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27歳限界男性、#TGCしずおか 参戦記

TGC静岡2023 for SDGsを観覧した。当方、27歳限界男性で、当然ファッションショーなんぞ見たことがなく、推しのアイドルが出るらしいのでエイヤッとチケットを取ったのだが、これがめっぽう面白かったので感想を書いておく。長いのでだらだら適当に読んでください。

13時過ぎに現場入りし、会場内でやってる地元ラジオの公開放送を見る。ゲストで岐阜出身の堀未央奈が出てきて「御殿場アウトレットは犬を連れていけるので家族でよく行った」などと話す。そのあと出てきたのはオフィシャル TikTokアンバサダーとかいう二人の女の子で、折田涼夏・本望あやかというらしい。ゲストごとに客が結構露骨に入れ替わるのだが、堀のファンよりもこの二人のファンの方が多くて、これは来場者の客層と関係しているのだろう。堀がいっさいファンサしなかったのとは対照的にこの二人はファンサしまくりだった。

てっきり20歳前後だと思っていたら現役の女子高生らしくてびびる。二人ともそれなりに「仕事」があるらしく、今週はもう3回も顔を合わせているそうだ。折田は着てきた白コートについて「今はやはりコートは白でないといけない」ということを言っていて、MCの重長が「私だめですね、茶色で」と応じると、素で「やばーい」と返して、横で聞いていた本望もそれをたしなめるでもなく「disっちゃったw」と笑っていて、すごい世代だ、と思った。

会場をぶらつく。無料頒布の静岡の水とやらを受け取る。アルミ缶のボトルに入っていて、SDGsと関係するのだろうか、金属とペットボトルではどちらがリサイクルの際のエネルギーが少なくなるのだろうか、などと思う。

メインの建物に入場。中には化粧品や脱毛やクレカのブースがあった。アサヒ飲料の十六茶が配られていて、ノンラベルで、小さいシールに成分表示などがある。見た目にはトラックドライバーのおしっこボトルみたいなのだが、なるほどこれはSDGsだと思う。

入場時に渡された簡易的なペンライトは、何かの発泡剤の筒に電飾が四つ入っていて、ボタン電池なんだろう、スイッチ式だった。たぶん帰るときに出口にゴミ袋があるのではないだろうか。何がSDGsか、と思わんでもないが、これはこれでリサイクルしやすい素材なのかもしれない。

前座の「超ときめき宣伝部」というアイドルグループの歌が終わって暗転、MCもなしにいきなりはじまる。

「TGC SHIZUOKA SPECIAL COLLECTION」。音楽がかかり、JUJUみたいな女優帽を被ったモデルが板付きで登場。三つのモニタがそれを映すが、逆光なので誰かわからない。明転、モデルがランウェイを歩き出し、モニタに、NHKみてえな、白字に黒フチのゴチックのテロップがつく。声出し禁止だが歓声があがる。中条あやみだ。トップでのアピールもそっけなく帽子を触るだけでクールだ。よい。

次々に下手からモデルが歩いてくる。白いアウターを前留めした嵐莉菜、花柄のトップスで頭にスカーフを巻いた大峰ユリホ、二〇〇〇年代みてえな化粧の元e-girlsの楓、セーターも帽子もニットで出てきた香音。そして三浦獠太という韓国人のような顔の男がぼろ切れみたいなのを着て歩いてきて(「ぼろ切れみたいなの」というのはモード系を指す慣用句だ)、ここで男が入ってくるのか、とそのアクセントにしびれる。以後、たまに男がまざってるのがいいようもなくエモい。

みな真顔で、ポーズもそっけなく、たまに帰るときに手を振るモデルもいるが、総じて低体温系。興奮する。

そして日向坂の佐々木久美が登場。白のタートルネックに黒のニットを重ねて黒のレザージャケットを羽織り、ふくらはぎくらいの丈のスカートは黒で、なんやしらんがキラキラ七色に反射している。暗めのアイシャドウが、たまにYouTubeで見るひなあいの切り抜きの印象とは全然違って、泣きぼくろも大人っぽく見える。こ、これはすごい。くそかっこいいやんけ。

