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本は、素晴らしい。

突然だけどここ最近で読んだオススメ本を紹介させてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
心がぐちゃぐちゃになったオススメ本だよ〜〜〜〜〜!!!!!!
Twitterで気軽に呟いたらおバズり申したので、もう少し語りたいことを語ろうと記事にしました。

(オタクアカウントで呟いたやつだからお仕事で繋がっている人はそっとしておいてください…..)


さぁ、いくよ!


就活生は読まない方がいい。  『六人の嘘つきな大学生』



エグかった、エグかった。

何が一番エグかったって、私が就活生の時に感じていた「新卒採用」の滑稽さも、その後人事として入社し新卒採用担当となって抱えた葛藤と高揚と取り繕うことを上手くなった己の感情を全て小説で言われてしまったからだ。

今ではすっかり忘れていた人事時代が見事にフラッシュバックしてきた。
本編で元人事担当官が言う「良い人材を見分けるなんてね、不可能なんですよ」という言葉に首がもげるほど頷いてしまった。

そうなんだよ、不可能なんですよ。そんな簡単に見極められるわけないじゃん。
演技でもされたら笑っちゃうほど全然分からないよ。だけどそんなことも仕事だから言えない。
それでも人を見て、分析して、採用していくのが採用担当だ。

社内や友達からは「人事なんてすごいね〜」とか言われて、就活生からは「入社してこんな人みたいに…」と羨望の眼差しを受けながら影では『良い人事とは』みたいな本を本屋さんで探して勉強してた。もう滑稽ですわ。
いやぁ〜、光と影がある職種だぜ。仕事自体はすごく好きで面白かったけれど。
人間の内側をひたすら見ていくお仕事です。

この作品はね、すごいです。
日本独自である「新卒一括採用」の歪さを気味悪く最高な形で表現している。就活生は読まない方がいい。「就活中の自己PRは大体嘘」というある種の風物詩を逆手に取って謎解きをさせるのが最高にエグい。

就活生の頃に感じていた焦りや醜さ、そして嫉妬の感情が面白い程に伝わってくる。分かる。黒いスーツ着て黒髪を一つにまとめて「バカみたいだな」とか思いながら自己PRを笑顔で言ってた。
反対に、新卒採用を経験して社会人としていま働いている人は滑稽エンターテイメントとして皆が共感できる作品だと思います。もう笑って泣きましょう。

ある種これは就活生と人事担当、そして新卒一括採用を続ける日本へのアンチテーゼと応援歌みたいなもんです。

素晴らしい作品でした、良作です。読んで。


いまだから読んでほしい。 『同志少女よ、敵を撃て』



第六章の怒涛の展開と伏線回収で思わず「うあぁ……」と唸った。
比較的サクサク読める良作。なんでこんな重厚な物語がサクサク読めるんだ。文章うま。

終盤にある台詞で「(戦争の物語は)男の姿をしている」は『戦争は女の顔をしていない(岩波現代文庫)』に準えて書かれていると一発で分かった。この物語を書くために熟読したんだろうとも思った。


この作品は本書だけではなく『戦争は女の顔をしていない(岩波現代文庫)』とセットで読んだ方が絶対良い。物語の濃淡、深みが全然違って感じられてくる。
あぁ、『戦争は女の顔をしていない(岩波現代文庫)』があったからこの物語は生まれたんだと痛感できる。フィクションとノンフィクションは違うけれど、この両作は繋がっていると心から感じます。

小説よりも事実の方が100倍エグいってなんなんだろうね。
ぜひどっちも読んでほしい。頼む。


心はぐちゃぐちゃに、放心状態になる。 『汝、星のごとく』 



これは、この作品は、なんなんだ。

この作品を胸糞悪いと言う人もいれば、美しいという人もいるだろう。
登場人物全員がクソ野郎と思う人もいれば、純粋なのだと思う人もいる。

「みんな違って、それでいい」
「多様性の世界だから」
そんな言葉で片付けられるし、ふざけるなとも言いたい。

「よそはよそ、うちはうちだから」
そう理解したいのに、それはないでしょうとも怒鳴りたい。

後半辺りから一行一行に万感の思いが駆ける。
己の倫理観をガシガシ削られていく。
静かに座りながら読んでも心は無我夢中で走っていた。
読みながら呻いてた。
叫びだしたかった。

なんなんだ、これは。

本屋大賞、あっぱれ。


作者の脳みそどうなってんの? 『三体』



読んでいる間は「は?」と開いた口が塞がらない。
良い意味でだ。意味が分からない。
なぜこんな話を考えられるのか?

もう一度言おう。
意味が分からない。

さすが世界的ベストセラー。
簡単にあらすじを説明すると宇宙人vs人類のお話だ。
何やら陳腐な響きだと感じるだろ?分かるよ、でも読んでみ。馬鹿野郎と自分を殴りたくなる。自分が宇宙学やら物理学やら量子力学やらを理解していたらと心底後悔できる作品。

ここまで作品の風呂敷を大きく広げて、見事に回収していく作品を未だかつて見たことがない。作者の頭はマジでどうなっているんだ。

特に『三体』第二部の黒暗森林が面白すぎる。


もう面白すぎて途中で頭を抱えました。
宇宙規模で展開するストーリーが凄過ぎる。「世界を騙して地球を救う」その壮大な任務に選出された四人の登場辺りからの怒涛の面白さ。

