ペンギン・スタイル
ペンギンは可愛い。子どもたちにも人気がある。
子どもがまだ小さかった頃、マイクロ・ペンギンのお話をよくした。マイクロ・ペンギンたちはコップの中の氷の氷山で暮らしている。
ちなみに、鳥の体脂肪率は約5%だがペンギンは最大50%だと聞いたことがある。つまり、彼らは肥満度4の高度肥満である。
ペンギンは可愛いと言ってもらえるのに、中程度肥満(体脂肪率30%以上)の人間がカワイイとは言ってもらえるとは限らない。どちらかというと、二度見されるか、気がつかなかったフリをしてくれるかという経験ばかりだ。その人たちは何も言わないが、心の中はお見通しだ。
体脂肪率30%、体重90キロであれば、脂肪の量は単純計算で27キロということになる。27キロの米は重い。あるいは灯油の20リーター容器に水を満々と入れたことを想像してほしい。リュックにいれれば27キロは一人では簡単には背負えないはずだ。体脂肪率30%とはそのような重荷を背負って生きている。人の一生は重荷を負って遠き道をゆくが如しだ。
体脂肪30%を保持するのは容易ではない。内臓脂肪は言わずもがな、下腹、二の腕、あごも当然である。それぐらいでは担えない。したがって背脂、胸も必要とする。
胸なら寄せてあげればBカップである。しかし通常は扁平しており、胸の高さで脇の下部分を経由して背脂に続く。世の保健指導では腹囲の計測を推奨し、これをもって生活習慣病リスクを判定するが、それでは足りない。樹木と同様、太さを計測するには胸高直径の計測が求められてしかるべきであると考える。ちなみに肥満度30を上面より目視すればほぼ円であることはいうまでもない。
ちなみに体脂肪率30%を超える生物を頭上方向から目視すればほぼ円であることはいうまでもない。ペンギンしかり、鯨しかり、あざらししかり。
さて、ペンギンである。彼らは両手を拡げて左右に少し揺れながら可愛く歩く。なぜ、彼らは両手を少し拡げているのだろうか。
賢明な方ならおわかりのはずだ。彼らペンギンが可愛いのは「気をつけ!前ならえ!」の気をつけの姿勢ができないのだ。なぜなら胸高直径部に存在する脂肪群が腕(ペンギンの場合は羽?)を垂直に真下に下ろすことを拒否するからである。これは発見的ともいえる事実である。
体脂肪率30%は気をつけの姿勢が困難である。
花形満であれば、「星くん、消える魔球は水に弱い!」と宣言しそうな勢いで発見的な事実なのだ。
ということで、目下の目標は、ペンギン・スタイルを脱し、「気をつけ!」の姿勢が取れるようになることである。
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