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どこまで上がる? 米国債金利。

 2/10(予定) 1月米CPI 予想 +7.2% 前月 +7.0%

 米雇用統計を通過して次の注目指標は ↑ 米CPIというところだが、果たして物価動向に変化は現れるだろうか。金利・為替・株式市場とも一旦様子見気配だが(暗号資産だけフライイング?)、3/16FOMCまでは1ヶ月以上あり、まだまだ紆余曲折ありそうだ。

 おかしいのは株価ではない、金利だ!!第Ⅳ部 -「金利上昇」は次の局面に。|損切丸|note でエリオット波動(標題添付)を使って米10年国債金利の上昇パターンを予想してみたので、ここでおさらいしておこう:

 <エリオット波動の3つの原則>
 ルール①:第2波動が第1波動の安値を割らない
 ルール②:第4波動が第1波動の高値を割らない
 ルール③:第3波動が上昇波動のなかで最も短くならない

 見えてきた? 「金利の山頂」。 ー  "やる気" を取り戻す株式市場。|損切丸|note で ”預言” (苦笑)した通り、ある米銀が「金利の上昇はかなり織り込んだので株は買い」というようなレポートを出していたが、ウォール街が望むシナリオがこれ ↓ :

 <解釈1>
 (第1波動)2020年4月@0.50%台 → 2020年11月@1.14%に上昇
 (第2波動)2021年12月に@0.92%まで低下
 (第3波動)2021年3月に@1.74%まで上昇
 (第4波動)2021年7月に@1.21%まで低下
 (第5波動)@2.00%まで上昇 =今回の上昇波動

 本日(2/8)@1.95%まで達しているので、10年米国債金利は@2.00%で打ち止め  株は反転上昇という ”ご都合シナリオ” だ。こうでもないと2022年のボーナスの目処が立たない業界としては、少なくとも3月FOMCまでの間、 "お祭り" を仕掛けてくるかもしれない。

 それに対し、

 今見えている「山頂」は "ニセモノ" 。到着すると更に登り道。

と主張している「損切丸」が描く長期シナリオ ↓ :

<解釈2 ー 長期的波動>
 (第1波動)2020年4月@0.50%台 → 2021年3月@1.74%に上昇
 (第2波動)2021年7月に@1.21%まで低下
 (第3波動)2021年7月~に@2.40%まで上昇 =今回の上昇波動
 (第4波動)@1.80%まで低下
 (第5波動)@3.00%~まで上昇

 ルールに乗っ取って考察してみると、今は(第3波動)の途中で、現時点でルール②:(第1波動)の高値@1.74%を下回る場面はない@2.00%は ”通過点” でしかなく、どこまで金利が上がるかはこれから。ルール③:第3波動が上昇波動のなかで最も短くならないことから、1年かかった(第1波動)を超える長い金利上昇波動になる可能性を秘めている。

 *ファンダメンタルで考えても、米CPIが今の@+7%から一気に@+2%まで落ちるというのはあまりにも楽観的であり、「2%山頂は ”まがい物” 」という疑念が消えない。その後の(第5波動)の「金利山頂」が@3%なのか@4%なのかは今後のマーケット次第だが、 ”それ以上” も有り得る

 テクニカルには、10年@1.95~2.00%は極めて微妙な価格帯で、金利オプションやスワップなどのヘッジ取引を大量にトリガーするポイントが存在する模様。金利市場は結構荒れるかもしれない。

 日本国債(JGB)市場でも「マイナス金利脱却」が急速に進んでいる5年はついに@0.01%まで上昇、2年も@▼0.05%とゼロに接近10年@0.21%と「YCC」(イールドコントロール)@▼0.25~+0.25%の上限に迫ってきた。日銀が買いオペで金利を抑制する姿勢を示すのか、注目される。

 そしてラガルド総裁の「突然の心変わり」で一気に「利上げ」モードに急旋回した欧州国債市場。やはりギリシャ、イタリア、スペインなど財務基盤が弱い国々が狙われ、「コロナ前」の水準を目指して金利が急上昇

 スペイン   2/4 @0.94% <  2/8 @1.07% <  2019年 @1.5%(+0.43%)
 イタリア   2/4 @1.64% <  2/8 @1.77% <  2019年 @2.8% (+1.03%)
 ギリシャ   2/4 @2.06%  <  2/8 @2.43% < 2019年 @4.3% (+1.87%)

 中国とトルコだけが「利下げ」で抗ってはいるが、日米欧3極揃ってここまで金利が上昇する相場は筆者も経験が無い。それだけここまでの金融緩和が桁外れだった証拠で、正直今後の展開は読み切れない。既に主要国のほとんどでCPIは+5%超。この「大インフレの後始末」(怪獣ではない。笑)は一体どうなるのか。とんでもない "大相場" が待っているのかもしれない。

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