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【大学新入生向け資料 その1】 メールの書き方

コロナ禍の元で大学入学を迎えた皆さん

はじめまして。近畿大学総合社会学部で教員をやっています岡本健(おかもとたけし)と申します。観光社会学やメディア・コンテンツ研究を専門にしています。具体的には、アニメ聖地巡礼やゾンビについて調べています。

大学に入学した皆さん、ご入学おめでとうございます!新型コロナウイルス禍によって、入学式が無くなってしまった大学さんも多いと思います。

そして、まだ新学期が始められていない大学や、始まっていてもキャンパス内は立ち入り禁止で、授業は遠隔授業、といった形の大学がたくさんありますよね。皆さん、本当にご苦労をおかけしていて、申し訳ありません。

各大学の教職員もこの事態に対して、「なんとか学生さんたちに良い学びを提供しよう」と努力し続けています。ただ、実際問題、苦しい思いをしている学生さんがいる状態があるのは事実で、忸怩たる想いです。こうした状況で「私個人に出来ることはできうる限りやろう!」と思いまして、これから「大学新入生向け資料」を投稿していきます。

まずは、大学生になってからよく使うようになるメールの書き方からです。私が書くことが全て正しいわけではありませんが、これをたたき台にして、それぞれの状況に合わせてアレンジしたり、より深く調べる参考にしていただければ幸いです。

大学には「クラス」や「職員室」がない

大学に入って、高校までと大きく違うのは「クラス」や「学級」的なものがあまり無いことが挙げられます。大学によってはそういったものを準備し、「担任」をおくなどして、高校までと同じように運営しているところもあります。

しかし、多くの大学では、1年生ゼミなどはあっても、高校までのように毎日同じ教室の同じメンバーのクラスを基準に生活するというやり方は取っていません。

高校までは担任の先生が窓口になっていて、何かあれば毎日顔を合わせる担任の先生に口頭で質問したりお願いすればよかったと思います。あるいは職員室に行けば誰かが対応してくれましたよね。

「研究室」と「非常勤講師」

ところが、大学では職員室ではなく、一人一人の教員がそれぞれの研究室にいることが多くなっていますし、先生によっては毎日研究室に来ているわけでは無いこともあります。職員さんは事務室におられるので、何かあったらこちらに問い合わせても大丈夫ですよ。

また、大学の授業の中には非常勤講師(嘱託講師、非専任講師など、呼び方は様々ですが)の先生が担当してくださっている授業もたくさんあります。たとえば、私は近畿大学の専任教員ですが、いくつかの大学で非常勤講師もしています。非常勤講師とは、名前の通り「常に勤務しているわけではない先生」のことです。

専任教員の場合は、先ほど書いた研究室があって、ある程度安定してそこに来ていますが、非常勤講師の場合は、授業実施の時だけ大学に来て「講師控室」などの大部屋で授業の準備等をしています。なかなかここを訪ねていくのも難しいものがあります。

さぁ、これは大変。〇授業のことで質問が出てきたら?〇急に授業を休まなければいけなくなって個別に連絡を取らないといけなくなったら??〇色々と先生と直接やりとりしないといけなくなったら???

「メール」を使おう

そんな先生方と連絡を取るために重要なのが「メール」なのです。

多くの場合、大学生になると、大学からメールアドレスをもらえます。アドレスの最後がac.jpとなっているものが多いと思います。企業のメールアドレスはco.jpなどですが、大学はac.jpになります。

フリーメールを使っていても構いませんが、大学から発行されたメールアドレスの方が信頼度が高く、相手の「迷惑メールフォルダ」に入ってしまうことが少ないので(無いとは言えないのですが…)せっかくもらえるものですし、是非使ってみましょう(^^)

「メールアドレス」を打ち込む

さて、とはいえ、メールってどうやって送るんだろう?という方が多いと思います。LINEなどでしたら、誰から送られてきたかとかはすぐわかりますから、わざわざ名乗らなくても大丈夫ですし、家族や友人であればそもそもつながりがあります。改めて考えてみると、全く初めての人に電子的なメッセージを送ることってあんまり無かったという人もいるかもしれませんね。

まず、メールで忘れてはいけないのは、相手のアドレスを打ち込むことです。一文字間違っても正しく届きませんので、間違えないように気を付けましょう。

先生方のメールアドレスは、大学によってはウェブページで公開されていますし、researchmapというウェブサイトで公開している方もいらっしゃいます。おそらく、新入生向けに配布されている資料などにも、先生方の連絡先を書いた名簿が入っているのではないでしょうか。どうしてもわからない場合は、大学の事務局に電話をかけたりメールをして、聞いてみましょう。

「件名」を書く

次に重要なのは、「件名」を書くことです。メールの「タイトル」にあたるものです。これが無いと相手には「(件名なし)」などと表示されたり、タイトルが空欄のメールが届くことになり、とても不審な感じになってしまいます。