つづくせいらはキャットウォークをあゆみながらたまに下唇を下げて、笑うでもなく歯を見せる。そういう表情作りがあるのか! せいらがトップで顎を突き出して引き返すときにまた歓声があがる。幼な顔の出口夏希が、カラフルなマフラーをぶらさげながら、カーディガンに両手を突っ込んで歩いてくる。そして紫のロングコートに、袖を通さず肩がけした、アクリルの馬鹿でかいイヤリングをつけた櫻坂の山﨑天が登場。太眉の野暮ったい眼は、この場ではしかし、それがかっこいいということになっているのだろうということは、おれにも見当がついた。

モニタは三枚あり、中央モニタは映像作品風になっており、左右はそれぞれモデルを映す。名前のテロップのほか、ときおりブランド名が中央に大きく浮かび上がって被って点滅したりする。音楽のほかに音がない空間で、それは、放送禁止になった怖いCMとして知られる「JUNGLE」のCMを思い出させたりもするのだった。視覚と聴覚が始終刺激される、コト消費の商業空間に立っていることを、充実感とともに感じた。

よい。とてもよい。これは来た甲斐があった、と思う。興奮気味に着席するとMCのハリー杉山と竹内由恵が登場、閑談。三年ぶりの静岡開催で、SDGsをテーマにしているのは静岡TGCだけらしいと知る。それから中条あやみが出てきて、ケータリングのうなぎがうまかったとコメントする。おいおいウナギはレッドリストのを絶滅危惧IB類だぞ、食っちゃあかんだろ、と内心苦笑する(ただし土用の丑の日ではなく旬の冬に食すのは問題ないという立場もある)。中条が悪いというより、SDGsを掲げるこのイベントのケータリングにうなぎが入っちゃうことがよくないのだが。

その後、ブランドごとのショーがつづく。デニムの「Levi's®︎」はまずまた中条あやみが出てきて、笑顔をふりまく。コレクションごとに演出が違うらしく、どういうアピールをするかは演出家がいるのだろうか、それともモデル個人がブランドのイメージを解釈しているのだろうか、などと思う。次いで井上想良という白半袖Tシャツの男がデニムのジャケットを左肩に掛けて出てきてまた歓声。それからアリアナさくらが、ぶすっとした表情で、前屈みで歩いてきて、おお、ファッションショーって感じだ、と思う。アリアナさくら、いいな。最後にちょっと笑ったのもすごかった。

そばかすメイクの江野沢愛美、いかにもモデルというふうのトラウデン直美、形容しがたいオーラのある丸顔の田鍋梨々花、色黒系の香川沙耶、ちっせえポシェットをたすき掛けにした茅島みずき、それから黒デニムの綱啓永という男がいたずらっぽく最後に顔を崩してピースし、櫻坂の土生瑞穂が、髪にへんなのをつけて(千秋や篠原ともえの時代の女がつけていたもののリバイバルだろうか?)、細眉で、クールに出てくる。最後に出てくるモデルはランウェイの復路の中途でもう一度ふり返ってまたパフォーマンスをするらしい。

つづいて「チチカカ」になり、いっきに可愛くなり、みんなニコニコ手を振って出てくる。異国情緒あふれる(というのももう死語だが)ミュージックとともにゆうちゃみが笑顔を振りまいて出てきて沸き上がり、莉子、髙橋快空、工藤美桜と人気どころらしいのが連続して出てくる。鶴嶋乃愛、ちょっと年嵩ふうでおっとりな感じのmaimai、入江美沙希、加藤栞、山下幸輝ときて、最後に、YouTuberらしい中町兄妹というのが出てきて大歓声。図体のデカいメガネの兄と、顔のいい妹が仲よさそうに、ラフな感じでランウェイを進む。往路でもがっつりファンサしながら出てきて、たとえば、兄がファンサを求める子をみつけて指をさしたら妹がどれどれとのぞき込むという風情で、全然しらんYouTuberだがこの仲良しな感じは面白いな、と思う。トークではこの二人が出てきて「上町下町中町兄妹です」という決まり文句らしいのを言って、妹のほうが、静岡には前入りして晩はだしの粉をかけるおでんを食べた、セブンのより断然おいしくて感動した、と笑わせていた。

