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次のテーマは何だ? ー 近付く「利上げ」局面の ”終わり” (除.日本)。

 2023.1.18.「煽るだけ煽って喰いついてきたらズドン!」が常套手段。|損切丸 (note.com) でも触れたが、ビットコイン(BTC)はまた何かやっている(苦笑)。今や1日で5%や10%動いても驚かなくなったが、ますます酷くなっている。年初来の運用成績だけ見ると主要市場(?)では+75%の断トツトップだが、過去2年ではまだ▼37%

 手口としてはボールド市場(Bold、市場流動性の乏しい市場)の典型で、例えば@20,000ドル割れはない、と装って買い手を呼び込み、ポジションが溜まった所でズドンと落とすゼロサム ≓ ”誰かの損は誰かの得” を地で行く「計画倒産詐欺」のような手法で質が悪い。もっとも多くの投資家はその事に気が付いてきており、派手なプライスアクションの割に盛り上がらないのは取引量の減少(  チャート下部)が示している。

 そんな事が可能なのはボールド市場のみ。NYダウやドル円ではそんな操作は不可能だ。 パウエル議長の "心変わり" 。|損切丸 (note.com) バイデン大統領の "心変わり" (?)。|損切丸 (note.com) 以降、良くも悪しくも米国債を中心にFRBによる「利上げ」を真ん中に動いてきたマーケットだが、それも政策金利が@5%を超えてきて "終わり" が近い

 次のテーマは何だ?

 ウォール街も無傷だった訳ではない。何しろたった1年半の間に+5%以上も「利上げ」するという空前絶後の金融引締め中堅のシリコンバレー銀行他数行が潰れたが、むしろこの程度で済んだのは驚きでしかない。首切りの嵐が吹き荒れているが、まあこれも5年に一度は訪れる恒例行事だ。

 だが「今後」の事を考えるとあまり楽観的にもなれない。例えば米株価の「イールドスプレッド」S&Pはヒストリカルに@▼3%程度が「標準偏差」だがゼロに近い高値に貼り付いたまま( ↑ 標題グラフ)。「株価至上主義」のアメリカだけに株価だけは死守するだろうが、一部の専門家が危惧しているように、ちょっとつつけば破裂する風船のようでもある。

 欧米の株価を見れば、この2年間全く儲かってないという結論になる。例え「利上げ」が終わってもマーケットが動かないと商売あがったりであり、そこで目を付けたのが ”お金のラスト・ユートピア” 日本である。

 何しろ圧倒的に低い「実質金利」で未だに「過剰流動性」が維持されている主要国は日本だけ。 世界は「過剰流動性」中毒。ー 「テーパリング」(薬抜き)は並大抵ではない。|損切丸 (note.com) にとっては "禁断症状" を起こしやすい。 グローバル投資家の苦悩。ー 2022~2023年の成績表。|損切丸 (note.com) が深まる中、「お金」を突っ込んでくるのは当然だろう。しかも「円安」というバーゲンセール中

 まあ日本人としては素直に喜べないアメリカのように株式投資が主流ではないので日経平均の上昇で得られる日本人のリターンが極端に少ない。つまり「日本株高」「円安」を通して「国富」は海外にダダ漏れになる。この辺りは神田財務官の最近の発言を見ていると完全に意識しており、日銀との間で何らかの意思疎通は図られているはず。

 海外の利益 ≓ 日本の不利益

 アキレス鍵になるのが「財政健全化至上主義」この点はファンドやウォール街に完全に見透かされており、言わば商売のネタ財務省が「利払い」を減らす事ばかりに固執すればする程海外に「お金」を吸い取られる構図日銀が「利上げ」すると住宅ローン借入者や中小企業が潰れると主張する向きがあるが、これはそんな些末な問題ではない。大袈裟に言えば国家の存亡を賭けた戦いだ。

 救いなのは世論が徐々に付いてきていること。中小企業にとっても「円安」による仕入れコスト上昇は死活問題で、「人手不足」が深刻化する中、利益確保→「賃上げ」のためには「利上げ」→「円高」の方がメリットが大きくなっている「低金利政策」の弊害はもう避けて通れない問題で、さすがに30年は長過ぎた

 先日の「日銀関係者」報道がそうだが、最近のやり取りを見ていると金融政策変更を推奨しているのは財務官を中心とした財務省側で、日銀が拒否してるように筆者には映る。過去2度「ゼロ金利解除」に失敗し もう「失敗」できない日銀。|損切丸 (note.com) としては責任を負いたくない

 財務省としては「利上げ」ではなく「YCC廃止」なら影響は軽微だし、 ”理論値” を参照すれば10年JGBは@0.7%台で買いが入ってくるはず。それで@135円近辺までドル円が戻すならそれで良いという判断も有り得る。

 あとは支持率低迷に喘ぐ首相がどう判断するか邦銀を中心とした「日本村」でも日銀、財務省などに探りを入れているだろう。いつもは「村情報」で「買い」が入ってくるはずが、未だに腰の定まらないJGB(日本国債)市場を見ていると何だか "ザワザワ" する

  海外の利益 ≓ 日本の不利益の図式で考えれば、ここはマーケットの虚を突く必要もある7/27、28の政策決定会合、思っているより不確実姓が高い。そういえば過去の「ゼロ金利解除」、2回とも7月だった(2000年は政治圧力で8月に延期)。何か変ではある。

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