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鑑賞*引つ張れば引つ張り返す凧の糸

霜田秀子

海風にまかせて凧糸を伸ばすと、凧は松林を越えて国道を越えた。

姿は遠く小さくなったが、引っ張られる糸の力は子供の指では制御できないほど大きくなった。

凧糸が猛獣を操る綱のようで恐怖を感じた思い出がある。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』平成二十八年十月号)

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