と同時にすごいいい人感

若い頃もいいが、「グレイテスト・ショーマン」のこの人は、声も姿も無敵と思った。




…が、結局劇場に足を運ぶことなく(上の動画で満足、十分見た感)、時は流れたのだが、数年前にDVDで見る機会があった。

そして、すぐに「ああ、これは絶対劇場で見るべきヤツ」と、思った…。

スケール感、カメラワーク、群舞など、大画面映えしそうなシーンの連続。


だから、今回、さよなら興行ラインナップに見つけた時は、迷いはなかったのだが、体調がイマイチだったため、念のため予約状況をネットで確認しつつ、当日朝、予約をした。

そして、平日13:45からの回は、100席弱とはいえ、空席は見当たらなかった。


有名作品だが、ざっくりと内容を紹介すると、19世紀に実在した興行師バーナムを主人公に、貧しい仕立て屋の息子から、運命の人との出会い、結婚から、失業、そして、社会のはみ出し者を集めた見世物小屋風サーカスを始め、逆風にあいながらも成功していく姿を描いたミュージカルだ。

そして、併せて、世の中に背を向けて生きざるを得なかった人たちが、サーカスで自分の居場所を見つけて、支え合い、やがて誇りを持つまでが感動的に描かれている。


とにかく、初めて聞く曲がどれもいいのに驚いた。
粒ぞろいというか、その粒がそれぞれデカい


物語のはじめのほう、「ア・ミリオン・ドリームス A Million Dreams」でバーナムの幼少~父親を亡くし孤独で困難な青年時代が流れるように描かれるところで、すでに涙がにじむ。


また、若手劇作家のカーライルをショウに引き込むためのプレゼン&駆け引きの曲「ジ・アザー・サイド The Other Side」は鳥肌モノ。
酒場のカウンターでの小道具を使った二人の歌とパフォーマンスの掛け合いは、ノンストップで見落としなきよう、息もつけない。

Youtubeで何度見ても、ブラボーと拍手したくなるほどの名シーンだと思う。


もう一曲挙げるとしたら、「ネヴァー・イナフ Never Enough」だろうか。

主人公バーナムに口説き落とされたオペラ歌手ジェニーの初公演、幕が上がり、白いドレスの後ろ姿がスポットライトの逆光のなかに浮き上がるシーンはとても印象的だ。

ドレスが、シンプルでありながらも気高さを感じさせるし、後ろのボリュームあるペプラムのデザインがまたいいのだ。

静かに始まるこの曲は、徐々に盛り上がり、そして、NEVERを繰り返す部分で、最高潮に。
終わって、解かれた緊張からはぁ~とため息が出た。(有名オペラ歌手が満を持して歌う曲のジャンルとしては違和感あるが)

ちなみに、映画で使用されている歌声は、演じているレベッカ・ファーガソンではなく、ローレン・オルレッドが歌ったもの

当初、ローレンはデモを歌うための役割で呼ばれたらしいが、ローレンの歌がよいということで、いわゆる吹替として採用されたらしい。(→これ自体もドラマチックではないか?!)

穏やかさと力強さを備えた内に向かって響くような美声に聞き惚れてしまう。

ちなみに彼女は映画ヒット後、イギリスの有名オーディション番組「Britain’s Got Talent」で顔出しで素性を明かしてこの曲を歌い、喝采を浴びている。
(YouTubeで視聴可能)


映画内で出てくる曲がすべて名曲+名パフォーマンスで、それらをストーリーで繋げてできたのが、この映画という趣ですらある。


バックダンサー含め(→もちろんこれらの人も厳しいオーディションを勝ち抜いているわけだが)、一人一人がプロとして、高いレベルで全力を尽くそうとしている。
それが伝わってくる撮影時の動画もYouTubeで見ることができるが、現場のエネルギーがすごいのだ。 

で、バックダンサーもしっかり見たいと思えるため、細部が見える映画館がBESTになる。

結果、その迫力に「あ~来てよかったぁ」と、大満足で映画館を後にした。


さて、シネパークでの私の最後の一本、出会えてよかった!! わたしランキング上位決定のインド映画については、後編へ続く。

ロビーに飾られたトトロ。右側がシアターへの入り口部分。
ラストスパート!とばかりに、たくさんの装飾があった。



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