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「利上げ」が先か「株安」が先か - 「投機」は「円安」ではなく「日経平均」?

 「利下げ」が先か「株安」が先か|損切丸 (note.com) ではアメリカとFRBの事を書こうと思ったが、それより先にまさか「日経平均」がここまで落ちるとは...。完全に想定外(ごめんなさい)。これでは日本版:「利上げ」が先か「株安」が先かになってしまう

 今回の急落にはいくつか背景が考えられる

 まず "主役" はファンドを中心とした海外勢だろう。「新NISA」の「お金」も入っているだろうが「オルカン」(オールカントリー)やS&Pが人気だった事を考慮すると国内勢の "投げ" は限られている

 それよりも "積上がっているモノ" は何か? -「金利」との比較|損切丸 (note.com) はファンドを中心とした はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅳ - 狙われた日本人 ≓「新NISA」|損切丸 (note.com) NYダウやナスダック、「マグニフィセント7」等が冴えない中「日経平均」と「ドル円」に集中投資していたのは間違いない

 彼らにとっての想定外が2つ。1つは思ったほど日本人が相場についてこなかったこと30年に渡る「デフレマインド」の払拭はやはりそう簡単ではなく「株は怖い」という意識はなかなか抜けない。HFT(高頻度取引)やAIプログラムで相場を増幅させようとしていたが試みは崩れた

 そしてもう1つ想定外だったのが日銀の「利上げ」「日経平均」と「ドル円」を強力に買い進める理由に「低金利」があったはず。ただ円金利の上昇速度が思いの他速く、今朝方も植田総裁が再度 ”円安対策の利上げ” に言及。プログラム上の「利上げ」リスクを書き換える必要に迫られAIが「売り」指示を出した可能性が高い

 「日経平均」の売りに追随するように「ドル円」が@154円を割れたのも印象的だったが、これも理由は一緒。「ファンドのおもちゃになっている」という声が噴出しているが、彼らにそんな余裕はない。むしろ「損失」の穴埋めでレパトリに動いている公算が高く、ひょっとするといくつかのファンドが精算、もしくは破綻に追い込まれるかもしれない。パターンとしては1998年に破綻したLTCM(ロングタームキャピタル)を想起させる

 財務省は「円安」だけを「投機!投機!」と批判してきたが、何の事は無い「日経平均」が「投機」だったわけで、皮肉にも株価の急落が「円安」を抑える結果に。この局面 "二兎" =「株高」「円高」を追うのは難しい

 そもそも 続・想像以上にしつこい「インフレ」|損切丸 (note.com) で2023年に続き2024年も「投資」には逆風が吹き続けている。それもこれも*日銀、FRB、ECB、等中央銀行が「インフレ」対応を疎かにした結果

 特に「国債無制限指値オペ」などという "天下の愚策" で 「円、どんどん売ります!」の免罪符。ー 世界的な「真性インフレ」下、「金融緩和」しているのはトルコと日本だけ。|損切丸 (note.com) を与えてしまい、その "尻拭い" に1年以上要した日銀の罪は重い「円安」是正には相当のコストがかかるのは必至で「日経平均」急落もその一部と考えられる

 もう一つの可能性がチャイナマネーの「本国回帰」。 "チャイナプレミアム" の出現と中国の苦況|損切丸 (note.com) の状況は依然変わらないが、株式市場は一定程度織り込んでおり日本に逃避していた「お金」が徐々に戻りつつある。マンションなど不動産にも同じ事が言える

 「日経平均」売り →「ドル円」売り →「日経平均」売り … のスパイラルが怖いが、過度な「円安」≓「ドル高」の是正には仕方が無いコストでもある。日米韓で ”深刻な懸念" が共有されたのもIMF(国際通貨基金)から「過剰なドル高」によるドル建債務問題が提起されたのも偶然ではなく、「国際協調」が出来つつある証拠。それだけ状況は切迫している

 年初来+6,000円以上上げた後半分戻しているだけなのだが、これだけ下げると株式投資を始めたばかりの人には心臓に悪い。こういう「調整」はいつ起るか予測が難しい。だからこそ「エントリーポイント」=相場に入るタイミングと価格が重要なわけで、周りの声に惑わされず、慌てず騒がずしっかりと ”自分の基準” で「投資価値」を算定するのが大事

 ”イスラエルがイランにミサイル攻撃”

 こういう時に限って悪い事は重なるもので、何年やってもこういう下げ相場はキツい(苦笑)。もっともこういう混乱はチャンスでもあり「エントリーポイント」にもなり得る。あとは ”落ちるナイフ(は掴むな)” なのかどうかの判断。日本人の "投資恐怖症” がぶり返すのが心配だが出来れば横を向かず相場に向き合って欲しい。何事も苦労なく得られる対価などない

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