「正常化」に向かう日本。ー 「もうお金を使っても大丈夫?」。
1ヶ月前、「損切丸」家は割と早く「マスク」を外したが、正直一種の "違和感" は禁じ得なかった。だが実感としては外して見ると意外と大したことはなかった。以前は*「マスク」をを外して歩いているとこちらを睨んだり、顔を背けてわざと大きく避けて通り過ぎる人達がいたが、それも今は皆無。これから蒸し暑い梅雨、夏を経て「正常化」に向かうのだろう。
さてマーケットでは日本の「正常化」と呼べるような現象が続いている。日経平均やTopixなど日本株が好調だ。筆者は株には疎いが、PBR(Price Book-value Ratioの略。1株当り純資産(Book-value Per Share)≓企業の解散価値の何倍の値段が付けられているかを示す)が1倍割れの銘柄が何百と放置されてきたのが「異常」でもあり、やっと** "黒船" が戻って来た。
筆者個人の意見としては「XXノミクス」「XXバズーカ」がなくてもこの「デフレ」→「インフレ」の変化は起きていたはず。なぜなら 日本の「インフレ」の正体。|損切丸 (note.com) が「団塊」8百万人の引退に伴う「人手不足」が主因であり、 ”時間” ≓ ”世代交代” が必要だったから。
1990年代後半~2000年代前半の「不良債権処理」に必要だったのは ”外科手術” であり、痛み止めの麻酔を打ち続ける「低金利政策」の長期化はかえって患者の体力を奪い、症状の悪化を招いた。結果、日銀は500兆円余もの「JGB爆弾」を抱える羽目になり、今後大手術が必要になった。
まあそれでも 続・” Rising Sun” 再び? ー "人為操作”( ≓ XXノミクス)からの脱却。|損切丸 (note.com) と期待を抱かせるようになったのは "進歩" でもある。ただドル建日経平均ではまだ@225ドル程度であり、2021年9月の@280ドル(≓@38,600円@137.93)にさえ届いていない。その点からも ”バブル” には程遠い。海外との比較では割安のまま放置されている東京の不動産価格も同様だろう。
一方、この「正常化」の過程で "負担" を強いられているのが***「平成デフレ」の勝者、1,100兆円余もの「預金者」。今の生活苦のほとんどはここから来ている。
この "負担" を解消する方法は2つ:
①「お金」を消費財や株、不動産などに換え目減りを防ぐ
②中央銀行が「物価」=「インフレ」に合わせ政策金利を上げる
「借金大国」アメリカでは②利上げを選択し「お金」を借りる人々に "負担" を求めている。なぜなら彼らが過剰に「借金」し、株や不動産、あるいは金、原油などのコモディティ(商品市場)を買い捲っているからだ。「人手不足」による「人件費上昇」がこれを加速させており、 "火事" を消し止めるにはそうするしかない。
一方の「預金大国」日本。こちらはデフレの後遺症で「お金」の抱え込みが続いており、日銀も②利上げに動きにくい状況。まるでパンデミックが終わっても「マスク」を続ける姿そのもの。デフレ同様「恐怖」が消えないのだろう。ただ、こちらも目に見えて「インフレ」が明らかになりつつあり、暑くなって息苦しくなれば考えが改まるはずだ。
「マスク」同様、「お金を使ってもいいんだ」というコンセンサスが広がればこの国も徐々に「正常化」に向かう。 ”同調圧力” さえなければ外して見れば何てことは無い。政府も日銀も、この国では経済データよりも大事な、この ”雰囲気の変化” をじっと見守っている。日経平均の上昇はその ”変化” を先取りした動きとも読め、「XXノミクス」なんかで無理矢理上げるよりはるかに大事。今度の潮流は ”本物” と感じる。
とは言え「円安」いう強烈な副作用も起きつつ有り、行き過ぎれば日経平均やJGBにも悪影響を及ぼす。その辺りは日銀や財務省のトップはさすがに理解しているだろう。あとはタイミングの問題。 "負担" を強いられる庶民としては対処方が ↑ ① or ②では全く変わってくるので注意して見ていきたい。「損切丸」でも気を抜かず(苦笑)お伝えしていこうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?