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㉝マッチングアプリ6人目とデート

「良ければ、今度僕とデートしてください」

Jさんにそう誘われて、私はOKした。

「ご飯に行こう」「飲みに行こう」「遊ぼう」

お誘いの時に使われる言葉は沢山あるが
それは友人や同僚にだって使える言葉。

それに比べて「デート」という言葉は
「僕には少しでも好意がありますよ」
というのが分かる言葉だ。

なんて親切で、素敵な言葉だろう。


相手が自分をどう思っているかが伝わる
素晴らしい言葉。

私たちの世代ではあまり、この言葉は使わなかった気がする。

むしろちょっと古臭いというくらいだった。

でも、その頃流行っていた某恋愛番組〇ラス〇ウスでいい感じの2人が
「今度デートしようよ」「デートに連れてって」
とガンガン使っていた。

それを見て、素敵だな~なんて思っていたら。

デートに誘われました。

嬉しい。

Jさんへの好感度が上がった(単純)


Jさんは、休日の昼からでもいいと言ってくれたが
最初は慎重にと私は食事を提案した。

しかも平日夜の、次の日は仕事で朝が早いからと
19時~21時までのタイムリミット付き。

期待して、会ったら合わなくて数時間苦痛
なんてなりたくないのだ。

それでもJさんは快く承諾してくれた。


そして、当日。

Jさんが駅近くのお店を予約してくれた。
私がハンバーグが食べたいと言ったので
同僚に聞いて見つけてくれたそうだ。

私が到着してすぐに、Jさんが声をかけてきた。


『はじめまして』

「はじめまして~お店こっちなので行きましょうか」

そう言ってJさんはすぐ歩き出した。


ん?

なんだか…メッセージやり取りしてた時と
感じが違うくないか?

一応、ちらちらとこちらを見て
ちゃんと着いてきているか確認はしてくれているが

普通並んで歩かない?????

あれは、会うまでの営業トーク?


やっぱり、そう上手くはいかないか。
いい人だと思ったんだけどな。
今日はご飯食べてさっさと帰ろう。

そんな感じに私のテンションが下がったと同時にお店に到着。
すぐに席に通された。


席に座り、Jさんはすぐに店員さんが持ってきてくれた水を一気飲みした。
ちょっと面白かったので『喉乾いてたんですか?』と聞いた。

するとJさんは



「…すみません!!!俺、人見知りで…すっごくすっごく緊張してて…
態度悪かったですよね??本当すみません!!!!」


そう言って、私に全力で謝ってきた。
耳まで顔が赤くなっていた。

なんだ、メッセージ通りのJさんだ。

良かった。

安心した私は、緊張するJさんとは反対に緊張もほぐれ会話と食事を楽しんだ。

時々、最初のJさんの態度のネタを出すと
Jさんは本当に申し訳なさそうに謝った。

あの態度は怒っていたわけではなく、
照れてたからだって知ったら
面白くて、ついついからかってしまった。

Jさんも申し訳なさそうにしながらも
笑ってくれた。

Jさんは写真通り、身長が高くスポーツマンな感じだった。
黒髪短髪で、スーツが似合っていた。

そしてご飯の食べ方がすごく綺麗だった。

男らしい雰囲気なのに綺麗な食事の仕方のギャップがちょっと面白くて印象的だった。

そしていつの間にか時間は21時を過ぎていた。
食事のあとのデザートとコーヒーも堪能していた。

間が持たなかったらどうしよう

なんて心配は不要だった。
楽しくてあっという間に時間が過ぎた。

もう少し話しててもいいかと思ったがJさんが

「澪さん、明日早いんですよね?すみません21時過ぎちゃって」

そう言ってお会計をして、駅まで送ってくれた。

Jさんは路線が違うので、私を送った後
自分の駅まで今来た道を引き返していった。

電車に乗り、家についてからJさんにお礼のメッセージを送った。

『今日はありがとうございました!楽しかったです』と。

Jさんからもすぐに返事が来た。

「遅くまでありがとうございました!
最初緊張してて本当にすみませんでした…
でも俺もスゴク楽しかったです!なので良ければ
またデートしてくれませんか?」



拗らせ女36歳は、
2回目のデートに誘われた!


2回目もデートとな…
ということは本当にJくんは楽しかったんだな?
よしよし。

「澪さんさえよければ今度はお休みの日にどこか出かけましょう!」


私は、少し心配もあったがOKした。
次は昼間のデート約束。

初めてのデートは話も尽きることなく
楽しかった。

しかし次は1日デート。

間が持たなくなるだろうか?
そこが心配だった。

Jさんとの食事はとても楽しかったし
嫌なところはなかった。
でも、なにか特別ときめいたわけでもなかった。
でもまた会いたいと思う、次はどんなデートになるのか。

少しの不安を抱えながら、次のデートまで
またJさんとメッセージのやりとりを続けた。



つづく

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