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家畜に神はいないッ!!

推しキャラというお題があったのでいろいろと考えたところ、私がプレイしたゲームの中で1番の鬼畜野郎であるアルガスが頭に浮かんだ。

「家畜に神はいないッ!!」で有名なキャラですね。「自分は貴族で、平民は貴族様に一生仕える家畜なのだ」という現代から見たら時代錯誤な思想の持ち主です。そんな彼を紹介しようと思う。


ファイナルファンタジーシリーズの中で唯一、私が最後までやり切った「Fainal Fantasy Tactics (通称FFT)」というゲームがある。
当時は中学生で厨二病真っ只中である私にとっては心に突き刺さったゲームだった。

舞台はイヴァリースという、中世のヨーロッパに似た世界。封建制度が色濃く残っている世界で、舞台設定としてはイギリスとフランスの百年戦争が終わった頃、薔薇戦争の勃発と酷似した世界線。
実際の世界史では、百年戦争で疲弊したイギリスで薔薇を家紋に掲げる2つの貴族を中心に戦争を始める。最終的には戦争に勝利した貴族側が王に即位し、敗れた貴族の女性を王妃として迎えることで決着している。

FFTというゲームの大筋の流れは実際の世界史と同じような流れで進むが、FFTの視点は「貴族ではない普通の人々が貴族主導の勝手な戦争に巻き込まれながらも必死に生き、戦い、死んでいく」過程を描いている。
厨二病真っ只中の私としては「貴族なんてクソじゃないか」「信念を持って戦って死んでいく熱い人々はかっこいい」という厨二病的な思いを抱きながらプレイしていた。
そんな私にとって1番憎むべき存在が、平民を家畜と呼び、さらには「家畜(平民)に神などいないッ!!」という名言腐ったセリフを吐くアルガスである。
興味のある方は下のYouTubeを見ていただくのが早いかもしれない。


そんなアルガスだけれども、今になって彼のことを振り返ってみると、少しだけ同情する部分もある。
ゲームシナリオ的には「憎むべき貴族の代表」として描かれ、だからこそ重要なモブとしての役割を全うしている。

しかし、である。

彼は「貴族の下にいる平民は貴族の生活を支える」という封建制度の思想が当たり前に成り立っていた時代に多感な少年時代を送ってきたのだ。
そんな青年に「封建制度を軸とした時代が終わりつつあるんだから少しずつアップデートしようよ」と言っても難しいだろう。
自分の信じてきた信念、当たり前と思っている価値観。それらが時代の変化によって根幹が揺さぶられている。
ひょっとしたら、貴族である自分の立場が危うくなっているという危機感は感じ取っていたのかもしれない。だからこそ「自分は貴族、お前らは貴族に仕えるのだ、もっと言えば家畜なのだ」という思想に固執したのではないかとも思う。

結局のところ、アルガスは物語の中盤で死ぬ。最後まで改心することなく。悪役は無惨に死んでしまえばいい。
そこにカタルシスを覚えた中学時代。
しかし、今になって思えば、彼が抱えていた闇の部分にも少しだけ同情する余地はあるのではないか?と思える。

まとまりが無いけれども、アルガスという憎むべき最強のモブキャラにも同情する余地があるのではないか?と思えるくらいに自分も変化したのだなという覚書になってしまった。

そんな憎むべきアルガス君と出会えるFFTはiOSでプレイできるので、ご興味のある方は一度プレイされることをお勧めします。

以上です。

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