「SHIZUOKA FLOWER COLLECTION STAGE」。みちょぱがいかにもファッションショーらしい、大量の生の薔薇を縫いつけたドレスで登場して湧きあがり、そのあと玖瑠実、そしてアホ面(?)がかわいいひかりんちょが頭に変な花を載せて、淡い黄色のミニで登場、森の妖精みたいななえなのときて、芸人らしい平成フラミンゴが真っ白ないで立ちで出てきて沸かせ、トップで待機、そしたらそのままサッカーの権田修一が白タキシードで照れくさそうに出てきて、最後は平成フラミンゴの二人に囲まれる。トークは川勝平太静岡県知事と権田選手とみちょぱ。県知事は和装で扇を持っていた。おちゃらけているが喋り慣れていないらしく見ていてややしんどい。

「CHANSON COSMETICS STAGE」。これはなんとなく聞いたことがある化粧品のメーカーだぞ。天下の王林、おれでも知ってる景井ひな、Niki、加藤ナナときて、堀未央奈が赤のトップスにチェックの羽織りでイケイケで登場、トップでは身体を一回ずつ左右にややひねるアピール、さらに後ろからマギーが圧倒の貫禄を見せる。ぶちあがった。トークでは王林がちゃらんぽらんに喋る。CHANSONのアイシャドウのラメはあまり下品な感じがなく「光らせていただいてますって感じです」とのことで、これはすごい「させていただく」の用例だ、と思う。

アーティストステージでgirls²というアイドルが出てきて三曲歌う。特撮シリーズ出身者で結成された、と説明があり、ああ、あのおはガール周りがやってるテレ東の女児向け特撮か、と思い至る。緑の合皮か何かのホットパンツ履いてる子がかわいかった。

「WEGO」。ようやく知ってるブランドが出てきた。よしあき&ミチ、紺野彩夏のあと、もーりーしゅーとという男二人が出てきて歓声。どっちがもーりーでどっちがしゅーとなのかわからんが、背の低い方が薄いサングラスをかけて、ブラウン系のストライプのシャツにネクタイ、クリーム色に黒のストライプのカーディガンといういでたち、なるほど、こういうのがかっこいいのはわかるぞ…と思う。この人はさいご田村淳みたいないい笑い方をしていた。川口ゆりな、兵頭功海ときて、こんなのそこらへんにいる女子高生だろという感じの渡邉歩咲が、自身に満ちあふれたふうに柔和な表情で歩いてきて、最後にパーマ気味のツインテを両手で触って眼をほそめる。椎名亜美、バンダリ亜砂也のあと、とうあという、モトーラ世理奈みたいなのが白いファーを被って、大阪のおばちゃんみたいなアウターに、テロテロに光るパンツで出てきて、中条あやみ以来の大歓声。

とうあはそのあと「若者」という曲を歌った。昨年11月にデジタルシングルとして出した初楽曲だとかで、そもそもデジタルシングルという言葉自体初めて耳にしたのだけれど、人前で歌うのは今回がはじめてだそうで、なんかまじで、まじでこれまでの秩序とか消え失せてんだなと思った。

Z世代の有名人、全然知らんすぎる。

15分休憩。会場内は過密で回線が死んでるのだが外に出ると若干マシになる。トイレも済ませる。男子トイレはがら空き。CHANSONのブースに王林が立っていて黒山の人だかり。撮影禁止です、とスタッフが頑張っていた。

