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令和の裁判トレンドといえば!(詐欺) 傍聴小景 #28

言い方悪いですが、裁判というか犯罪業界にもトレンドってあるんですよ。なんかやたら同じような罪状に出会うなって。それが何年も傍聴をしていると、数年前まではなかったのにと時代の流れを感じることも。

「国際ロマンス詐欺」なんて数年前までは言葉もなかったはずなのに、裁判界では常識です。裁判においては「当件は、“いわゆる” 国際ロマンス詐欺の一種で」などと、さも当たり前のように言われたりすると、遠方に住んでいる両親などに、こんな詐欺が流行ってるみたいだけど気を付けてねと連絡をしたくなります。

はじめに

罪名 :詐欺
被告人:20代男性
傍聴席:4人

詐欺というのがとにかく、そのトレンドというのを表しやすいですね。
人を騙す行為の手口や騙される方の状況などが、そのときの社会時勢、使える情報機器などによりますからね。よくもまぁ、すぐに隙を見つけ行動できるものだと、悪いことながら感心してしまいます。感心しちゃいかんですが。

そして、だいたいそういうときに逮捕されるのは、なにも知らされてなかったり、罪の意識が低い末端の人だったりするのはどういったトレンド詐欺にも共通するもので…。

事件の概要(起訴状の要約)

・被告人は2~3名と共謀の上、コロナウイルスによる売上減少をした
 事業者に対する給付金を不正に受給
をすべく、虚偽の申請を行って
 100万円の給付金の交付を受けた。
・また同様の手口で、少なくとも被告人が4名を誘い、虚偽の書類作成、
 申請をサポートし、国から違法に給付金を入手した。

来ました、“いわゆる” 持続化給付金詐欺です。
正直、件数としてはいまだに「振り込め詐欺」の方が多い気がしていますが、トレンドとしてはこの詐欺が急上昇という感じです。

この裁判のあと、何件か持続化給付金詐欺の事案は傍聴することになるのですが、私にとってこの裁判がこの手事案の初めてであったのと、それがたまたま旅行ででかけた「熊本」で出会ってしまったこともあって、印象的なものとなりました。
ちなみに、この旅行時の傍聴の他にあと2回も熊本に足を運んでしまいました…。


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