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アナタの「ジョブ」は何ですか?

ジョブ理論をご存知でしょうか?
クレイトン・クリステンセン教授(強そう)が発表した理論で、
簡単に言うと
「人がなぜそのサービス・モノを利用するのか?」という因果関係を説明する理論です。

装丁がかっこいいですね。

ツギハギだらけのデータから何となく次の手を考えるんじゃなくて、
本当に人々が求めているものを解き明かして、イノベーションを予測可能にしようぜ!

というメッセージの込められた本なのですが、
「別にイノベーション起こしたい訳では...」という人も読むべき一冊だと思っています。


コロナで明らかになる企業の「本質」

外出自粛を受けて”超高級”テイクアウトを打ち出したレストランに対して、田端信太朗さんが考察を繰り広げている動画です。

動画内で田端さんの言及されていた
『企業は本質的な提供価値を何もわかっていない』という問題。
ここで紹介されていたレストランに限らず、これは他のどのサービスにおいても言えることだと思っています。

これはジョブ理論に言わせると
「どんなジョブ(仕事・用事)を解決したくてサービスを雇用(ハイア)したのか?」がわかっていない状態。

"コロナをきっかけに起きる変化" 、その一つが
「本質」をついたサービスが残り、そうでないサービスが淘汰される
だとすれば、
「本質が理解できていない」がヤバイ状態であることは自明ですよね。

そんな方は本書を手に取りましょう。『ジョブ理論』は
”そのサービスが提供する本質的な「価値」は何か”
を読み解く手助けになります。

というわけで、この記事では『ジョブ理論』をざっくりと要約したうえで、
特に重要だと思った箇所を紹介します。

ざっくり要約

データはものごとの相関関係を読み解くうえでは大変役立つが、「なぜ」という因果関係は明らかにすることはできない。そのため多くの企業が「なぜ顧客がそのサービス・モノを選ぶのか」を解明することが出来ず、結果として「イノベーション」を運任せにしてしまっている。だがイノベーションは実は予測可能だ。その鍵を握っているのが「ジョブ理論」である。
そもそも顧客は片付けたいジョブがあるからモノ・サービスを雇用する。このレンズを通して顧客を観察することで初めて、本当に戦うべき相手がみえてくる。
また、顧客の本当のジョブを見つけ出し、ジョブの解決を中心にすえることで企業は真の差別化を図ることができる。
このとき、常に顧客のジョブを中心に据えた組織運営、プロセス・KPIの設計を行うことで、ブレずに成長し続けることができる。

重要①:顧客のジョブ、見えてる?

「ジョブ理論」によれば、多くの場合企業は顧客に提供できる価値を狭く捉えすぎています。

ビッグ・ハイア(顧客がなんらかのプロダクトを買うとき)だけを重視し、リトル・ハイア(顧客がなんらかのプロダクトを使うとき)を無視している
(P.188)

つまり「選ばれる瞬間」だけを見て、価格や機能で差別化を図ろうとしているわけです。でも果たして顧客は「買うとき」だけに価値を感じているのでしょうか?

答えはノーです。マットレスは買っただけでは価値を発揮しません。
マットレスの価値が発揮されるのは明らかに「使うとき」ですよね。

本当に解決したいジョブはリトル・ハイア=サービス・モノの使用中にあるかもしれない。
しかし多くの企業がここに目を向けず、「どうやって選んでもらうか?」ばかりを考えているのです。

これでは顧客が「本当に解決したい仕事」を解決することができません。

本書では「ストーリーボードを描く」ことによって顧客の状況や体験・ストレスなどを詳細に記述することが推奨されています。

重要②:そのジョブ、解決できてる?

ジョブが明らかになったら、次にそれを解決するサービスを考えなければなりません。
例えば「明日までに新居の家具を全て揃える必要がある」というジョブが明らかになった場合、解決策はどのようなものが考えられるでしょうか?

これに対して”組み立て式の持ち帰りが容易な家具”
を提供したのがイケアです。

無料で配送してくれる家具はたくさんあるかもしれない。
でも、配送日が1~2週間後だったら?狭いアパートの中で組み立てられる?
ペンキを塗る必要は?

顧客のジョブを十分に理解して、それを完璧に片付ける。
そのためには顧客が求める「進歩(どうやったら日常がより良くなるか?)」を
機能的・感情的・社会的側面から理解する必要があります。

提供するサービスが顧客のジョブと同義になった時、
つまり「この問題を解決したいから、あのサービスを利用する」と言える状態になったとき

本書では、そのサービスはパーパスブランドになると言及されています。
これこそ、全ての企業が目指すべきところではないでしょうか。

【パーパスブランドの例】
・イケア
・スターバックス
・FedEx
・ディズニー

まとめ

種々のサービスでオンライン化が進んでいますが、この時に
「オフラインでやっていたことをそのままオンラインにする」
という考え方では何か重大な見落としが生じる気がしています。

そうではなく顧客が求めているもの、「本当に解決したいこと」
に目を向けて、そこに対して「オンラインでできること」を仕掛ける。
それが今我々に求められている姿勢だと感じています。

最後に超個人的なメモを残して終わりにします。

超個人的アクションプラン

問い:自身が接しているクライアントが求める価値は何だろう?
”プログラミングの理解、それを限られた時間で成し遂げること”?
また、明示化されていないところでは
”やりきることで「達成感・自己肯定感を得ること」”?

その価値を提供するためにどうする?
やりきるための方法を学ぶ・実践する

課題図書

読み終わったらやること
自身で「課題」をたて、知識を実践に落とし込む

(追記)
落とし込み完了。だいぶ時間かかりましたが...


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