エピローグ第4話「その男、凶暴につき」『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)』徹底解剖
なんてこった…
そもそもアンジェラはレイプなんかされていなかったんだ…
不倫の恋愛関係にあったウィロビー署長との情事のさなかに何らかのトラブルが発生し、偶発的な事故、もしくはパニックに陥ったウィロビーの殺意なき暴力行為によって命を落としたに違いない…
だからウィロビーはミルドレッドの取り調べ中に顔面へ吐血してしまった際「あれはわざとじゃなかったんだ…」と思わず口にしてしまったんだな…
ウィロビーもアンジェラのことを愛していたから、殺すつもりはなかったんだ…
どうやら僕は本当に大きなことを見落としていたようだ…
そうなると「三枚の看板のメッセージ」も、霊体となったアンジェラの行動も、一から見直さなければならない…
いや、まだ他にも見落としてることがあるんじゃないだろうか…
僕はすっかり『スリー・ビルボード』という物語を見誤っていた…
霊体アンジェラの存在に気づいたところまでは良かったのに、そこから先が、てんでお話にならない深読みだったとは…
深読み名探偵の名が聞いて呆れるな…自分が情けなくなってくる…
だけど、この映画の脚本を書き演出をしたマーティン・マクドナーという男は、いったい何者なんだ…
なぜこんな誰にもわからないような手の込んだ仕掛けを…
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もう7時間だね、おかえもんが部屋に籠ってから…
せやな。いくら何でも長過ぎやろ。
もしかして深読みし過ぎて死んどるんとちゃうか?
深読みし過ぎると死んじゃうの?
そんな不吉なこと言わないでよ…
ちょっと声でもかけてみようか?
ねえねえ、おかえもん!
もうお昼とっくに過ぎてるけど、おなか空いてないの!?
何か差し入れしようか?
「いらない」
ちょっとくらい休憩したらどうや?
コーヒーでも煎れたろか?
「いらない」
教官は深読みに集中してるのよ。
そっとしておいてあげましょ…
あかんで、甘やかしたら。
パートナーであるワイらをほっといて一人で深読みしようなんて百年早いわ。
そんならこっちも最後の手段を使わしてもらうまで…
最後の手段?
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