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"風雲急" を告げる国債市場。ー "暴風雨" は為替、株式市場へ。

 今日(6/13)のNY市場を見てから note. しようと思っていたが、この展開は ”ヤバイ”(どこかの週刊誌のよう?)。まさに "風雲急"国債金利の上昇が止まらない。仕方がないのでここで寄稿する(苦笑)。

 いよいよ6/15にはFOMCが開催されるが、市場の一部には+0.75%「利上げ」まで浮上。確かにここからの更なる金利上昇にはそのぐらい ”覚悟” が必要だ。 ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸|note は広がる一方で政権の支持率は低下の一途。もはや「株価維持」のための「利上げ」停止などと言ってはいられない状況に陥りつつある。

 技術的にはFRBの政策金利到達点が@4%に戻り、時間が経過した分米国債の名目金利が上昇しだだけ特段の「金利上昇」ではない

 だが為替はそうも言っていられない。「イールドスプレッド」から株には売り圧力が高まり、先週末の▼880ドルに続いてNYダウ先物は欧州時間に▼600ドル以上下げている@$30,800台)。3日間で▼2,000ドル以上の下げ(▼6%超)は大変。「損切丸」が慌てて note. するのも頷けよう。

 「ドル金利上昇」→「ドル買い」で素直に反応して一気に上がってきた「ドル円」にも変化が見られる主因は日本側の ”変化” だ。

 6/13(共同)「黒田東彦氏は日銀総裁として不適任」58.5%

 「円安」「インフレ」が "悲鳴" に変わりつつある中、6/16、17の政策決定会合で日銀は何もしないで無事通過できるだろうか。前々首相の後ろ盾があって総裁の辞任までは難しいかもしれないが、政権与党の懸案は夏の参院選。直近支持率が落ちてきたとの報もあり、下手をすると楽勝ムードを吹き飛ばすリスクもある。「政府との意志疎通」(日銀法第4条)を課されている日銀にとって試練となるだろう。

 JGB(日本国債)の利払いや日銀保有国債約530兆円 ≓ 平均@0.20%前後の「マイナスキャリー」損失を考えるなら、「利上げ」は無理でも「無制限国債買取オペ」の中止ぐらいは決定できる。元々*126円台から@135円台までの急速な「円安」の "発火点" でもあり "間違い” は正せば済むここで何もしない政治的リスクの方が圧倒的に高い

 77歳でこれ以上 "出世" する必要の無い現・総裁は何をそんなに拘る必要があるのだろう。学者肌で大変プライドが高い方なので我々小市民には理解できないのかもしれない(筆者も随分 "煮え湯" を飲まされた。仕事を辞めるきっかけにもなったので、むしろ感謝すべきか。苦笑)。

 10年JGBだけ@0.25%に抑え込んでも、20年@0.86%、30年@1.18%と金利は上昇を続けており、住宅ローンなどへの悪影響を考えれば今の方が不健全。「無理は通っても無理」(筆者の座右の銘)の典型で、後の反動が大きくなるだけ時間がかかってもマーケットは必ずあるべき値に帰結する

 「ドル円」に関しては、個人・企業・銀行共に保有しているドル建資産の行方も気になる。特に為替リスクを負っている個人「株価」の損失が「円安」の利益を上回ると「売り」に回る可能性が増す。それはそのまま「ドル円売り」に直結するため注意が必要だ。ここまで下がると「20年後には必ず戻るから "ガチホ" 」なんて言っていられなくなる

 こういう一種の「暴落商状」で留意しておきたいのは 「弱いところを攻めろ!」 ー 「資金繰り」が決め手の「信用格差」。|損切丸|note の観点「インフレ」「金利上昇」に弱い資産はもちろん、「信用」の低いモノ=世の中に "不必要なモノ" が直撃を受ける

 直近なら暗号資産(仮想通貨)だろう。

 ”暗号資産貸付を手掛けるセルシウス・ネットワークは自社プラットフォーム上での引出しや送金を一時停止。ステーブルコイン「テラ」(UST)崩壊をきっかけに、市場では高利回りトークンの持続可能性を疑問視”

  代表格であるビットコイン(BTC)も@30,000ドル割れで粘っていたが、さすがに売りに抗しきれなくなり今日は@25,000ドル割れ時価総額77兆円(6月)まで膨らんでいただけにマーケット全体への影響は無視できない。 "不必要なモノ" というと語弊があるが、元々金利の付かない暗号資産にとって「金利上昇」は一種の急所米国債の金利が@3%を超えれば、投資家が ”固定収入” に流れるのは致し方ない

 欧州株価も急落している。このまま地球を無事に一周して戻ってこれるだろうか。さすがに原油(WTI先物)も@118台に売られているが、この程度では全く不十分「金融引締」の手を緩めれば、また上がってしまうだろう。@100ドルを割って@80~90ドル台が定着して初めて「インフレ抑制」と言える。道のりはまだまだ長く険しい。

 FRBボルカー議長の下、政策金利が@10%を超えていた頃の雰囲気はこんな感じだったのだろうか。「アメリカは死んだ」と言われた1970~80年台はまさに ”スタグフレーション” の様相だったが、確かにこの「インフレ」はかなり厄介だ。7月に+0.25%「利上げ」を事前決定しているECBは別として、FRB、日銀が今週どういう決定を下すのか、注視される。


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