資金調達PRを本気でやったら採用候補者14倍になって景色が変わった話
スカイディスクは4年間の紆余曲折を経て、2023年5月にシリーズCエクステンションラウンドとしてエクイティ/デット合わせて8億円の資金調達を行いました。
それに合わせて本気で資金調達PRをやったところ、資金調達前と比べて採用の候補者数(カジュ面させていただく方の数)が14倍に増えました。ということで前後で何をやってきたか書こうと思います(分母が少ないだけなのは秘密)。
資金調達の概要
資金調達までの紆余曲折についてはコチラをご覧ください。
CEO内村さんのターンアラウンド軌跡のnote↓
CFO(私)の資金調達の舞台裏note↓
スカイディスクは、SaaS事業に転換して現在急成長をしているタイミングですが、組織拡大のためのきっかけがなく採用には苦しんでいたのが本音でした。
今回の資金調達は額こそ大きくありませんが、スカイディスクの採用面のリブランディング・認知拡大に最大限レバレッジしたいとの思いから、資金調達PRを全力でやることに決めた次第です。
資金調達PRプロジェクトの立ち上げ
さて資金調達PRにあたり、プロジェクトチームを立ち上げました。調達額と時期がギリギリまで見えてこなかったために、動き出しはかなり遅くなってしまい、リリースの1か月半前にキックオフを実施しています。。。
プロジェクトの組成自体はこのような感じにしました。
・プロジェクトの目的
完全に採用に振り切りました。
その中で、資金調達リリース後の1か月を半分に分け、前半ではいわゆる"PR"として、スタートアップ界隈やSaaS界隈などの潜在層が存在するセグメントに対しスカイディスクを知ってもらうこと・面白いと思ってもらうこと・あわよくばカジュ面を申し込んでもらうことというAIDMA/AISAS的なところでいうところのコンバージョンまでをターゲット範囲としました。
後半については、既に認知をしてくれた方ないし面談のご縁につながった方向けに、社内のよりリアルな情報を届けて興味関心や志望度を高めることを狙いとしました。
・プロジェクトメンバー
必須メンバーとして経営陣、広報担当、人事採用担当に入ってもらったうえで、全社に対し有志を募りました。結果的に”なんかおもしろそう”と思ってくれたメンバーが手上げをしてくれ、8人のチームになりました。
有志を募ったのは正解だったなと思います。Job Descriptionに規定された仕事、ではなくお祭りであるという感覚が高まりました。
進め方としては、キックオフの場で大まかなモジュールごとにスモールチームを組成しSlackベースでコミュニケーションしながら数週間に一度全体で進捗シェアや目線合わせをするという形で進めました。
このあたりは、先人の皆様が書かれた資金調達PR関連のnote記事など参考にさせていただきました!本当にありがとうございます!(このnoteも誰かの参考になりますように!)
資金調達PRとしての施策
実際のアクションとしては、他のスタートアップが資金調達に向けてやっていることと大きく変わりません。
スカイディスクではこのあたりのことをやりました↓
(リンク貼り出すとよくわかんなくなるので項目列挙のみ)
キービジュアル作成(投資家ロゴ+ミッションドーン)
資金調達のプレスリリース配信
各メディアへのアプローチ(新聞、Web媒体、テレビ)
会社ホームページの刷新(動画も撮ったり)
採用ページの刷新(Notionベースからオリジナルへ)
会社紹介資料の刷新
代表のnote公開(↑でリンク貼ったやつ)
CFOのnote公開(↑でリンク貼ったやつ)
投資家対談記事の作成×2
ユーザーインタビュー公開×2
メンバーのnoteリレー×14
ホームページの刷新はさすがにプロジェクト立ち上げに先行してリリースの3か月ほど前から着手していましたが、他は1か月半前のキックオフからスタートです。
プレスリリースに合わせたキービジュアルについては、改めて撮影をしたりということはしませんでした(これはスケジュールの問題と、全体的なメッセージを考えたときのキービジュアルのトーンの問題とかもありました)
全体としては、今回の資金調達の採用向けのメッセージを
「崖っぷちからのターンアラウンドを経て4年越しの資金調達。急成長フェーズへ。」
と設定して、投資家対談や各種コンテンツ作成、取材対応を進めていきました。
最初は「崖っぷち」みたいなショッキングなワードは使っていなかったのですが、社内で議論するうちに、福岡のスタートアップがSaaSプロダクト立ち上げて8億調達したってニュースに誰が興味持つんだ?という話になり、飾らずに・生々しく語っていく姿に共感してもらう狙いに変えました。
投資家から、ここまで赤裸々に書いて引かれませんかね?とツッコまれたこともありましたが、ここは代表が腹を括って最後まで赤裸々路線を通しました。
英断だったと思います。
リリースに合わせた採用アクションの強化
もちろんPRだけでなく直接的な採用活動も強化しました。
・スカウト文面の刷新
これは資金調達の1か月くらい前から準備して、資金調達に合わせてダイレクトリクルーティングのスカウト文面のブラッシュアップをしていきました。
ただテストの結果、資金調達を押し出すよりも別の訴求の方が候補者の方に届きやすいということが分かりました。。。
これはうちの調達額の問題もあるかもしれないし、資金調達という各社共通の話題に紛れてしまったということなのかもしれませんが、結局代表のnoteのリンクを貼るくらいの変更に留まりました。
ただそれでも、資金調達の前後でスカウト返信率は明確に変わりました(ここはまだ集計できてないのですが、体感は明らか)
・エージェントさんとの再キックオフ
資金調達のリリースに際し、刷新した会社紹介を使ってお世話になっているエージェントさんに個別に事業状況のアップデートや採用ニーズをお伝えしていきました。代表もなるべく同席してもらって、とにかく熱意を伝えました。
ホームページの刷新などは事前に気づいてくださっているエージェントさんもいて、”スカイディスク本気で採用やる気なんだな”と思ってもらえた感はあります。「だいぶ変わりましたね」とか「めちゃくちゃ面白いフェーズになってますね」というコメントを結構もらいました。
結果的にも、これはかなり効果があったと思います。明らかに紹介の量と質が変わりましたから。
発表当日!