アーティストライブ。Da-iCEが四曲やる。「CITRUS」と「スターマイン」は聴いたことがある。

「dazzlin」。日向の加藤史帆が先鋒で出てきて、綺麗なお顔だが、こういうファッションショーでは浮く、テレビに出てそうなメイクだと思った。そのへんにいそうなワンピースだったし。次はトラウデン直美で、トップでははにかみ笑いをして眼福。そのあと出てきたTaeriという人は、二〇一〇年代のOLか? みたいな雰囲気のセットアップで、上はショートスリーブジップジャケットでシャツにはガツンとデカい白いリボン(シアーリボンタイニットというらしい)、下はコンパクトミニでロングブーツ。トリはカトパン風味の岡崎紗絵で、復路でもう一度振り向いたときにあざとくニッコリ一笑していた。

「jouetie」。クレオパトラみてえな楓、出口夏希、いかにもふだんはテレビに出てるという雰囲気の日向の高本彩花、嵐莉菜。そのあとはクソかっこいい系の「MURUA」。紋付き袴でも着てるんか? という歩き方のemmaがずかずかとトップまで来て客席を睨みつけてターンし、超絶よい。宮本茉由、MAAYA、藤井夏恋が続く。MAAYAけっこうよかった。

なんて読むのかしらんがこれならおれでも知っている「EVRIS」は、クソスタイルがよくてもはや現代では王道すぎて浮くのでは? とさえ思われるマギーが投げキッスし、真っピンクのマントをはためかせてみりちゃむが出てきて、藤井サチのあと、さっき好きになったせいらがまたさっきに似たトーンで登場、(着ているのは『五星戦隊ダイレンジャー』のトランプ公爵にしか見えない変な服だったが…)。

「TGC CAMPUS STAGE」。TGCの大学別チームミスコンか何かで優勝した学習院(ミス)と専修大(ミスター)たちが出てくる。ここの司会は広海・深海で、

「ミスターは~(漢字が読めないらしい)ウワー中卒!」
「それはね、せんしゅうだいって読むのよ!」
「ありがとう♡」

みたいなくだりがあって、この日いちばん面白かった。学生のあと土佐兄弟がぼろきれみたいな恰好で出てきて、「大学生あるある/ないない」をやった。昨日の飲み会を説明するやつで、あるあるは「吐いた」一言、「ないない」は「日本の経済について話し合いました」なのだが、フーン、日本の経済について飲み会で話し合うのって「ないない」だとこの人は思ってるんだ、と思った。それはともかく、これはTik Tokで見るから面白いのであり、大きな会場で流れの中でやったので大滑りだった。

ここからは案件タイム。広告出してる非・ファッション企業と絡めた短いショーとMCの連続。MCはあとまわしで先にショーをやるのが洒脱だ。最初はTGCカードの宣伝でみちょぱが出てくる。みちょぱはテレビで見るのと同じ雰囲気だ。日常からの異化に欠けるが、それはともかく客はみちょぱが見れてうれしいし、みちょぱもわかっているから、往路も手を振り振り出てくる。

続いてイオンカード。三人横並びのシルエットで、明転するとそこにいたのは櫻の小林由依、土生瑞穂、山﨑天。カラフルなコートやセーターに、手にはイオンカードを持ってて、端に来たら胸の高さに見せる。CMといえばCMなのだが、異様にカッコよくて、非日常を体験させてもらってます、という気分。

で、大河ドラマ「どうする家康」のCMが流れて明転、二人が板付きになっており、大柄なのと細身のと二人の男性らしい。会場が「松潤がサプライズで来たのでは」という緊張につつまれる。そこへモニタが二人を映す。大柄なのは小手伸也、細身なのは板垣李光人で、松潤じゃなかったのと、小手伸也がリーゼントに変なスーツ着てるのとで、会場、薄笑い。板垣は「SDGsって大事でー、服って絶対捨てちゃだめでー」とひたすら薄いコメントをしていたが、小手は、いま着てるのは自分が着古したスーツをリメイクしたもので、この赤い部分はどこか知らない女性のスカートだったらしい、などと説明していた。

