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「世代交代」は必要 ー 鍵は「マーケットとの向き合い方」

 丁度今サッカーのEURO2024を無料放送しているので夜中に1人で見ているが、やはり有名選手のいるチームが人気。昨日見たのはワールドカップで日本がベスト8を阻まれた、モドッリッチ率いるあのクロアチアだ。失礼を承知で言うとアルバニア(ギリシャの隣国)に大苦戦。試合終了直前まで敗戦濃厚だったが何とか引き分けた

 レアルマドリードでプレイするモドッリッチは押しも押されぬ世界的プレーヤー。だからクロアチアの楽勝かと思って試合を見ていたので少し驚いた。祖国では英雄の彼も既に38歳。さすがに年齢による衰えは隠せない。「世代交代」が上手く進んでいない印象

 クリスチャーノ・ロナウド(39)を呼んでいるポルトガルも同様だが、有名選手のいるチームはその能力の高さ故に「世代交代」が難しい。アルゼンチンのメッシ(36)なんかもそうだろう

 さて、これを企業に置き換えるとどうなるか

  標題グラフは日米欧の経営者の年齢別分布割合だが、日本が60代に集中している事が際立つ。次いで ”老齢化” しているのはヨーロッパだが、それでも50代が中心70代以上に限って言えば欧米がほとんど引退しているのに日本では80代の経営者が未だ健在

 これが「失われた30年」や今の「円安」に直結している

 確かに日本経済が隆盛を極めた「昭和」には多くの "カリスマ経営者" が排出された。彼らの能力には疑う余地がなく、サッカーならメッシロナウドのようなものだろう。だがそれがになった。能力が違い過ぎて偉大な経営者の前で部下が力を発揮出来ないのはよくあること

 これは政治の世界もそう。実績があるだけに "首に鈴を付ける" のが難しくなる。知らぬ間に "カリスマ" 依存が進み組織=国が弱体化していく

 危機感の欠如 ー 「今のままでいい」 |損切丸 (note.com) でも書いたが問題は経営能力ではなく老齢化と共に "残された時間" が短くなる事企業も国家も本来は10年、20年のグランドデザインに沿って運営されるべきで、実際「昭和」の経営者はもっと若かった

 日本の現状を示しているのがつい最近まで7割を超えていた赤字法人だ 

 業種で言うと建設、不動産、小売、サービス業に集中しており、それだけ中小・零細企業が多いということ。 「インフレ」が引き起こした「淘汰」≓「新陳代謝」|損切丸 (note.com) でやっと60%台まで減ってきたが、それでも企業の半分以上が赤字なのは異常

 振り返れば「失われた30年」はこれらの ”ゾンビ企業” 延命のために「超低金利政策」を続けてきた。「デフレ」で「賃金」より「雇用」を優先させた恰好だが、反面これが「デフレ」を長引かせた側面もある。政治的には "票田" を守るための政策を優先させたが、結果多くの企業の体力が奪われ、現在の「超・円安」に繋がっている

 ただ現在の政策展開を見ていると*「人手不足」を足掛かりにようやくこの国も「新陳代謝」に向かいだしている。その一丁目一番地が「金融政策」だが、バリバリの「昭和世代」の総裁が仕切る「利上げ」は まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで昭和の ”牛歩戦術” 的「利上げ」|損切丸 (note.com) ちょっと心許ない

 *「ドイツとイギリスの大きな違い、判る?」。イギリス人の同僚が語っていたが、答えは「雇用」、具体的には「首切り」のしやすさだ。逆説的だがドイツや日本のように「解雇」が難しいと経営者は「雇用」に慎重になり、結果「賃金」は上がらない。これは賃貸住宅の「家賃」も一緒「借地借家法」で居住者を過剰に守っているため大家さんが不良賃貸人を追い出す事が出来ず「家賃」が上がらない”弱者保護” をお題目に作られた「昭和」の法律は既に現状と合わなくなっており、こちらも「世代交代」が必要

 ここで鍵になって来るのが「マーケットとの向き合い方」。確かに「昭和」には ”赤鬼” と呼ばれた「H興行」とか、大玉を振り回す一部の市場参加者が跋扈してはいた。その後現れたヘッジファンドでは英国中銀を屈服させたソロス氏の台頭など、まさに ”投機” という日本語が当てはまりそう

 だがそれでも欧米では「マーケットは共有財産」。そこから発せられるメッセージを重用し、その結果「淘汰」「新陳代謝」が活発になった。30年の時を経て日本と大きく差が開いたのはこの点に尽きる

 未だにこの国のトップが ”投機” と連呼するのはマーケットを見下している証拠。これでは「共有財産」を利用できない。リーマンショック等を経てマーケットの有り様は大きく変化しており「昭和」のそれとは全く違っている「AI」の発達はむしろ感情で動きがちな「人」の恣意的行動をコントロールしており「客観性」は強化されている。これを利用しない手はない

 「損切丸」も曲がりなりにも "部下" がいたが仕事をきちんと伝えるのは難しい。自分でやった方が早い(苦笑)。採用の時もアドバイスされたが「自分と同じ様な人を探しちゃ駄目」。とかく「世代交代」は難しい。もっとも筆者は "カリスマ" というほど能力もなかったのでさっさと辞めてしまった。まあ企業にとってはそのぐらいが程よいのかもしれない

 「Z世代」を見ていると真面目で勤勉、能力も高い。ここは一抹の不安はあっても「世代交代」すべき時期に来ている。「国」ならまず「利上げ」が試金石「政権交代」も1つの選択肢になる。「失敗」ばかりあげつらうのは日本人の悪癖なので、ここは長い目で見ていくべき。そうすれば 執拗に売ってくる「日経平均」「円」(FX)ー 「AI」のアルゴリズム?|損切丸 (note.com) も止むはずだ


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