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『塔』 2021年4月号 新樹集に載った

入会したのが2012年、最近は欠詠してしまうことも多い中、初めて「新樹集」に載ることができた。自分のような詠み方でここに載るチャンスがあるとは予想していなかったので、素直に嬉しいです。

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モノクロのフィルムカメラを構えれば光と影と私ひとり

前髪の分け目を少し変えただけでもお茶漬けがとてもおいしい

年末と年始の文字が交じり合いながらうねってゆくツイッター

もう別のうちの子なのだ久方の実家がよその匂いになりて

凍てきった空間でただ何本も直線を引く如き風鈴

どの坂の上が故郷かわからない柿が独りで転がってゆく

足音を聞きつけ鯉が水面から何かを盛んにしゃべり始めた

かんたんに降りてはこない言葉とか面会に行くための許可とか

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10首送って8首が採用。投稿コピーから落ちた2首を確かめて、うーん、なるほど。

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