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はじめまして。EUDITION ディレクターの岡田麻李と申します。

昨年、EUDITION(ユーディション)という、持続可能な地域産業の創出と、植物多様性の保全を目的としたブランドを立ち上げました。2019年10月に第一弾商品として鹿児島県肝付町岸良(きもつきちょう きしら)に古くから自生する地域固有の香酸柑橘・辺塚だいだい(へツカダイダイ)を活用したEUDITION OILを発売。
EUDITION HP  https://eudition.com/

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日本の地域に眠る固有植物の事やら、植物原料由来のコスメやら、サステナビリティについてやら、たまにブランディングの事やら、ここではEUDITIONブランドからの視点ではなく、もっとざっくばらんに、もう少し気楽に、岡田麻李個人の視点から書いていく場にできたらと思います。ブランド視点のSTORIESはコチラにアップしていく予定です。
何を考えているか、何を見ているか伝えていけたらいいなと思います。

華やかだったりスキャンダラスな経験はなくいたって普通の人生ですが、まずは自己紹介をさせていただきます。

1. 好きなこと、嫌いなこと

好きなことは、自然と酒と料理と仕事。読書も小さい頃から大好きです。好きな本は、武士道自警録論語と算盤陰翳礼讃センス・オブ・ワンダー。展示会に行くのも好きです。

嫌いなことは、筋が通らないこと、運転(方向音痴)、カラオケ(音痴)。音楽的センスが驚くほどないです。

2. 生い立ち

母は徳島県、父は三重県出身ですが、私が1歳の時に東京に引っ越したのでほとんど東京育ちです。
休みは、三重県の田んぼに囲まれた曽祖母の家で虫や魚を捕まえて遊んでいたので、東京育ちにしてはやたらと虫とかカエルに詳しし、好きです。幼少期に、もずく蟹や手長海老を夜の小川で、オニヤンマやコシアキトンボを昼の野原で父と追いかけて大はしゃぎした経験が、鹿児島県肝付町岸良(きもつきちょう きしら)という限界集落の地勢に出会った時に心揺さぶられて魅了されたことにつながっている気がします。
あと、母の実家の徳島は野菜や魚が本当に美味しくて、日本の旬の味を母の手料理で楽しむことを小さい頃から自然と教えてもらっていたことも大きかったです。
レイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダーのような経験を幼少期にたっぷりさせてもらったことを、両親には感謝しています。
絵を描いたり図工や習字は得意でしたが、スポーツと勉強は苦手でした。読書好きでいろんな本を読んでいましたが、中学生の時に「心ときめくマーケティング」という本を読んで、ビジネスウーマンになってマーケティングをやりたい、これなら勉強したい、と初めて勉強する気になりました。この頃から、のちにブランディングへ興味を持つ布石は打たれていた気がします。

3. 最初のキャリアは大手化粧品会社

慶應義塾大学商学部卒業後、外資系化粧品会社でのインターンを経て、国内の大手化粧品会社に入社。
百貨店向けの法人営業として大阪に配属され、女社会でのサバイバル術を学んだり、売上目標の数字を追いかけ達成することをそれなりに楽しんでいましたが、同じ事業所にブランド立ち上げ経験のある先輩が移動してきて気持ちが大きく変化。先輩からのストーリーテリングによって売上UPを肌で体感し、「これは面白い!ブランドを創るってなんなんだろう」とブランディングについてもっともっと知りたいと思いました。
でも当時はどの本読んでもバラバラのことを書いてあるし、体系的にブランディングを説明できている日本語の学術的文献はほとんどありませんでした。そこで英語で文献を検索したら山のようにブランディング関連の書籍や研究を発見。
化粧品会社を退社して英国に留学して、ブランディングを学ぶことに決めました。

4. ブランディング留学からコンサルタントへ

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ブランディングの文献が面白かったし、ロンドンのブランドコンサルティング会社Wolff Olinsの現役シニアコンサルタントの講義を聞けることが楽しみすぎて、当時辞めることに全然迷いがなかった。
当時1ポンド190円くらいの為替で、ペラッペラのキュウリサンドイッチと味のないコーヒーに1300円くらい払う生活に苦しみながらも、美味しいビールとウィスキーを飲みながら朝から晩まで勉強と議論をして、無事にUniversity of East AngliaにてMSc Brand Leadershipを修了しました。ここのプログラムのユニークさと面白さについては、長くなるので後ほど書けたらと思います。メーカーサイドでない視点、体系化することの大切さ、抽象化することの難しさと重要性、そして何より、ブランディングについて朝から晩まで喧嘩するほど熱く議論できる仲間と彼らの様々な価値観に出会えた。本当にここでの1年の学びと体験が人生を変えました。
その後日本に帰国。イギリスでの経験から、メーカーサイドではなくエージェンシーサイドの面白さに惹かれて、CIA Inc. にてプロジェクトマネージャーとして飲食・航空・運送など幅広いブランディングプロジェクトにプロジェクトマネージャーとして参画。その頃、大手化粧品会社時代の先輩から、故郷の地域おこしを手伝って欲しいと頼まれ、鹿児島県肝付町岸良(きもつきちょう きしら)と出会います。

