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"いいから黙ってやれ" 時代の終焉。ー 何かが壊れようとしている。

 「ごちゃごちゃうるさいなぁ。いいから黙ってやれよ」

 「損切丸」が銀行の支店配属になって最初に受けた "洗礼" である。融資の事務方の仕事を任された時にわからない事を色々質問したら "鉄槌" を喰らった。時は「昭和62年」(1987年)。生意気と思われたようだが、今こんな事を新人に言い放ったら1ヶ月で辞めるか、訴えられるだろう。

 有名芸能事務所の性加害問題が大騒ぎになっているが、あれも "いいから黙ってやれ" の典型、「昭和」そのものだ。それが音を立てて壊れようとしている。今風に言えば "コンプライアンス" だが、それでも事務所側の肩を持つ人の多さには驚く。これが ”失われた30年” の正体だろう。

  ”理想の社会主義” 日本もそうだったが、 "いいから黙ってやれ" の典型は共産主義=独裁主義国家。「戦争」バブル崩壊等、こちらも何かが壊れようとしている。特にお隣の大国は人口が多いだけに日本とは桁違いだ。

 7/14 ”中国人民銀行(中央銀行)、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率を15日に0.25%引下げ”

 「人民元」がおかしい。 ー 「ルーブル救済」のはずが...。|損切丸 (note.com)
 
続・「人民元」がおかしい。 ー  ”クラッシュ” の足音。「元安・株安・国債安」は起きるか。|損切丸 (note.com)

 「損切丸」でもシリーズ  で追って来たが、図体が大きいだけに症状が発露するまでに随分時間がかかった。外から見えにくいのでその深刻さを正確に把握するのは困難だが、おそらくアメリカ、そして日本欧州の財務・金融当局はそれなりの情報を掴んでいるはず。日本の場合は "ハゲタカ” が寄って集って喰ってしまって終わりだったが、こちらはそうもいかない。何しろ「戦争」に打って出ているのだから。

 巷で噂されているように不良債権が1,000兆円にも上ると、預金準備率引下げなどまさに焼け石に水、e.g., 日本の不良債権想定額100~150兆円。その対処方はどの経済学の文献を紐解いても出てこない。まさに空前絶後。ザックリ言えば「お金」を大量に刷って公的資金を銀行にぶち込み、70%以上の債権カットのような "徳政令" が必要になる。

 その時に問題になるのが「金利」=金融政策日本の例に倣えば、明日にでも「ゼロ金利」あるいは「マイナス金利」を断行しなければいけないが、問題は人民元が実質「ドルペッグ」=ドルに裏付けされた通貨であること。

 CPIを見ると一見「デフレ」に見えるが、裏付けのない「お金」を大量に刷れば通貨価値の下落=「インフレ」を招くドルが足りないのだから必然そうなる。つまり「スタグフレーション」=景気後退下の「インフレ」に陥る。これは「戦争」を起こしているルーブルにも当てはまるが、そうなると正しい金融政策は「利下げ」ではなく「利上げ」になる。

 ここで筆者が不気味に感じているのが原油価格の上昇サウジなど産油国の生産調整で上がっているとされているが、そんな事はずっとやって来たWTI(NY原油先物)が一時@70ドルを割り込んでいたのは中国の需要減退が主因だったはずで、それがあっという間に@90ドルに乗せてきた。中国の「スタグフレーション」リスクが顕在化してきたからでないか

 景気が悪くなると物価が下がると信じている人が多いようだが、それは危険な考え方景気減退色濃いドイツやマイナス成長に陥っているイギリスでも「インフレ」は収まっていないし、トルコを見れば一目瞭然だ。「利上げ」したのにずるずる下がるユーロも気持ち悪いし「スタグフレーション」は本当に怖い。今回トリガーを引くのはおそらく「人民元安」外貨準備で保有している米国債8,000億ドルが尽きれば、中国に止める術はない

 20年以上脈々と積み上げてきたのは中国の不良債権だけではない。「米国債バブル」もその1つ。2005年2月の議会証言におけるグリーンスパン元・FRB議長の ”Conundrum" (謎)発言に象徴されるが、「利上げ」しても金利が低下する現象が続いた。そして ”金利は死んだ” 

 おかしいのは株価ではない、金利だ!!|損切丸 (note.com)
 
おかしいのは株価ではない、金利だ!!第Ⅱ部|損切丸 (note.com)
 
おかしいのは株価ではない、金利だ!!第Ⅲ部|損切丸 (note.com)
(参照) 
米国債「プレミアム」(=上乗せ金利)の復活と「円安」が迫る「YCC廃止」→「利上げ」。|損切丸 (note.com)

 歴史を紐解けば1985年「プラザ合意」以降、巧妙に「ドル安」を通じて自らの借金=米国債を「ドル買介入」という形で日本、中国など他国に引き受けさせ「ドル支配」を確立。いわゆる ”PAX-AMERIKANA" (アメリカの繁栄)を享受し続けてきたわけだが、それも壊れようとしてる。米国株の長期に渡る上昇もこの「お金」の流入が原動力となった。

 それが今や「ドル高」に転じ、一時4兆ドルも米国債を買占めた日中が「ドル売介入」に回る。大袈裟でなく時代の転換点「バズーカ」で国内から閉め出され、米国債を含む「ドル建債券」に向かった500兆円もの「円」も日銀の政策転換で里帰りを始めた。植田総裁の「ゼロ金利解除」発言はそのプロローグであり、我々日本人が想うより影響は甚大

 ”阪神が優勝する年は株価が上がる”

  ”壊れる” というと悲観的に聞こえがちだが、悪い事ばかりでもない迷信(?)↑ があるようだが、実際前回2005年は日経平均が年間+40%以上上昇しているし、今年も+30%近い。それに「跳ねる卯年」が重なればオカルトとも言いきれない( by オカルト・トレーダー「損切丸」苦笑)。

  ”失われた30年” ≓ ”変わらない30年” だった訳で、 "ぶっ壊れる" のは日本にはむしろ朗報「人口動態」による「団塊」→「Z世代」への世代交代は時代の必然でもあり、これが最後のチャンス。あとはお隣の「灰色のサイ」の影響を躱すためにも政府や官僚、経済団体など既得権益者が邪魔しない事。そう言う意味では "何もしない現政権" は案外いいかもしれない。

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