個人的には二部の宇宙を「黒暗森林のようなものだ」と例えるところが秀逸。

簡単に言えばこう。
地球文明のように他に宇宙人がいる文明があるかもしれない。どこにいるのかも分からない。猜疑心が生じてきて緊張感が高まってくる。

そしてその他の惑星を侵略したいと思うが、その惑星の科学技術がどこまで発展しているのか不明なので下手に攻撃するとこちらの技術情報が漏れて、その惑星の技術が発展してしまう技術爆発が起きるかもしれないので下手に侵略も出来ない。

その惑星の位置情報を全宇宙に流すとどこかの惑星がその惑星を攻撃して滅ぼす可能性もある。それを主人公は利用する。

これまでに宇宙を森林に例えた人はいただろうか?
発想が柔らかすぎる。素晴らしい。
本書は三部作だが個人的には二部がありえないくらい面白い。
一部と三部は難しいから覚悟して読もう。


名作フォフォ....フォ────!!! 『そして誰もいなくなった』



やっと読めた、ようやく読めた。
『オリエント急行の殺人』を読んでからファンになったので、もう一つの名作をずっと読みたいと思っていた。

カァ────ッ!!!
あぁ〜〜〜〜〜〜うめぇ!物語を書くのがうめぇ!
このトリックを1939年に書けるのが天才。すき。
救いがねぇ!何度でも読みたくなる!

この人が犯人かな?いやこの人かな?と推理小説定番の犯人探しを探っていく過程が楽しい。みんな犯人のようで、全員違う気もする。

もはや言うことはあるまい。名作である。
アガサ・クリスティーの真髄は真相が分かってからまた一から読んで各キャラの表情や行動を確認することだ。異論は全然認める。みんなの楽しみ方を教えてくれ。


こ、これがライト(ノベル)だと? 『本好きの下剋上』



なんて言ったらいいんだろう。
こんな複数の常識と価値観を触れられる群像劇はなんなんだ。
これがライトだと?いやいやいやいや。うん。

ライトノベルってあの、キャラ読みがよくあるじゃないですか。
これはね、違う。違うわ。

常識の向こうにはもう一つの常識と価値観があって、少し間違えると即処刑の貴族社会と平民社会。そして転生モノでもあり、日本という主人公が持つ世界の常識のサラダボウルの中、葛藤し足掻いて生き抜く過程が本当に斬新で残酷で厳しい。

常識と価値観の違いの溝の深さを正面から殴ってくる面白さ。

個人的に素晴らしいと思えたシーンが、二部の「孤児院の存在意義について」、三部のハッセでの町長の対応で「何が悪かったのか」を主人公のローゼマインと師であるフェルディナンドが議論するシーン。

現代日本の常識が基礎であるローゼマインの意見に恐らく読者の大半が頷くだろうというシーンだ。それを「違うな」とフェルディナンドが真正面から一刀両断する。
その意見は日本では考えられない、異世界の、しかも貴族社会の常識で「そんな発想はしたことがない....ここは常識が、世界が違う」と読者である私はようやく本当の意味での「異世界」を理解した。

こんなアプローチから「ここは異世界なんだ」と思い知らされた作品はない。原作を読みながら震えた。世界観の設計が凄すぎる。

なんという多角的な価値観に触れられるんだ、と慄いたシーンです。大好き。

ファンタジーなのに、なんだこの重厚感。読んで。


地獄とラブコメの乱高下株価 『86-エイティシックス-』



アニメ最終回でドバドバ泣いて「続きを見ない理由があるか?ない!」と、アニメの後の話の四巻から読んだ。その後に一巻から読みました。

す、すげェ!
一日に暴落と高騰を繰り返すクソみてぇな株式市場だ!
息をするように地獄がある。破産する!

うふふなラブコメが披露された後に主人公が毎回死にそうになる。なんで?毎回そんな死に急がなくても良くない?と歯を食いしばる。
お前〜〜〜〜生きろよ〜〜〜〜!

アニメの続きが気になって四巻から読みましたが、いかんせん一巻のクオリティが凄まじくてですね。話の構成とまとめ方が素晴らしかった。さすが大賞受賞作品。
本編ではかなりエゲツない人種差別と戦争描写があるので地獄のオンパレードです。何が正解なんだ、生きるとは幸せとはなんなんだと考えさせられます。

アニメ最終回はねぇ、、、本当に素晴らしい演出でした。スタッフさんに感謝を。
所々厨二病が漂って「あぁ〜電撃文庫の匂いだ〜!」となる。
私のオツムが弱すぎて兵器の説明、戦闘シーンが毎回分からない。悔しい。読んで。


センスの定義、言語化、マジ感謝 『センスは知識からはじまる』



職業柄「センス、センス」と求められるので何気なしに読んでみたらすごい良本でした。
「センスは知識の集合体だ」と何年前かツイートで見かけてそれ以来その言葉に救われたのですが、発祥はここだったのかァ────!読めてよかった!

本書で「美しいと思えるものは未来のものではなく過去のものに向けられるのが多い気がします。そこに少しのノスタルジーを乗せて感じているのかも」という趣旨の文章には「その発想にもはやセンスを感じるわ」と唸った。


が、頑張りゅ〜〜〜〜!ってなる 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』



「良い文章を書けるようになりたい」「上手くなりたい」とグスグス泣いていた時に読んだ本。
うめぇ〜〜〜〜〜〜文章を分解して考えるのうめぇ〜〜〜〜〜〜!なるほどね!?と勉強になったことがたくさん。そして文章が優しい。すき。

もしかしたら「小説」というよりも「記事の文章」を上手く書くにはに特化した内容かもしれない。けれど文章を紡ぐための構成を学ぶには非常に良かった。これで少しでも良い文章が書けるようになればな〜〜〜!と思いつつ今日もアニメを観ています。
頑張りゅ。


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