「SBC湘南美容クリニック」では、実際にリフトアップの施術を体験したという吉田朱里が登場、モデルの仕事を始める前にもプライベートで施術を受けたことがあるとかで、なるほど、こういうのを聞いて会場の10代・20代の女子の美容整形へのハードルを低くしていくのか、と感じ入る。

次は暗転がしばらく続く。どうもステージに車が来たらしいと思えば、明転してその車から安斉星来、もーりーしゅーと、雑賀サクラの4人が登場、SUZUKI 「ラパン LC」の宣伝だった。大歓声で、誰が人気なのかはよくわからんが、たぶん雑賀サクラではないだろうか。雑賀が助手席に載ってデザインをほめまくるのをカメラが映し、若者に車売るのも大変やな、と思った。

最後は「SHEIN FACE TYPE STYLING」とやらで、要するに顔のタイプ診断らしい。昨今の骨格診断やらパーソナルカラー診断やらなんとか診断やらの多さはなかなかすごいものがある。いったい何の意味があるのかよくわからんが……。出演者はけっこうよくて、ゆうちゃみ、アイラインのハネが大きくてかなり跳ねてる王林、莉子、加藤ナナ、村瀬紗英、那須ほほみ、エヴァのアスカみたいな赤いリボンをつけた景井ひな、いかにもZ世代というルックスの、編みツインテのミチ。ゆうちゃみは、ふだんはつけましまくってるのだが、今回は顔タイプ診断に沿ってこれまでしたことない感じにしあげたと言っていた。

アーティストライブ。MA55IVEというのが出てきて汗だくでがんばる。全然しらんがけっこうよかった。いわゆるイケメンとは異なる、最俺のこーすけみたいな顔の人も頑張っていた。「頑張っていた」という妙な感想になるのは、このくらいでもはや開始から4時間を越え、客の方はへとへとで、離脱する者もでて空席が出始めるからである。

「REDYAZEL」。楓、雨宮由乙花のあと、まだ出てきてなかった日向の齊藤京子がようやく登場、これは私服みたいなもんだろ、とも思われるセーターとロングスカートだが、実物の顔、テレビで見るより洗練感があってすこ。以下、香音、田鍋梨々花、Niki、小林由依。

「one after another NICE CLAUP」は先鋒で春コートっぽい遠藤さくらが出てきて歓声。ちょっと濡髪ふうの束感のあるヘアアレンジだった。そのあと、それはバブルのころのOLのスーツを春色っぽくしただけでは? なRisaがきて、モデルというより女優という雰囲気の新沼凛空、さっき歌で出てきたGirls²の原田都愛、松村キサラ、石川恋のあと、あーこういうモデルもいるよね、という感の、ボーダーにオーバーオールに眼鏡に鮮明な口紅の岡崎紗絵(かわいい)。

「TGC teen STAGE」はTGC teenのモデルのほか、アベマでやってるとかいう10代の恋愛リアリティショー(地獄みたいな番組だな)「今日、好きになりました。」の出演者が出てきて、みとゆな、岡田蓮、実熊瑠琉、寺島季咲、横山莉華、松井大奈、ゆいな、大木遥翔、植村颯太、前田俊というのの誰がどれなのかもよくわからんが、おおむね男女がカップルで出てきてイチャついてて、世も末だと思った。最後にスーツでびしっと出てきた男二人の植村颯太・前田俊はすげー歓声で、人気あんのな、と思った。どっちかはもう既婚者子持ちらしい。殺してくれ。ちなみに「今日~」は新シリーズやるそうで予告が流れたが、サムイ島でロケしてるらしく、え、十代を長期間にわたって外国の島に拘束して撮影してるの? とびびる。

