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今回も通用?「日銀会合前は円売り」

 「日銀政策決定会合」前の「円売り」は一種の「成功体験」

 「成功体験」が「相場」を支配する ー「✖(バッテン)主義」からの脱却|損切丸 (note.com) でそう言う書き方をしたが今回も通用するだろうか

 タイミング良く「バイデン大統領撤退」の報が流れ「円売り」には入りやすい状況。この雰囲気だと:

 ①「国債買入額」を段階的に月6兆円→3兆円減額 → ドル円@162円目指し
 ②同時に@0.10%→@0.25%利上げ → @150~160円のレンジ相場
 ③サプライズで@0.10%→@0.50% → @150円割れ

 「金利差」による持値改善効果、e.g., ▼2銭/1日、を考慮すると、仮に相場が動かなくてもFX的には「円売り」が得「トランプ2.0」の衝撃|損切丸 (note.com) がある以上今までのように「円売り」一辺倒には傾きにくいだろうが、11月の本選まで「キャリートレード」選好は続きそう

 まともじゃない ー 最後は「信用」|損切丸 (note.com) 状態は脱するが問題は「信用」。政府・日銀に対するそれは「日経平均」JGBの動きとなって現れるだろう

 中でも台風の目はJGB海外のシェアが邦銀を上回る状況 ↓ になっている以上、これまでのように ”日本金融村” 特有の「あ・うん」「なぁなぁ(みんなで仲良く)」は通じにくくなるJGB売り(円金利上昇)が 「円高」のマグマ|損切丸 (note.com) になるのか「円売り」を加速させるのか判断が分れるが、「金利」への感応度を見ていると前者の確率が高そうだ

 「日本円」に 「通貨危機」の "芽” |損切丸 (note.com) が出かけているのは事実だが、筆者の個人的ビューは:

 ①現在の「円安」は行き過ぎ
 (理由)かつてドル円@90円でハワイやヨーロッパに行った時全てのモノが安かった今の「円安」はその真逆インバウンドで+8兆円も利益が出ているのがその証拠で「円安」@160円は「円高」@90円に該当一時的に@170円台はあるかもしれないが、それは@80円割れと同じ現象
 ②円金利は低すぎる
 CPIが+2%以上を維持しておりそれを下回る金利資産は全て「損切り」に等しい。30年JGBがやっと+2%を超えてきたが、欧米的価値感に沿えば20~30年で@3%が下限政策金利も+1.5%までは上げ余地がある

 経験則に沿えばドル・円の金利差は+1.5~2.0%程度が「標準編差」≓「金利差」無し10年国債金利ならJGB@2.5% vs 米国債@4.5%で ”釣り合う”ドル円の「適正値」が@135~140円なら名目金利差の縮小過程で "修正" が起きる可能性が高い。インバウンドの状況変化がいい指標になろう

 ただこれはあくまでも "理屈" でそうすんなりとは行くまい。特に「トランプ2.0」が起動した場合、長期米国債が急落したりドル円が@120円を割れたりボラティリティー(市場変動)は不可避「投資」を始めたばかりの「新NISA」「オルカン」「S&P」も振り回されるだろうがFXを使うなり銘柄を入れ替えるなり「円高」ヘッジは意識に入れておいた方がよさそう。「グロソブ」や「高利回り仕組債」の失敗の繰り返しは避けたい

 何度も繰り返しで恐縮だが「損切丸」は半年~2年先ぐらいを想定して書いている。1日~1ヶ月で結果を出すFXや株と違い見方が中長期的になってしまうのは金利トレーダーの "性" 。個人レベルなら住宅ローンがそうだが*準備しないと簡単に変更できないのが金利ポートフォリオの宿命

 *「高度成長期」が典型だが 押し寄せる「利下げ」の "波"Ⅲ ー 「金利」の ”流れ” |損切丸 (note.com) は一度切り替わると10年単位でトレンドが続く。今は30年近く続いた世界でも稀に見る「デフレ」からの転換期。大変な時期なのは間違いないが一世一代の大チャンスでもある

 1980~90年代の「バブル」、2000年代の「ドットコム・バブル」、2020年以降の「コロナバブル」"熱狂" が続いている間は人々は気が付かない

 ”強気相場は「悲観」の中に生まれ「懐疑」の中に育ち「楽観」の中で成熟し「幸福感」の中で消えていく" (相場格言)

 今の「円売り」≓「キャリートレード」は「楽観」から「幸福感」に変わる過程。イギリス人の同僚から ”Never Say Never"「絶対無い」なんて言うな)と何度も戒められたが、昭和の「土地神話」がそうであったように相場に「絶対」は無い。だから「絶対に儲かります!」なんて言ってくるセールスマンはまず信用できない(金融証券取引法の禁止事項でもある)

 マーケットが面白いのは必ず「先回り」をする人が出てきて刻々と変化すること。去年通用した「勝利の方程式」はもう通用しなかったりする。まして今は学習能力の高い「AI」相場が主流。気を抜いているとあっという間に置いていかれる

 それでも大事なのは「基本シナリオ」。特に「インフレ」が主要テーマの今、そこさえ抑えておけば中長期的に「損」をする確率は下げられる。目先の変動に振り回されず心してかかる必要があろう。「日銀会合前は円売り」なんてタカを括っていると今度は痛い目に遭うかもしれない

 

 


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