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「認知症の人と家族の会」よりメッセージ

認知症の人が家に帰れなくなる、行こうと思った目的の場所に行きつかないのは、症状が始まってから中期といわれる時期に多く起きます。「徘徊」とも呼ばれている症状です。この時期は認知症の人は、わからないことが増え、不安が多くなり混乱し、大きな声を出したり、適切な言葉が出て来なくなり、上手く思いを表現できなくなります。冷蔵庫にティッシュの箱を入れたり、トイレの場所がわからず失敗したりなどで、介護家族に注意を受けることで怒ったり、手を上げたりすることもあります。この時期のさまざまな症状はBPSD(行動・心理症状)といわれ、介護も大変な時期です。

その中でも介護家族が一番に心配するのは、目を離した一瞬に外に出てしまい何時間たっても帰って来ない時です。最初は「そのうちに帰って来るだろう」と思うのですが、何時間経っても帰ってこない時は警察に保護願を出すことも多くなります。介護家族は本人をずっと見張るか、鍵を家中にかけるかなどするしかないかもしれませんが、それは現実には難しいことです。

昭文社さんの「おかえりQR」は、今いる場所がわかるので安心して外出ができます。介護家族も鍵をかけたり、「外に出てはだめ」など行動制限の言葉をかけることがなくなり、自由に街を歩いてもらえます。企業が認知症の人が自由に安心して行動できることを応援してくださることは介護家族もありがたいです。 昭文社さんなど様々な企業や研究者が、認知症の人の意思が尊重され、安全に安心してそして自分らしく生きることのサポートを考えて製品はじめシステムなどを創ってくださっています。そのことは認知症とともに前向きに生きる力になっています。

【公益社団法人 認知症の人と家族の会について】
「公益社団法人 認知症の人と家族の会」は、今から40年前の1980年1月に結成した会員11,000名の団体です。認知症の人とその介護家族を中心に、医師や看護師、ケアマネジャーなどの専門職、認知症に関心のある方が会員です。 結成当時は今のようなデイサービスやヘルパー、ショートステイなどの介護サービスはなく、家族だけでの介護でした。病気のことも今ほどの情報はなく、医療や社会の理解なく、家族は困り果てていました。そのような状況の中から結成以来、介護家族同士がつながり、助け合いながら、社会に声を上げ、国に要望を出し制度をよくし、認知症になっても安心して暮らせる社会をめざし活動を続けています。

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