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第18回:@ギフトショップ『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)』徹底解説

さて、謎の男が登場するシーンの解説をしようか。

考察は深まったんか?

ふふふ。バッチリだよ。

単刀直入に言っちゃおう…

あの男には、死んだウィロビーが憑依している。


ええ!?

やはりそう来たか。

ええ。間違いありませんね。

わざわざウィロビーと全く同じ鮮やかなブルーの目なのですから、もっと早く気付くべきだった…

それでは詳しく解説していきましょう。

まずあの男は、ショーウィンドウに映る影として登場する。

それはショーウィンドウに飾られた動物のぬいぐるみをミルドレッドが手に取って眺めている時だった…

よくよく考えたら、登場シーンが「ガラスに映った影から」って怪しいかも。

せやな。

この世ではない「あちら側」から来ましたって言うとるようなもんや。

しかも影が映るのは「動物のぬいぐるみ」が並んだショーウィンドウのガラスだ。

死んだアンジェラは様々な動物に憑依していた。

この描写は「憑依」を示す以外の何物でもない…

クリストファー・ノーランも『インセプション』で、ディカプリオ演じる主人公の死んだ妻モルを、サイト―やアリアドネに「憑依」させていました。

そしてその際には「憑依したこと」がわかるように、ちょっとした目印が施されていた…

きっと『スリー・ビルボード』の脚本を書いたマーティン・マクドナーも、よく観察すれば「憑依」がわかるようにしたかったんでしょう…


さて、男は店に入って来た。

その時の様子は明らかに「おかしな」もの…

店員のミルドレッドや店全体を見るのではなく、なぜか壁際の一点を見つめていた…

確かにそうだったな…

でもそんなことに深い意味があるとは思えないんだけど…

それが「ある」んだな…

男が見つめていた先にあったのは「ブタ」の置物なんだ…

この映画で「ブタ」といえば?

け、警察官…

ウィロビーは5000ドル寄付の手紙でも、自分たち警察のことを自虐的に「ブタ」と書いていたよな。

だから土産物店へ入って真っ先にブタに目が行ったんだ。

それにムカついてウサギを投げたのか?

いや、違うよ。

あれはミルドレッドが指示したからなんだ。

ミルドレッドが「私を脅迫しろ」と言ったから、男はウサギを投げつけたんだね。

ええ!?

この場面でも、映画の重要なキーである「聞き間違い」が描かれている。

ミルドレッドは、男にこう言った。

Anything I can help you with, just gimme a holler
何か用があったら、私に声を掛けて

だが、男にはこう聞こえた…

Anything I can help you with, just gimme a horror
何か用があったら、私に恐怖を与えて

だから男は「ミルドレッド・ヘイズに…与える…」と確かめるように呟いてからウサギを投げつけたのだ。

「holler(呼び掛け)」と「horror(恐怖)」は、どちらも「ホラー」だからな…

「L」と「R」が聞き取れないのは日本人だけじゃなかったのか…

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