「moment+」。よしあき&ミチ、紺野彩夏、なえなの、鶴嶋乃愛、吉田朱里、小川桜花(Girls²)、小室安未、なごみ、金村美玖(日向坂46)、中町綾 。このへんになると、おいおいやんちゃん(金川紗耶)はいつ出てくるんだ、プログラム終わりそうじゃねーか、おれはやんちゃんを見にきたんだぞ、もうけっこう満足したとはいえやんちゃん見ないと帰れんぞ、という気持ちで一杯で(この投稿の冒頭の「推し」は金川紗耶である)、なえなのかわいいなとか、金村美玖いいな、もっと体力ある序盤で見てたら好きになってたな、とか、なんかロイド眼鏡で出てきた中町綾けっこういけるぞ、とかくらいしか感想がない。

「LAGUA GEM」。藤井夏恋のあと、シルエットと雰囲気で遠目にもわかるぞ、ようやく、やんちゃん(金川紗耶)登場。みつあみを何本も垂らして、フランス語の書かれた白のセーターで萌え袖して、下はグレーのデニム、これは普段着だろ、と思いつつ、ようやくやってきたやんちゃんを吸収することに必死、それから、ランウェイとモニタどっちで見るべきかと焦りつつ、結局トップは表情確認のためモニターで見る。手を頬にあてて若干首をかしげるポーズ。すこ。もとから高いお鼻がもっと高く見えるような陰影をはっきりさせるメイクだった。そのあとパーカーのフードをぴっちりかぶった仏頂面のアリアナさくらが出てきたのもすこだった。続く安斉星来は髪ぼさぼさ気味、口もへの字でやや開きという表情でこれもすこ。以下、Taeri、大峰ユリホ、雑賀サクラ、みちょぱ。

そのあとOWVというダンスユニットが出てきて何曲かやる。吉本興業所属らしくしゃべりも面白かったが、客煽りで「あとはフィナーレ」とかなんとかいっており、おい! やんちゃんは一回しかでてこないのか! と思う。最後のグランドフィナーレは全員がどかどかでてきて間断なくランウェイを歩くもので、テロップもないのでやんちゃんがどこにいるかはいまひとつよくわからんかった。

終演。規制退場だったらしいがアナウンスが入るのが三十秒遅くて、客はもうめいめいに立って出口へ向かっていた。出口では土産があったが、おれの並んだ列は土産が途中で切れて一分立たされた。なぜ足りなかったかというと、分散退場のアナウンスが間に合わなかったせいで、泥縄式に搬入したらしい。

輸送バスがあるらしいが、どう考えても待たされた挙句にすし詰めになるので、歩いて20分くらいなのは地図を見てわかっていたから、おそらく駅に向かうであろう地元民ふうの数グループのあとをついて徒歩で駅へ。

とにかくすごくよいものを見たという感想。Z世代すげー、と感激しながらとへとへとで深夜に帰宅して布団の中で見たYahoo!ニュースやYouTubeは、自分のためにカスタマイズされていて、そこに表示される数々の固有名詞は、もはや色褪せてさえ見えたりもした。自分は(情報の海である)webを使いこなしているつもりだったのだけれど、エコーチェンバーということをなまなましく感じたのだった。

〈世界とは時代とは数限りなき固有名詞の羅列にすぎぬ〉(藤原龍一郎)という短歌があって好きなのだけれど、この日、固有名詞なるものはもはや、リアルな世界を生きていたはずのおれを疎外するものとして到来し、うおー、面白いぞ、とおもった。

あと、おしゃれしてーという心持ちに。

もうひとつ思うに、こういう場所に出てくるファッションとかメイクを見るのはむずい。世の中の男がゆるふわ系女子が好きなのは、見て解釈するのが簡単だからだ、と理解した。何事にもリテラシーはある。

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