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「〜で、いい」 と 「〜が、いい」。一文字違うだけで、だいぶ違う。

「おばあちゃんはすぐ『〜でいい』って言うのよね。
 お母さん、あれがすっごく嫌なのよ!」

そう母から聞いたのは確か小学生の頃だったと思う。

父方の祖母(母からしたらお姑さん)は、どこか食事に連れて行っても「私、この定食でいいわ」
買い物に連れて行っても「このカバンでいいわ」と
「〜でいい」を連発するのだと、母が怒っていた。

「『これでいい』ってなんなのよ。まるで妥協されてるみたいで、気分悪いわ。『これがいい』って言いなさいよ!」

私は、小学生にしてその時はじめて「〜でいい」と「〜がいい」には、大きな違いがあることを知った。


あれから数十年。

いつの間にか母は、食事に行っても買い物に行っても「お母さん、これでいいわ」と言うようになった。

私が「これでいいわって…(苦笑)本当はどれが食べたいのよ」と言っても「だから!オムライスでいい!」と答えます。
正直、毎回ちょっとモヤっとする。


きっと母は、小学生の私にめっちゃキレながら話したことをこれぽっちも覚えていないのだろう。

そして私もあと何十年かしたら「私、オムライスでいいわ」とか言ってるのかもしれない。

もし見かけた方は「え、もしもし?『〜でいい』って言ってますけど?」とたしなめてやってください。


日常は選択の連続。

その中でつい「〜でいいや」って選んでることは結構あるかもしれなくて。

うちの母みたいに、口に出して「〜でいい」と言わなくても、心の中で「まあ、これでいいや」って、済ませてることって多いのかもしれない。

できるだけ「〜がいい」を選んで生きていきたいものだなあ。

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