ゴリラ(=キャリートレード)はバナナ(=ドル円)で満腹になったのか。
いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸 (note.com) の続編。ゴリラ(=キャリートレード)、バナナ(=ドル円)として。
ゴリラが猛烈にバナナを食べ始めたのが2021年2月。黒田前日銀総裁が「国債無制限指値オペ」を実施してから。「円、どんどん売ります!」の免罪符。ー 世界的な「真性インフレ」下、「金融緩和」しているのはトルコと日本だけ。|損切丸 (note.com) で食欲が刺激された。
1年間で@114円→@150円=▼36円(▼31.6%)もの「円安」が起ったが、一旦満腹になったので@127.88円台まで戻した(+10.5%)。相場で言う「三分の一戻し」。そこから再び@152円手前まで売られ(▼9.3%)昨日(11/17)は@149.20まで押し戻された。
この動きをどう捉えるか。
昨日興味深かったのは、米国債が欧州時間に買い進まれ5年物が@4.38%まで金利低下した局面でドルが一斉に売られた。その後米国債は売り戻され前日比変わらずまで戻したが、ドルは買い戻されなかった。2024年に▼1%もの「利下げ」を織込み始めたユーロだが、そういう金利動向を無視するように対ドルで@1.0900台まで買われている(ドル安)。
こういう動きには要注意。変だな、と思ったFXのトレーダーもいただろう。ゴリラが満腹になった可能性は意識せざるをえない。
↑ 2.外部環境を重視すれば、1.②ダブルトップの可能性を追って「ドル売り」転換は自然な流れ。FRBのよる「利上げ」で2年間「ドル買い」が続いていたので多少の "飽き" もある。「ドル円」も同様だ。
NYダウやナスダックが不調で投資銀行業界が大変だった2023年。儲けるために 金利差を狙った「キャリートレード」。ー 頼みの綱は「円」「JGB」|損切丸 (note.com) にすがり、AIプログラムが主導した空前の「円売りブーム」に繋がった面も多分にある。だがそれも「利上げ」が終われば反動が出る。確かにそろそろ潮時ではある。
もっとも「そうは問屋が卸さない」可能性もある。
1年振りの米中首脳会談では何やら ”手打ち” があったような雰囲気が漂っているが、あまりに楽観的だと足元をすくわれる。
2.③「戦争」に関しては確かに米中ともすぐに止めたいのが本音。だが実際に闘っている国々の事情や面子を考えるとスンナリ事が進むとも考えにくい。米中とも国内向けの体面もあろう。1つボタンを掛け違えれば ↑ 1.テクニカルチャート①ドル円は@160円近辺まで再び上昇 ≓「インフレ」再点火、「利上げ」再開の "悪魔のシナリオ" もないとはいえない。世界中が「スタグフレーション」に見舞われれば最悪「第3次世界大戦」。
日本の政治情勢も何やらきな臭くなってきた。
追い込まれて「減税」表明した首相が財務省にハシゴを外され政権基盤が危うくなっている。支持率が前回自民党が下野した麻生政権の時に近付き大分騒がしくなってきた。衆院選までまだ2年あるため拙速に解散には打って出ないだろうが、こうなると何が起るかわからない。「一寸先は闇」。
たが政治の混乱は悪い面ばかりではない。
現状の財政が「増税」だけで賄えないのは賢い財務官僚なら当然わかっている。だが非常な彼らは「国民より出世」。人事考課を変えない限り ”間違い” が続く可能性が高い、つまり今の「実質賃金低下」地獄が続く。その点では一種の博打になるが「政権交代」は必須。①増税を伴わない自然税収増や②社会保障費負担のリフォーム(世代間コストの平準化)など、ここを上手く乗り切ればトンネルの出口も見えて来る。
筆者は大いなる希望(苦笑)も込めて1.②ダブルトップを主軸に相場を見ているが、国内政治には少し不安もある。場合によっては海外情勢に関わらず日本だけ "悪魔のシナリオ" 、つまり「失われた40年」になる可能性もある。その時は@160円どころか@170円、@180円の「円安」で全てがぶっ壊れてから再スタートになる。願わくば「第二の敗戦」は避けたいが...。相場も日本も大きな岐路に立たされているのは間違いない。今回のドル円の下げがその序章になる事を切に願う。
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