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2020年の終わりに。

 2020年冒頭に書いたのが「人口ピラミッド」と日本経済。↓ 今読み返すと年の初めに書いたこともあり随分前向きな内容(笑)。それが「コロナ危機」「パンデミック」でこんな年になるとは予想だにしなかった。

 ただ最近のネットSNSでの書き込みを読むと「希望」を感じる傾向も出てきてはいる。おそらく株式投資などで成功している人達が中心なのだろうが、「貨幣価値の低下」「次に来るインフレ」「海外と日本の違い」等に言及するコメントが増加。既存メディアが相も変わらず「株価と実体経済の乖離」「バブルの兆候」と書き続けているのとは一線を画している

 「損切丸」で書いてきたコンテンツと重なる部分もあり、多くの人が「投資」「リスク」について良く勉強してきているのを感じる。やはり「成功体験」は大事「バブルの失敗」からようやく抜け出しそうな気配だ。

 世間一般の ”金融リテラシー” も随分上がってきており、これまで「損切丸」で書いてきたものも幾分役には立っているのかもしれないと思うとちょっとうれしかったりはする。技術的、専門的な事も随分書いてきたので、今後は*肝心の「金利市場」が本格的に動き出すまで待つことになるかも。

 *キャリー系の米債トレーダーが思ったより頑張っており(11/13 相場の暴落を阻む「キャリー取引」ご参照)、10年米国債も目処の@1.0%の手前で踏ん張っている。やはり日々+80BP以上利益が出る取引は彼らにとって現時点では ”貴重” @0.90%台で買ってはキャリ- → @0.80%台で利食い売りを細かく繰り返している。@1.0%ブレイクには何かきっかけが要る

 金利系のトレーダーはどうしても視点が長期間になる。だから相場分析によく ↓ のような長期チャートを使う。1日とか場合によっては数秒間で結果を求める短期のFXのトレーダーとは意見がかみ合わないことも多く、現役時代もよく言い合いになった(苦笑)。

JGB10yr(長期チャート)

UST10(長期チャート)

 「何を悠長なこと言ってるんだか」「だから今は売りなの、買いなの?」

 目先の売買いに集中しているトレーダーにはまどろっこしいのかもしれないが、大きなポートフォリオを預かる立場上、**半年とか1年先、場合によっては5年、10年のスパンで考える我々には必要な話だったりする。扱うリスクも大きく、最終的に得られる損益も短期売買に引けを取らない

 **筆者が扱った最大の金利ポートフォリオ「15年変動利付国債」”10年国債の金利が上昇すれば利回りが上がる” という厄介な代物だったが、案の定市場は大荒れ買い始めて2年ぐらいで▼40億円まで 「含み損」(=時価評価)が膨らんだが、上司を説得して結局7年保持できた。その間得られた利益はキャリーを含めて約+100億円1年+14億円強だから悪くない ”上がり” だ。他社では同じポートフォリオで首になったトレーダーもいたらしいので、「損切丸」は上司に恵まれたのかもしれない。

 個人で「投資」を考える時は同様に長期的視点が必要になる。例えば住宅ローンを組んで家を買うのは立派な「リスク」であり、期間は20~30年に及ぶ5年後、10年後に思いを致すのは無駄なことではないはずだ。逆にデイトレードで日々の利益を追っている方には「悠長な話」で恐縮だが、今後の動向を測る参考にでもして頂ければと思う。

 明日になれば2021年。相変わらず「コロナ危機」は続きそうな雲行きだが、さて次は何が来るのか。あまり決めつけていると「鬼が笑う」だろうし、一旦頭を空にして臨んでみようとも思う。2020年の反省も兼ねて。

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