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呼吸の練習2

もう1冊「密息の本」を買う

 12月から練習している「密息」。
 最初に読んだ、「日本人の呼吸術」の前にもう1冊出版されていたと知って、年末に購入して休み中に読みました。

 その本は、「『密息』で身体が変わる」(中村明一 著)。
 「呼吸術」よりも密息のやり方についての記述や写真は少なめですが、音楽家としての著者の体験や密息に至る過程、密息と身体やココロ、日本文化との関係にまで踏み込んで考察されていて、深くて面白い内容です。

 また、やり方の記述は少なめと書きましたが、基本的なところを詳しく解説してくださっていて、私は「呼吸術」よりも分かりやすく感じました。

 

練習継続中

 とにかくお腹を膨らませて息を吐き、吸う。
 まずはこれだけを練習します。

 骨盤の角度も大事なんだけど、お腹に集中しているとだんだん前傾してくるみたいで難しい。
 骨盤については、ときどき意識して、ちょっとだけ倒す(後傾させる)。
 そんなイメージでやってみています。

 見た目は変わらないから他人に気づかれることなく、いつでもどこでも練習できるのがいい。
 仕事中でも、車に乗っているときでも、家事をしているとき、お風呂に入っているときでも。

 ただ、寝ているときだけは、難しい気がします。
 お腹を膨らませながら寝ていると、背中や肩に力が入ってしまうようで。

きもの、腰骨、合掌

 練習をしていて、密息と相性がいいと感じたのが、きものと合掌、腰骨です。
 きものは書籍にもある通りで、昔の日本人がきものを着て生活する中で自然に行っていたのが密息なのだから、当然きものを着ているとやりやすいのでしょう。

 きものを着ていると、自然にお腹を張らせるので、密息になるということです。
 私は、きものを着ていてもお腹が膨らまなかったのですが、最近少しできてきたような気がします。

 それは、角帯を締めるようになってからのことで、やはり腰骨で締めるというのがきものを着たカラダのポイントなのだろうと思います。
 腰はカラダの要。
 まさにそういうことなんですねえ。

 そこに気づいてからは、洋服のときも腰骨に何かしら締めて過ごしています。
 ズボンの下に湯文字を巻いたり、きものの腰紐を締めたり、手ぬぐい帯やヒモトレの編みヒモのときもあります。
 腰骨で締める、というけれど、腰骨よりもさらに下を締めると心地よく、密息の練習もやりやすいです。

 あと意外だったのが、合掌。
 お風呂で練習しているとき、手のやり場に困ってなんとなく両手を合わせてみたら、集中しやすかったのです。
 仏教の修行でも呼吸を重視するようですから、意外でもないのかもしれませんね。 

「いま・ここ」と密息

 密息と並行してやっているのが、「『いま・ここ』に集中する練習」なのですが、密息の練習はその練習と同じ感覚になります。
 密息の練習自体、お腹の動きに集中しないとできないことだから、お腹というカラダの感覚に意識を集中することは、「いま・ここ」に集中することでもあるのでしょう。

 うまく集中できると自分の周りが静かになったように感じてとても心地よいです。
 しかし、「いい感じ」と思った瞬間、思考がわいてくることが多くて、心地よい時間を持続するのは簡単ではないみたいです。

 ただ呼吸するだけのことが、こんなにも心地よく面白いものなんだな、としみじみ思います。
 本当に楽しくて、読書やスマホの時間がけっこう減りましたし、長く浸かるのが苦手だったお風呂にも、これまでよりはゆっくり入れるようになりました。
 だたその一方で、集中しているつもりでも、いつの間にか脳内で独り言や自問自答をしてしまっていることに気がつくことも多くて。
 頭の中の声がよくまあ次から次へとわいてくるもんだ、と呆れてしまいます。

テニスと密息

 こうなってくると、テニスのときにも密息ができないかな、と思ってしまいます。
 年明けからのテニス練習のとき、実験のつもりで試してみました。

 いきなりプレーしながら密息、というのは難しすぎるので、
 1.構えるときにやや骨盤後傾で構える
 2.順番待ちのときや、プレーの合間に密息をする
 というのを目標にしました。

 まだ2回しか練習できていませんが、テニスに密息を取り入れるのは我ながらナイスアイデアな気がします。

 密息自体はプレー中には忘れてしまうので、呼吸を変えた効果は検証できませんが、骨盤後傾の効果ははっきり感じました。

 私はもともと前傾というか、前屈というか、前に突っ込みすぎる傾向があるようで、前に行きすぎないようにという指摘は受けていました。
 また、膝を曲げて構えるのも苦手で、低いボールを取るときには腰を曲げてしまうし、構えそのものも不安定なのか、滑ったり転んだりすることも他の人より多い気がします。

 骨盤を後傾させると、まず膝が自然に曲がり、重心はその分下がります。
 膝を伸ばして前傾姿勢のときよりも、目の位置が低く、そして後ろになりました。
 そのせいか、飛んでくるボールに対して、少し余裕ができた感じがして、実際にミスが減りました。

 遠いボールや速いボールなど、後傾を意識する余裕がなくなると普段通りになってしまいましたが、意識できるときは、重心が低く姿勢も安定していました。
 打つ動作も安定して、ミスしにくかったと思います。

 呼吸のほうは、ほとんどいつもの呼吸になってしまいましたが、思い出したときに密息をやっていると、集中力が続きやすかった気がします。
 定着してくれば、疲れにくくなったりもするのでしょうか。
 そこまでうまい話があるだろうかと思いつつも期待してしまいました。

 そんな感じで、楽しく密息の練習を続けています。
 まだまだ奥が深そうなので、もっともっと面白い気づきがあればいいなと思います。

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