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「運」と「相場」。

 筆者はトレーダー現役中、 ”モーニング占い” を毎朝欠かさず見てから出社した。その日相場でやられると「今日は最下位だったからな…」などと自分を納得させたりしたものだ。家族からは「オカルト・トレーダー」などと揶揄されたが(苦笑)、いやいや「運」は馬鹿にしたものでもない。実際「高島暦」だけで相場を張る投資家もいたりする。

 標題に添付したのは有名な ”相場格言” だが、今年=丑年は ”つまずき”日経平均に関しては、まあ当たらずとも遠からず「円安」を加味した「ドル建日経平均」では年▼6%の負けである。

 2022年=寅年は ”千里を走る” 。パッと見、株価は上がりそうなイメージだが、元々は虎が1日で千里(≓3,930㎞)を往来することを表した言葉。転じて「一見勢いはあるが様々な困難を伴う」という意味らしい。*確かに寅年には世界史に残る政治・経済の大事件が起こっている第二次世界大戦以降、過去6回の寅年の日経平均の戦績は1勝5敗の大幅負け越し。唯一の勝ち星は1986年で、バブル相場幕開けの時だけだ。

 *「朝鮮戦争」(1950)「キューバ危機」(1962)「チェルノブイリ原発事故」(1986)「ロシア危機」(1998)「ギリシャ危機」(2010)等。まあ、毎年のように事件は起こるわけで "こじつけ" とのご批判もあろうが、現場で「相場」を26年もやってきた身としては一定の説得力がある。考えてみれば、1年は「12」ヶ月だし時間は「12」で区切られている「12年周期」は一種の "統計学" とも考えられ、2008年の「リーマンショック」の12年後に「コロナ危機」が訪れたのも、筆者の感覚的には「必然」

 さて2022年を展望するといくつか「危機」の芽が出始めている。安全保障では中国による「台湾危機」ロシアの「ウクライナ侵攻」、経済では「メキシコ危機」(1994)やそれに続く「アジア通貨危機」(1997)を引き起こした "実績" のあるFRBによる「利上げ」が控えている。あながち ”千里を走る” =「一見勢いはあるが様々な困難を伴う」も的外れではあるまい

 2023年が卯(う)"跳ねる" である事を考えると、2021年の ”つまずき”2022年の ”千里を走る” はそのための助走期間と見做せる。折しもこの日本でも「インフレ」への道筋が見えてきており、上手くいけば日銀による「ゼロ金利解除」も促される状況になった(そういえば黒田総裁の任期は2023/4/8)。「円安」や「低金利」についても、その "弊害" について世間一般の認識が変わりつつあるのも心強い限りだ

 別の "相場格言" で言えば、引き続き「休むも相場」を意識しつつ「利食い千人力」「見切り千両」辺りを肝に銘じるのが賢明。今まで長い間眠っていた ”獅子" =「金利」が目覚めるとすれば、これまでのような単純な「押し目買い戦略」だけでは対応が難しくなる。特に長い間寝たきりだった「円金利」については、急に起き上がるとめまいが起こるかもしれないし、体力も相当落ちているからある程度 ”リハビリ” が必要だ。

 因みに同じ「12年周期」で筆者が信奉(笑)しているのが「〇学占い」。個人的な見立てでは、2022年は2018年の "ゼロ地点” から上って4年目の ”決定” 2023年以降期待される繁栄の6年間の "礎" となる年である。

 おっと、こんなことばかり言っていると家族のみならず読者の方にも「オカルト・トレーダー」とのご批判も受けそうだが、それだけ「相場」には人の手ではどうにもならないことが多い「運」は「相場」で儲けるには欠かせない要素でもあり、正月には ”相場の神様” 神田大明神に初詣をする証券会社も多い。また常に自分を平衡に保つためのツールとして、損をしたら ”占い” のせい、逆に儲かった時は過信しないよう自戒を込めたりする

 「損切丸」としては「異常な低金利」が修正されるまでは様々な ”誘惑” があってもじっと辛抱。腰を据えて相場に向かうのは個人的に "成熟期" に入る2023年以降で、黒田総裁が退任する2023年4月と丁度時期が符合する。そこまではひたすら「インフレ」対策で「お金」→「物」へ変換投資や相場は得意分野である「金利」が正常化してからじっくり臨みたい

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