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「こんなにしんどいなら、もう楽になりたい」と母に言われて。

母が入院して6日が過ぎた。

(入院と手術との話については、こちらの記事に書きました)

おかげさまで、翌日には意識が戻り、数日後には呼吸器も外れて自発呼吸もできるようになった。
体に刺さっていたたくさんの管も、1日1本ずつ抜けて、残すは点滴だけになったらしい。

コロナで面会には行けないが、毎日2回、医師が電話で症状を報告してくれる。
今のところ「回復しています」「順調ですよ」と言ってくれている。

2回のうち1回は、母に電話を渡してくれて、母と話をすることができている。

もう一度、母と話をすることができた。けど。

その声に力はなく「しんどい…」「あちこち痛い…痛いところだらけ…」「つらい…」と弱々しくつぶやくばかり。

医師は「数値的には順調」と言うが、傷の痛みや精神的な苦痛は、相当な物なのだと思う。

だって、胸開いて骨も切ってるんだから。
本人そんなつもりなかったんだから。


今日は母の口から「こんなにしんどいなら、もう、楽になりたい…」という言葉が飛び出した。

父と二人、言葉を失った。
ショックだった。

父が「そんなこと言うなよ」と言葉を絞り出した。


母は開胸までして、生きたくはなかったのだろうか。
私たちは、同意書にサインをしない方がよかったのだろうか。

だけどあの時「もう、何もしないでください」とは言えなかった。

「つらかったら、1日100回でも『つらい』『しんどい』って電話していいから。いくらでも聞くから。看護師さん捕まえて『しんどいしんどい』って言ってもいいから。だから今は頑張って。しんどいと思うけど。頑張って」

私がそう言うと「…ありがとう」と小さな声で母は答えた。

また明日、電話で話そうと思う。
私が「しんどい」のはけ口になって、少しでも元気になるなら。
いくらでもはけ口になるよ。


明日から、歩くリハビリが始まるらしい。
そして今週中には、ICUから一般病棟に移るだろうとのこと。

少しずつ少しずつ。
がんばって、お母さん。


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