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「Z世代」が鍵を握る → 「日本社会変革」 ≓ 「金利上昇」。

 2021年の流行語大賞にもノミネートされた「Z世代」。前稿「インフレ」が導くもの。 ー 修正を迫られる【共存社会】。|損切丸|note で期待も込めて2022年を「日本社会変革」元年と謳った「損切丸」だが、この「Z世代」の台頭が根拠の1つだ。

 筆者を含む「X世代」昭和の「高度成長期」の恩恵を受けて育った世代、それに次ぐ「Y世代」は世界的には「アメリカ1強時代」で平和の恩恵を享受した世代だが、同時に日本では「平和ぼけ」「ゆとり世代」「就職氷河期」など多くの困難に直面した。

 そして「Z世代」2022年から本格的に大卒の就職が始まり、いよいよ日本社会の中心に進出してくる。*選挙権が18歳まで下がったことで徐々に政治にも発言力を増すだろう。

 娘が丁度この「Z世代」で、昨年初めて国政選挙の投票に行った。文句ばかり言っている「X世代」事なかれ主義の「Y世代」と違って、SNS世代の彼らは情報を自ら集める術を身につけており、主張すべきは主張するのが1つの特徴。実際彼女は立候補者の演説や主張を吟味した上で投票に臨んだ。そして誰に投票したかは親にも明かさない(笑)。

 2021年「大卒就職状況」が出ていたので、ここに貼っておこう。

 「コロナ危機」の影響でさすがに就職率は落ちているが、昨年に続き大手も含めて15,000人規模の「早期退職」を募るようだから、2022年以降はかなり持ち直すだろう「団塊」の穴埋めで頭数が必要なので、コストの低い大卒は奪い合いになるはず。その準備としての50代以上の人員整理だ。

 ひとつ興味深いのは「安定的雇用」につかない人の割合が増えていること。雇用減少の中、一時雇いやパート勤めが増えているのだろうが、もう一つの側面として「起業」や「ベンチャー」への傾斜が挙げられる。実際**大学在学中からベンチャーを立ち上げる例が増えている。

 **縁あって家人が大学生が運営する団体で仕事をすることになったが、なかなかどうして立派なモノ。物怖じしない真っ直ぐな物言いで、政府の諮問会議で主張したことが政策に取り入れられたりしているらしい。「団塊」に頭を抑えられてきた「X世代」「Y世代」と違い「Z世代」に誤魔化しは効かないこれから存在感が増していくのは確実だ。

  ”若者は保守的になっている” 

 少し前にこういう記事をよく読んだが、これらは「就職氷河期」を引き摺ったものだろう。親世代が大企業の "冷たい仕打ち" で50代そこそこで出向解雇されたりしたのを見てきた「Z世代」は、もやは「大企業 ≓ 安定」とは考えていまい能力のある人ほど「起業」を目指したり、あるいは「お金」になる技術を身につけたりしようとしている昨今の大学受験で「理系」が人気なのはそのため。かなりの ”現実主義者” だ。

 これは「投資」「相場」の世界でも同様で、「リスク」や「機会損失」についても ”現実” として認識している。SNSDX(デジタル・トランスフォーメーション)に聡い彼らは、自ら必要な情報を自発的に取ってくる「お金」に関しても「損切丸」のような読み物も巷に溢れているし、銀行や証券会社の ”お勧め” を鵜呑みにしたりはしない。その点は「いいからやれ!」で生きてきた「昭和世代」より遙かに賢くなっている

 「損切丸」で度々指摘している「預貯金・現金保有はリスク」もおそらく理解しているし、物価・信用込みの「実質金利」↓ と「投資」の理屈も判ってきているはずだ。そうすると「預金偏重」の日本人の「投資」にも大きな変化がもたらされ、結果として「円金利」も上昇していくことになる。多すぎる「預金」を「国債買い」に振向けている銀行の姿勢が変化するからだ。その反対側では欧米流に投資価値の高い株や不動産等に「お金」が流入日本を見限ればドルなど海外へ流れてしまうだろう。

 これが筆者が「金利上昇」≓「日本社会変革」を唱える根拠となっている。26年も専門に扱っていると「金利」が社会や文化の鏡である事に気が付く。「投資」「相場」も同様で、それぞれの国の状況をつぶさに追っていく事が極めて重要だ。だからマーケットでは「朝令暮改」はある意味当たり前で、昨日と今日で売り買いが逆でもおかしくはない。ただ中長期では「基本シナリオ」も必要で、そこは腰を据えて取り組むべき。

 「損切丸」なら「2015年以降20年間はインフレ」

 本稿は ”超現実主義” のマーケットで闘ってきた「Xおじさん」(苦笑)から日本の「Z世代」への "エール" でもある。彼らの動向は今後30年のこの国を占う上で極めて重要。 ”変革” を遂げたアメリカが大分先に行ってしまったが、追い付くことはまだ可能だ。その進捗を知らせるのが「金利」であり「通貨」である。(実質)「金利上昇」元年の ”寅年” から2023~24年の ”辰巳天井” へ向けどう動くか、非常に興味深い。

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