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一人ひとりの「認知症」がある:佐藤雅彦『認知症の私からあなたへ』

電話口で佐藤雅彦さんはこう言った。「本届いた? この本、普段あまり本を読まない人にも読んでほしいと思ってるんだよね。」

佐藤さんは51歳のときにアルツハイマー病型認知症と診断された。以来、認知症とともに暮らしている。本というのはその佐藤さんが上梓した2冊目の本のことだ。タイトルは「認知症の私からあなたへ 20のメッセージ」。佐藤さんが普段話していることが、20のメッセージと写真と文章とでまとめられている。私はこの本を「普段本を読む人」にも「普段本を読まない人」にも読んでほしいと思う。

冒頭の何枚かの写真は本当に素敵でまるで詩のように心に響く。佐藤さんが何を考え、何を大切にし、そして何を伝えたいかがしっかりと伝わってくる。20のメッセージのひとつひとつに佐藤さんという一人の人の生き方がある。

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『一人ひとりの「認知症」がある』佐藤さんはそう語る。そのメッセージにはdignityがある。それはわれわれがいまもっとも大切にすべきこと、思い起こすべきことではないだろうか。少なくとも私はこの本を読んでそう感じたのだ。


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