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文通・1  投稿から始まって

手紙を書くのが好きで、手紙をもらうのも好きで、でも、少し怖かった。

高校生の頃、見知らぬ年下の子と文通を始めた。
きっかけは、新聞の投稿欄。

ティーンズコーナー的な、中高生用のカジュアルな投稿コーナーに載った彼女の投書に、わたしが手紙を書いたのがきっかけ。
今もあるかと思うのだが、当時、投稿者あての手紙や意見を新聞社が中身を確認の上?、転送してくれたのだ。

それに対して、返事をくれたのがきっかけ。
たぶん10年以上続けたと思う。
頻繁な時は、週に一度は手紙の片道があった。

何を書いていたか?
なんというか、お互い行き止まりな思いをつらつらと綴っていた。
今でいうなら中二病的な感じだろうか。

いつも、便箋5-6枚、それ以上のボリュームでやりとしていた。

わたしも、彼女も現状に居心地悪さを感じていた。

客観的に見て、青春的なものに縁がなく、まわりに距離をとってしまい部活もやっていなかったわたし。
 つまらない自分を知っていて、でも、そうなった自分の理由も自分で気が付いていて、中途半端な苦味を味わっている感じだった。
 本や漫画を読むのは好きだったし、友達もいたけど、熱のない日々。


 かたや、文通相手の彼女は、今でこそ、言葉としても浸透しつつある場面緘黙症だった。
家で家族とは普通に話せるけど、学校では話せないという状況だったかと思う。

他人にとっては中身はないけど、自分にとっては密度が濃すぎる思いを、手紙で送りあっていた感じかもしれない。
その手紙は、相手に向けたと同時に、自分の気持ちを確認しているようなものだったと思う。





#中二病 #文通 #きっかけは投稿 #手紙で自分を知る
#エッセイ #自分 #高校生




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