前日には、資金調達プロジェクト用のチャンネルに全メンバーを勝手に追加し、拡散の段取りなどを案内しました。
併せてzapierを連携させてスカイディスク関連のtweetを流すようにして、お祭り会場であることが分かるように仕組みました。
プロジェクトに入っていないメンバーは、最初は戸惑いもあったようですが、当日次々に流されるスカイディスク関連のツイート、ぐんぐん上がるPR Times内の閲覧ランキング、舞い込むメディアからの取材依頼などをみて、「これはとんでもないことになっている・・・!」と思った人が多かったらしく、自然といいねの輪が広がったり拡散したりと盛り上がっていきました。
また、同日に公開した代表の内村さんのnote記事がかなりバズり、多くの方に見て頂けたのが大きかったです。
スタートアップ界隈の方々に刺さるnoteをイメージして内村さんとは事前にすり合わせをしていたのですが、結果的には想いが溢れすぎて魔改造コンテンツになりました。
ばたばたでしたが、初日としては大成功。
思ったよりも内村さんのnoteがバズっていたので、今後のPRのコアコンテンツに据えることに決め、以降のコンテンツのメッセージやリンクを微修正しました。
1~2週目のPRフェーズの勢いそのままに、3~5週目ではメンバーがスカイディスクのリアルを語るnoteリレーを繋いでくれました。
全てのコンテンツが予定通りのタイミングで投下されたのはプロジェクトメンバーのロジ力とやり切り力、そしてnoteリレーを書いてくれたメンバー全員の協力のおかげでした。
採用活動の成果
そんなこんなで資金調達リリースから1か月半ほどが経過しました。
つながったルートを問わず、弊社に興味を持ってくださり一度以上面談を実施させていただいた方の数の推移がこちらです↓
リリース直前5週間の平均:0.6人/週
リリース直後5週間の平均:8.2人/週(13.7倍?!)
ということで、資金調達リリースの翌週から明確に状況が変わりました。
正直、できすぎてて何がなにやらというか、社内全員が驚いています。
そして突如として代表と私はリソースの5~7割近くを採用に割くことになり、うれしい限りです。資金調達に合わせてHERP Hireを導入していなかったらどうなっていたことやら・・・。
もちろん単純に数が増えただけでなく素晴らしい方々とつながることができていて、実際に資金調達以降採用決定も急増しております。
要因の検討
今回、ここまでの成果が上がった要因として、キーポイントとして思い浮かぶのは、
代表内村さんのnoteがバズったこと(正直、これがほぼ全て。noteバズったら勝ち)
赤裸々な内村さんのnoteがバズった結果として「赤裸々にいっていいんだな」という社内の共通認識ができ、コンテンツの一貫性と赤裸々性が担保されたこと
ホームページ刷新/資料刷新+エージェントへの熱意でリレーションが一段階強まったこと
狙ったこともあれば偶然の産物もありますが、やはり入口として何らかの認知を持ってもらうことは大事だと実感しました。特にSNSは自分の力で届けるのでなく、界隈のキーとなる人に興味を持ってもらうことが大事。
改善点・反省点
大成功に終わった資金調達PRプロジェクトですが、多くの改善点や反省点もありました。
認知のコンバージョンとして採用イベント(オンライン説明会やオフラインmeet up)を企画していたが実行に移せなかった。知見不足で勇気が出なかったというのが正直なところです。。。
プロジェクトのキックオフが遅くなり、一部メディア掲載のタイミングが”ほとぼりが冷めた頃”になってしまいました。かなりもったいないことをしました。1.5カ月は短すぎる。。
メンバーにはnoteを初めて書く人も多く、文字ばかりの記事もチラホラ。シンプルにメンバーの個性が発揮されて良かった一方、クリエイティブの面でもプロジェクトで支援できればよかった。
お祭りは楽しい!
いろんなことがありましたが、単純に楽しいプロジェクトでした(資金調達プロセス自体はnoteに書いた通り地獄でした笑)。
採用を目標において、きちんと成果が出たことも重要な経験になりました。
資金調達はゴールじゃなくてスタート。
ものづくりをもっとクリエイティブに変えていくために、どんどん成長してお客様に価値を届けていきたいと思います。
最後に、スカイディスクはBIz/Techともにメンバーを募集中です。
製造業向けのAI×SaaSのグロースをともに牽引していくことにご興味ある方はぜひ一度お話しましょう!
スカイディスクの採用情報はこちら↓
本件についてでもスカイディスクについてでも、採用関係なくご興味持たれた方お話しましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?