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「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com) の2024年版

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) が収まらない「損切丸」。経験則からこういう時相場は「行って欲しくない方に動く」

 ポイントは一体誰が困るのか?

 1.インフレ+金利上昇
 これは「インフレ体質」で「借金過多」の欧米が一番困る。マーケットでは一生懸命FRB+ECBの「利下げ」期待を保とうとしているが、どうも雲行きが怪しいECB内では「利下げ」に傾斜しているラテン国家群とタカ派のドイツ閥で内輪揉めが勃発。非常に不安定な状況だ

 2.円安
 輸出企業を除けばほとんどの日本人が被害者。輸出企業でさえも海外に生産拠点を移している企業には恩恵が少ない。ほくそ笑んでいるのは「低金利」を維持してる財務省だけ一体誰のための「円安」なのか?

 3.1年後の円高
 「円安」の受益者としては海外に投資している企業や個人
が挙げられる。だから貿易収支が赤字でも投資収益が上回って経常収支は黒字。多くの大企業がその恩恵に預かっており業績も良い
 これを個人で本格的に追いかけるきっかけになったのが「新NISA」月2,000億円規模で「オルカン」やS&Pを中心に流入しているがほとんどが「ドル」を主体とした外貨投資。これが積上がった後に来る「円高」はキツイ。実際海外株は上昇率が低く(一部マイナス)、実は得られているメリットのほとんどは「円安」効果。状況を冷静に判断する必要があろう

 4.原油価格の上昇
 「円安」に見舞われている日本が典型
だが、とにかくガソリン代や電気代が下がらないロシアの安いガスに頼り切っていたヨーロッパも悲惨で、本音では「戦争」を終わらせたいはず。表面的には「脱炭素」を掲げていたが、自動車もハイブリッドに切り替えたり相変わらずの "二枚舌”

 5.原油価格の下落
 
これはもうサウジやロシアなど産油国にとっては死活問題「脱炭素」は "死刑宣告" に等しく、現在の「戦争」で反欧米に回る根源的理由になっている。「インフレ」が軽微で済んでいるのは自国で安く供給できるからで、産油国+中国・インドではその恩恵にも預かっているが、本音は「原油高」

 6.中国の不動産バブル崩壊
 中国自身はもちろんだがドイツなど中国に傾斜していた国々が苦況EVの新工場新設等で一時好況に沸いたタイベトナムも様子がおかしい。観光等のインバウンド需要取り込みに必死のようだがとても補えない

 7.ドル高
 ドルが主要通貨である以上、ドル建債務が膨らむのはしょうがない。BRICS各国がCPIを大きく上回る金利 ↓ を強いられているのは自国通貨安が債務膨張を招くから「ドル経済圏」からの離脱を目論んではいるがアメリカが世界最大の顧客で有り続ける以上簡単ではない。そう言う意味ではアルゼンチンの「ドル化政策」は1つの選択肢で有り、同じ高金利で苦しむトルコが急激な「逆イールド」を形成しているのはアメリカとの交易が確保されているからだ。その点「中国経済圏」の国々は苦しい

 8.暗号通貨暴落
 ビットコイン(BTC)の時価総額が1兆ドルを突破している事からそれなりの「お金」が流入しているのは間違いない。ETFなど一儲けを企むウォール街が一枚噛んでいるが、それでもまだまだ "ニッチ資産"「デジタルゴールド」というよりも「過剰流動性」の産物であることは間違いない。最終的には日米欧がばらまいた京円単位の「お金」をどう回収するかにかかってくる。相場が上がっている今は良いが逃げ足も早い

 今回は「相場」≓「お金」に関する事を列挙したが、国際舞台ではこういう事情が複雑に絡み合っており、いわば ”不都合の押し付け合い” が続いている。戦車やミサイルはないがこれも「戦争」。大抵は一部の「お金持ち」が勝つことが多く、大多数は ”不都合” を押付けられる

 ただ10年に一度程度「全員負けの相場」が現れる。2008年の「リーマンショック」然り、直近では「コロナ危機」。勝負の分かれ目はどう "準備" できるか。今回は「世界債務の膨張」が問題のコアであり、1.インフレ+金利上昇 2.円安 6.中国の不動産バブルも全てそこから派生している

 国債市場を見ていると何としても金利の上昇を抑えようと躍起になっているが、これは投資銀行業界の "都合" 。それだけ金利上昇を怖れている証でもあり、4京円もの「大借金」を考慮すると通常の「リセッション」で金利低下というシナリオよりも「インフレ」=通貨の減価が止まらず「スタグフレーション」の方が可能性が高そう。即ち金利は下がらない(あるいは上昇)。最終的にほぼ全員が困ることになる。悲観論ばかり煽るつもりもないが、残念ながらばらまいた「お金」の額がデカ過ぎる。過去に何度か経験したアラームは鳴り始めているので、できる "準備" はしておきたい

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