【ポイント1】必ずタイトルを入れましょう

タイトルには、たとえば「基礎ゼミのクラスについて」「現代文化論の最終レポートについての質問」「就職活動について相談したいことがあります」といったように、メールの主な内容を簡潔に書きます。

「相手の名前」を書き、「自分が誰なのか」を伝える

冒頭一行目には、相手の名前を書きます。「岡本健 先生」といった具合です。メールの見本は、この記事の最後に書きますので、そちらでチェックしてみてください。

大学の教員には、基本的には「先生」とつけた方が良いといます。もし、相手が「~様でいいですよ」とかおっしゃった場合は、そうしましょう。

そして、いよいよ本文に入ります。要件があってメールするわけですから、早速内容に入りたいところですが、まずは、相手に「自分が誰なのか」名乗りましょう

たとえば、「近畿大学 総合社会学部 1年の岡本健と申します。基礎ゼミではいつもお世話になっております。」といった具合です。講義を受講しているなら「現代文化論を履修させていただいております。」などで良いですね。

毎年必ずこれらが無いメールが来ます。以下のようなメールです。

***よくないメールの例***

【件名】(件名なし)

課題が提出できなかったのですが、どうすればいいですか

***よくないメールの例***

言いたいことはわかりますが、大学の教員は様々な授業を担当していますし、先ほども書いたように場合によっては非常勤講師といって別の大学でも授業を持っていたりします。それぞれ受講生が200人を超えているというようなケースもあります。

そんな人に、上のようなメールを送ってしまうと、そもそも送り主が誰なのかがわからないですし、どの授業何の課題の話なのかが伝わりません。さらに言うと、この情報だけですと、私に対して送ったものなのかすらわかりません。

ポイントをまとめておきます。

【ポイント2】相手の名前を明記する

【ポイント3】自分の所属と名前を書く

まずはここまでをクリアしましょう!

いよいよ「要件」を書こう!

さぁ、いよいよ内容に入ります。

内容については、できるだけ具体的に書いてください

「課題が提出できなかった」よりも、「4月24日の3限の現代文化論で出題された課題を提出することができず」と書いたほうが、何のことかが伝わりますよね。

【ポイント4】要件は具体的に書く

また、できるだけ丁寧な言葉遣いを心がけましょう。皆さんも、twitter等のSNSなどを見ていて、ひどい言葉遣いで相手を攻撃するような投稿を見たことがありませんか?これから色々と教えてもらおうという相手に、そんな失礼な言い方をしてはいけませんよね。

【ポイント5】丁寧な言葉遣いで

「できるだけ強い調子で言ったほうが効果的だろう」と思われますか?少なくとも私は、言葉遣いが失礼なものより、丁寧なもののほうが、「この人の困った状態をはやく解消してあげたいな」と強く思います。皆さん自身はどうですか?

「困ってるんだから、お前なんとかしろよ」「なんで私のために動いてくれないんですか」とか、いきなり言われても困りませんか?大学の教職員は基本的に学生さんから要望があれば何らかの対処をしようとします。ですから、いきなり強い調子で言ったり、クレーマーのような言い方をしなくても、大丈夫です。これはメールだけでなく、対面でも同じです。

もし、丁寧にお願いしているのに、本当に何もしてくれないようでしたら、その教員や職員はちょっとおかしいので、別の方に対応をお願いしてもらったほうが良いかもしれません。

メールを「締め」よう

意外に悩むのが最後の言葉ですね。メールを書き始めて要件まで書けたのはいいけど、最後どうやって終わればいいでしょうか。

たとえば、私が良く使うのは「お手数をおかけしますが、ご対応よろしくお願いいたします。」とか「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。」とかを使います。

丁寧な言葉遣いについては、様々なウェブサイトで紹介されていますので、検索サイトで「丁寧な言葉づかい」などと打ち込んで、調べてみましょう。

メールは相手に何かお願いをしたり、尋ねたりする際に使うことが多いものです。どういう表現を使うにせよ、お互いが気持ちよくメールを送ったり読んだりしたいものですよね。

最後に、以下にメールの例を書いておきます。参考にしてください。

それでは、また、その2でお会いしましょう!!お互い健康には気を付けて、日々を過ごしましょうね(^^)

メールの例文

【件名】現代文化論の最終課題に関する質問

岡本健 先生

いつもお世話になっております。

近畿大学総合社会学部1年の岡本健と申します。水曜・3限の現代文化論を受講しています。

4月6日の授業内で解説された最終課題について質問があり、メールさせていただきました。課題の中の、設問1「現代文化に関係がある作品を視聴して、それを授業内で学んだ視点から分析してください」についてです。

「現代文化に関係がある作品」と書かれていて、授業の中では、アニメやマンガ、ゲーム、映画、小説などの例を挙げておられましたが、ライトノベル作品でも大丈夫でしょうか。ライトノベルは小説の中に入るかもしれないとも考えたのですが、高校時代の課題でライトノベルを取り上げたら先生に叱られたことがあり、質問させていただきました。

お忙しいところ申し訳ありません。ご回答のほど、よろしくお願い申し上げます。

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