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読書の記録

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「本当の贅沢」とはなにか

私はこの本が好きで今までに3回ほど読了している。読むたびに「あ、ついついこれをやってしまっていた」ということをまた正したり。例えば「食事中に他のことに気を散らさない」という「マダム・シック」の教えがある。ついつい食事をしながらYouTubeなど見てしまっていたのだけど、食事の時は食事だけに集中するとたしかに「心が整う感じ」がする。動画を見ないぶん、目線が愛犬にいったりしてアイコンタクトするぐらいの「少しの余裕」も生まれる。 この本に書かれているテーマはざっくり分けるとこんな

仕事は「ファンベース」で永く続く

読み進めていくうちに、「私がやりたいことってこれだ」という今まで霧でモヤモヤしていた部分が明るみになっていった。会社を大きくするだとか、売上が伸びれば伸びるほどいい、みたいなこともビジネスにおいては大事だけど、一番大事にしたいのは「感情をもつ人と人」のことなんだ。 冒頭からも出てくる「機能価値」が土台にあって、そこから「情緒価値」と「未来価値」を見つけていく。今まで読んだ(冊数は少ないけど)ビジネス書とはだいぶ違う視点・感覚がたくさんあってすごく面白かった。利用者からは見え

「モネ」がもっと好きになる

昨年、京セラ美術館のグッズコーナーで原田マハさんのこの本が目に止まって購入した。外出や旅行の際には必ず本を一冊持って行く私が、たまたま京都旅行に本を持ってくるのを忘れてそわそわした気持ちになっていたこともあったからだ。東京でも買えるよね?て一瞬思ったけど、買ってよかった。おかげで鴨川で読書ができたし、やはりいつだって本は必要なんだ。 原田マハさんの本はいろんな美術館に置いてあって、美術系のエッセイや小説を書かれている人だとは認識していた。作品を鑑賞するだけではなく、今亡きア

なぜ「五感のラグジュアリー」なのか

読了2回目のお気に入りのエッセイ本。文筆家:塩谷舞さんのまとう空気感がそのままこの本の空気感になっているのだろうな、と思わさせられる本である。冒頭のはじめににもある通り「異なる視点を持つ友人が一人いる」という感覚で読みすすめると「友人の視点がすごすぎる、、」とつい(良い意味で)溜め息が出る。 身近におこる出来事から世界を取り巻く社会情勢にまで話は及ぶのだけど、その視点が塩谷舞さんの素晴らしさなのだ。様々なことについて調べて、落とし込んで、文章を書かれているのがよくわかる。な

苦しんで泣いて笑って「母誕生」

少し前から川上未映子さんの本を読んでみようと思っていたのだけど、どれから読もうか迷っていた。そんなときに幼馴染が出産して、生まれたてほやほやの赤ちゃんを抱っこさせてもらったこともあって、自然と本屋で手に取った一冊。 このエッセイがとても面白く、そしてとても参考になった。面白いと同時に「赤ちゃんを産むこと」の「リアル」が詳細に記されていて、妊娠&出産を経験していないわたしは結構な衝撃を受けた。衝撃というか、やはり壮絶な大変さだ、、、!という確信がもてた。いろいろ話は聞くし、赤

「82年生まれ、山田裕子」も絶対いる

ベストセラーだけあるのは共感が共感を呼んで広がったからなのだなと思った。映画よりも小説のほうがより生々しく憤りが感じられる描写が多く「どうして我慢するの!」と思わず怒りが込み上げてくることも何度か。でも、我慢しないといろんな周りの状況・人が壊れてしまうから、今まで努力してきたものが無駄になってしまうと思ってしまうから、我慢という選択になってしまう。ハラスメントを受けても、恐怖心や羞恥心から何もできずに過ぎ去ってしまったことが世の中にはきっと数限りなくある。そして、そのハラスメ

救いのひとこと「待つために働く」

松浦弥太郎さんの本。この本を読むのは2回目で、今回もあっという間にすらすらと読み終えた。なんで松浦さんの文章はこうも読みやすいのでしょう。強いワードを使わずとも、スッと頭に入ってきて、ハッと気付かされる。多くの人が次も読みたい!と欲してしまうような文章。 この本で松浦さんの言う投資とは株式投資や金融投資などのことではなく、もっと原点に立ち戻ったお話。「投資」と聞くと「余剰のお金をどう運用するか」のイメージを持ちますが、もっと根本のそもそも「お金」ってなに?というところから説