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「円安」が速すぎる! ー 見えてきた? 「昭和システム」の終わり。

 「うわっ、もう@143円だ」

 これが昨日のドル円の動きに対するおおよその反応ではないか。最近のパターンだが、とにかく@140円など "節目" を突破するとあっという間に5円ぐらい動く。技術的に言えばノックアウト・オプションなどの影響が推察できるが、3~6ヶ月前に「まさか@140円まで行かないだろう」という一種の "思い込み" が影響している。相場とは怖いものだ。

 まさに "NEVER SAY NEVER" (絶対とは絶対に言うな)。

 ただ「金利」の動きから見ると、「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」完結編。|損切丸|note で ”金利の水準訂正” を予見していた「損切丸」的には納得がいく面もある。

 昨日の主役はまたも米国債。大きく売られた(金利は上昇)が、きっかけは予想を上回る米ISM非製造業総合景況指数だ。

 8月米ISM非製造業総合景況指数 56.9 予想 55.3 前月 56.7

 特に目立つのが「逆イールド」の修正で、7月には▼30BP以上あった2ー10年債の金利差が▼15BPまで縮小している。

 それでもまだ残る「逆イールド」のせいで「利上げ」予報は2023年にはすぐ「利下げ」に転じる ”変な事” に。今後長期金利を中心に金利上昇のマグマとなり、少なくともイールドカーブはフラットな形に戻っていくはず

 そうすると「円」「株」*「商品」については、まだ金利上昇による売りプレッシャーが残ることになる。「QT」による ”量” の減少も見逃せない。

 *原油については未だに「OPECの減産合意で買われた」などの ”言い訳” が目立つが、現状では全く的を得ていない。例えば昨日(9/6)WTIが@86台まで反落したのは何故か? 米ISMも強く「景気減速」も ”言い訳” に出来ないアナリストエコノミスト等 ”言い訳” が仕事の方々には気の毒だが、もはやそんな解説は不可能。原油も銅も小麦も既に「戦争前」の水準に戻しており、やはりFRBによる金融引締めの効果と捉えるのが妥当。一時的な買い戻しはあるものの「商品市場」も基本下向きだろう。

 24年ぶりの「円安」というから、丸々「平成」を消して時間を巻き戻したかのよう2016年から始まったというのが筆者の自説だが、日本の「失われた30年」と共にグローバルに進んだ「ディス・インフレ」から「インフレ」への大転換が起きている。その転換点で「パンデミック」「戦争」が起きるというのも、過去に習った「歴史の必然」なのだろう。

  • オリンピックを巡る贈賄疑惑

  • カルト宗教やマルチ商法による金銭被害

  • 「値上げ」ラッシュと人手不足

  • 銀座で芸能人がホステスに乱暴

 最近日本で表沙汰になったニュースを見ていると、まるで「昭和」復活「オイルショック」「ロッキード事件」に「豊田商事」など、58歳の筆者にはどれも懐かしい響きのものばかり想起させる。

 思い起こせば「XXXミクス」はまさに「昭和懐古政策」。78歳の現・日銀総裁を含め「利下げすれば景気は良くなる」と信じて疑わない団塊の世代的政策だ。「金融緩和」の限界については「ゼロ金利」「量的緩和」で証明されているにも関わらず、やはり「昭和の夢」が捨てきれないのだろう。

 だが「令和」は「昭和」とは明らかに違う

  • 少子高齢化による「人口減少社会」

  • 輸出中心の「外需経済」から内需中心の「消費経済」への転換

  • SNSの発達など「情報公開」社会

 つまり「円安」など「昭和システム」では有効だったものが「令和」では ”毒” に転じる。(外貨などに換えている部分を除けば)余剰金500兆円を抱える企業は「円安」で年初来▼25%もの ”評価損” ≓▼125兆円を被っていることになり、「お金」だけ溜め込む経営は欧米流で行けば "失格"個人も1,000兆円の「預金」で▼250兆円も損していることになる。厳しく言えば、政府を批判する前に個人でも出来ることもあったはず。

  ”料亭政治” などと揶揄され、裏でコソコソ賄賂を渡すような政策運営も完全に時代遅れ。これだけ匿名のSNSが発達すればどこかから情報は漏れる「戦争」でプロパガンダが困難になっているのと同様、メディア操作で世論形成などできない。元・総理の強権で抑え込んできたようだが、カルト宗教と政府がズブズブなんていいうのは、「昭和システム」では隠しおおせても「令和」では "悪夢" 以外の何物でも無い

 一気に▼28円も動いた「円安」は「昭和システム」終焉のサインなのか?

 「金融緩和しかない」

 現・日銀総裁はこう言い放ったが、もっと正確に:

 「日銀・財務省にとっては金融緩和しかない」

 「情報公開」したらどうか。この「インフレ」「円安」で「利上げ」に転じない理由はそれしかない。さすがに一般庶民も気付いてきている。

 よく**「利上げすると財政破綻する」と言うが、これは真っ赤な嘘

 ほぼ100%国内で国債を保有している日本では、+1%の「利上げ」では10兆円の「利息」が財務省から国債保有者≓国内金融機関に移るだけ「破綻」=デフォルトとは「資金繰り」できなくなることだが、現状では日銀の「利上げ」で日本の「資金繰り」は悪化しない

 困るのは財政余力が縮小する財務省と保有国債から損が生じる日銀だけ

 **同様に「利上げすると住宅ローン借入者が破産する」と言うが、1%や2%程度の金利で破産するなら、そんな ”無理な借金” は金利が低い今のうちに返してしまった方が身のためである。

 「損切丸」でも何度か書いたが、確かに「円安」は日本経済にメリットがある。だがそれも「変る覚悟」があってこそ。よくファンドなどを「投機筋」といって政府は批判するが、彼らは「変われない日本」を見透かしている***本気で政府が変り始めればポジションをひっくり返すはずだ。

***総務省もいい加減:①家賃の経年劣化効果、e.g. 年▼1%の家賃下げで5年間家賃が同じなら+5%に換算、②新製品の高性能・高付加価値分評価③同じ価格で量を減らす ”スティルス・値下げ” 等等、CPIの ”本当の中味” を表に出したらどうか詳細なデータは持っているのだからおそらくCPIは今の年率+2.6%ではなく、生活実感に近い+4~5%になる。それでようやく欧米との比較が出来るし、正しい金融政策の礎になる。

 そのサインとして一番分かり易いのが日銀による「利上げ」。本当に総裁が交代する来年3月まで待つつもりなのか...。ここでも「覚悟」が試される。「昭和システム」の終焉を告げる意味でも良いタイミングだと思うのだが。

 「相場に祈るようになったもう終わり」

 「弱いところを攻めろ!」 ー 「資金繰り」が決め手の「信用格差」。|損切丸|note が相場の鉄則なのだから、このままでは日本は「トルコ化」まっしぐら腹を決めた者にしか ”ツキ” は巡ってこない

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