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変化の予兆:新型コロナは日本人の働き方を変えるか

変化について考えるとき、問いは漠然とした変化の境界を明確にしてくれる。『新型コロナは日本人の働き方を変えるか』も良い問いだと思う

問いのきっかけは下記の『新型コロナで広がるオープンソース運動は日本人の働き方を変えるか』だ。

オープンデータやオープンソースのあり方は、行政の分野ではずっと「必要」「大事」「重要」とずっと言われてきた。しかし、変化はなかなか生まれなかった。記事はそこに変化が起こりつつあることを伝えている。

福祉・介護の分野もそうかもしれない。福祉・介護という分野は、「人と人とが直接会うことが大事」「ITなんて難しい」という気持ちがとても強い領域だ。

この領域に対して「福祉分野こそ、Zoomのようなリモート会議はとても有効」と伝えても、「そうか、試してみよう!」とはなかなかならない。

それが、新型コロナによって少し変わった。福祉・介護の分野でもっとも守らなければならない安全が「会う」ことによって「リスク」になってしまったからだ。

長年ITCの分野に関わってきたものとして、Zoomはとてもよく考えられているシステムだと思う。実際に試しに使ってさえくれれば変化が生まれる。福祉・介護の分野が変化するかもしれない。そんな予感を肌で感じる。

一方のIT関連企業はどうだろう。もしかしたら、紺屋の白袴という言葉がこれほど似合う領域はないかもしれない。

「テレワーク? ああ、いいよね。やったことないけど。」というような、思わず「おいおい」ということがあったりもする。

90年代の半ば、研究所の全管理職にWindows系PCを配備するという「なんだかなぁ~」ということを担当したことがある。私たちのチームは上司が遠隔にいるリモートワークは当たり前だった。しかし、情報系以外の部署は「ワープロやファックスの方が便利だろう?」という「???」な声も小さくなかった。

情報系は情報系で、UNIXは普通に使っていても、一般の人が触る純粋なDOS/V-PCは初めてという人が少なからずいた。

あれから25年が経ち、IT関連企業は変わっただろうか。少なくともテレワークについていえば、会社全体でみるとそれが何かということを言葉では知っていても、実際に体感している人が意外に少なかったりしたのかもしれない。

少しうがった皮肉な目線でみれば、今回の一連の流れの中で、社内のネットワークはとてもよい負荷テストができたのかもしれない。

皮肉が言いたいわけじゃない。ただ、何年かすると、IT関連企業よりも福祉・介護の人の方がZoomのようなリモートでの仕事の進め方に長けている、そんな逆転現象さえ起きるかもしれない。

そんなことがあれば、紺屋の白袴とも言っていられない。5歳のチコちゃんに叱られる。


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