5 .岸良との出会い

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とにかく何もない。パチンコやコンビニも銀行もない。ガソリンスタンドも週1オープン。でも山をいくつも超えたその集落には、縄文時代から続く照葉樹林の原生林が育む豊かな土壌と美味しい山水、紺碧の海と白い砂浜が広がっています。そして長靴で切り立つ壁にもひょいひょい登れる60歳超えた無敵のおっちゃんたち。

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地元のおっちゃんたちが振舞ってくれる天然の魚介類や、その辺の山に入ってとる旬の山菜、夜中に頭に懐中電灯をつけてとった手長海老の素揚げ(これが小さい頃の体験とリンクして、もう心を鷲掴み)を芋焼酎お湯割といただくのは至福の体験。

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日本にこんな場所が隠れていたなんてと衝撃でした。そしてそこで見つけたのが、辺塚だいだいです。その頃、料理好きが転じて懐石料理を習い始めていたり、福島の農家団体のコンサルティングを始めていたので、日本各地の旬の農作物に興味が湧いていたタイミングでした。鹿児島の中でもほとんど流通していない、この土地固有の希少な柑橘です。このキーアイテム、辺塚だいだいについても長くなるので別の記事でご紹介します。

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6. 独立。と、先輩の夜逃げでちょっとした挫折

地域おこしを目的としたNPO法人陸の宝島岸良の理事にも誘われ、どうしても岸良と辺塚だいだいとおっちゃんたちとの活動を続けたかった。けど、勤めていたコンサルティング会社の激務と両立していては、本気でやるのは到底無理でした。地域を起こすのは、会社を一つ起こすのとはわけが違うな、こんな中途半端じゃダメだ、と思い独立して株式会社スイロ設立。ブランディング・コンサルタントとして小売・化粧品・農業分野などで包括的な提案を行いながら、理事として岸良に通いやすい状況を作りました。
岸良のNPOも助成金が通ったり、いろんな話が動いてきていたそんな頃、事件発生。

岸良に誘ってくれた化粧品会社時代の先輩、夜逃げ。
ラインで「ごめん」と一言送って夜の間に車で逃げちゃいました。強くて頼りになるおっちゃんたちが項垂れたり泣いたりしているのを見るのは本当に辛くて悔しくて。そんな時って人間て涙よりうめき声が出るんですね。あんまり人に裏切られたことがない(か、記憶にないだけか)幸せな人生だったので、これは最初何が起きているのか分かりませんでした。NPOを立ち上げた張本人で中心人物がいなくなり、NPOメンバーのおっちゃんたちもモチベーションだだ下がり、心がバラバラに。
でも結果としては、これが抜本的に辺塚だいだいの商品作りを考え直すきっかけになったので、今では感謝してます。辺塚だいだいのジャムやジュース作りを手伝いながら、商品の単価や利益率の低さが気になり、持続可能性があるのか、生産者に負担がかかっているのではないか考えました。
先輩の夜逃げも意味があったことです。

7. 植物療法氏、森田敦子さんとの出会い、見えてきた道

ちょうどその頃、植物療法氏の森田敦子さんとひょんなことから出会います。地域創生系のお食事会でたまたま隣に座った素敵な紳士からご紹介いただきました。森田さんは、賞を受賞されるような立派な科学者です。辺塚だいだいのファイトアレキシン(木が病気になると自ら治癒しようとする力、カテキン類など)をサッカロミセス(酵母菌)で培養し生理活性を起こして新規成分開発できることがわかりました。
しかしおっちゃんたちは化粧品原料開発について、首を縦に振りません。化粧品原料開発には時間も費用もかかり、NPOには負担が大きすぎました。でもどうしても、ここで諦められなかった。どうしても、辺塚だいだいが地域の資産になる希少な残すべき植生であることを証明したかった。ので、株式会社スイロで辺塚だいだいを買取り、自社でとことんやってみようと決意。森田さんと議論していく中で、日本中に個性豊かな植生があることを知り、生物多様性の保全と活用を目指すブランド、EUDITION立ち上げにいたりました。

ブランドにこめた想いや、生産者さんについてなどはまた別に書かせていただきます。

コスモポリタンにもキャリアをご紹介いただいているのでよかったらこちらも読んでください^^
https://www.cosmopolitan.com/jp/trends/career/a30331432/career-eudition/

それでは今後ともよろしくお願いいたします!   


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